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【高評価】いつのまにか◯だくさん!?・・・11(病院で会ったのは、まさかの。)(1/2ページ目)
投稿:2025-04-07 09:52:59
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私は宮崎といいます。地方国立大卒、地方のIT企業の技術職、社会人3年目の25歳です。学生時代はラグビーをしていて、身長も180センチと体の大きさと頑丈さが取り柄です。大学時代にはじめて彼女ができて、有頂天になっていたら、ラグビーの合宿で離れている間に、彼女の寂しさの相談に乗るフリをして近寄った後…
それからまたしばらく経って、そろそろ理子さんの妊娠中期も過ぎて、さすが双子、普通の同じ時期の妊婦さんに比べるとはるかにおなかが大きくなってます。最初のうちだけつわりがあったものの、その後はなにを食べても美味しいようで、大きくなってきたお腹をなでながら、穏やかにすごしていました。そんなある日の昼休…
お父さんと愛美さんとのお手伝いをしてからまたしばらく経ち、理子さんのおなかもぱんぱんです。だいぶ前から、産休にも入っています。
双子って、一般的に、胎児2人の成長バランスが違ったり、そもそも成長が遅かったり、いろいろ問題が出やすいそうですが、理子さんは幸いあまり問題になることもなく、ここまで乗り切ってきました。
が、さすがに華奢な体に2人の胎児を抱えて動き回るのは大変らしく、いろんな場面で私がサポートすることが増えました。万が一があると嫌なので、病院の妊婦検診にも付き添っています。
そして今日は、理子さんの32週の妊婦検診でした。ネットなどで言葉は知っていた「管理入院」をしましょう、と医師から言われました。子宮頚管が短い、とかなんとか言っていた気がします・・・。
「やっぱり双子っていろいろあるんだね~。」
「双子の妊婦が管理入院するのは珍しくはないみたいよ?そのほうが安心なんだって。こういう大きな病院は、そういうときのために体制を作ってるらしいし。」
「そういうもんなんだね、ほんとに知らないことばっかりだ。」
「まぁね、双子がいなかったら関係ない知識だしね~」
そんな話をしながら、せっかく出かけたし、一休みしようと、病院内のオープンカフェに行きました。帰ったら最後の入院準備をしなくちゃね、と話しながら、通路を歩いている人をぼんやりながめていたら、赤ちゃんを抱いた女性が歩いてくのが見えました。
産婦人科なので赤ちゃんを抱いて歩いている人は珍しくないのですが、その横顔には忘れられないものがありました。
「理子さん、ちょっとここで待ってて!」そう言って、その人を追いかけて、声をかけました。
「あみ!」
その女性が振り返りました。
「ゆ、ゆうくん?!」
「あみ・・・なんで・・・ここに?!」
「・・・この子の、一ヶ月検診よ。」
「もしかしてこの前の電話・・・知り合いの話じゃなかったんだね・・・」
「・・・うん。ごめんね、ウソついて。」
「旦那さんは?」
「夫は・・・いないわ。」
「え・・・それって、どういうこと・・・?あみ、ちょっと、こっち来て。理子もいるから。」
「い、いいわよ・・・そんな・・・」と遠慮がちに言う課長を無理矢理引きずるようにカフェに連れていき、座らせました。
いきなり知らない女性を連れてきた私に、理子さん、戸惑っています。
「ゆ、ゆうくん・・・この人は・・・?」
「理子さん、以前、話したことあったよね、藤原課長。あみ?この子は、俺の子、だよね?」
そう言うと、課長は、こくん、と頷きました。
「宮崎の妻の、理子です。はじめまして。ゆうくんから、藤原課長とのお話、お子さんができた話も含めて、全部、聞いています。」
「はじめまして、藤原あみ・・・です。今は、旧姓に戻って、倉田あみ、です。ゆうくんから結婚したって話を聞いて、あなたが理子さんなのね。一度お会いしてみたいと思ってたわ。ゆうくんが結婚したいと思う人だなんて。すごいと思ってたの。」
「え、旧姓って・・・それに、旦那さん、いないって言ってたよね・・・どういうこと?」
「ゆうくん、ちょっとね・・・、話が長くなりそうだから、ちょっとここじゃ・・・」
なにか、深刻な話になりそうで、オープンなカフェだけに、周囲の目も気になります。
「あ、ごめん・・・。あみ、もう検診は終わったの?もし帰れるんだったら、うちでゆっくり話さない?理子さん、いいよね?」
「いいの?おじゃましちゃって・・・」
「もちろんです。同じゆうくんと深い御縁があった仲間?みたいなものですから。」
「じゃあ、行こうか。荷物、俺が持つよ。」
「2人とも、ありがとう。ゆうくん、相変わらず女性に優しいのね。」
3人立ち上がって、駐車場に向かいました。が、チャイルドシートがありません。すでに2つ買っていますが、大きめの車に乗り換える予定で納車待ちなので、まだ生まれてないこともあって、取り付けていませんでした。
しかたがないので、私は理子さんの荷物も持って車で家に戻り、理子さんと課長にはタクシーで帰ってもらいました。タクシーの場合はチャイルドシートがなくても乗れるのが、ちょっと不思議です。
部屋に着いて、課長にも赤ちゃんと一緒にリビングに来てもらいました。毛布を持ってきて畳んで、ソファを1つ赤ちゃん用ベッドにします。そこに寝かせてバスタオルをかけました。かわいいです。
「ありがとう。」
そう言う課長が、昔に比べて小さくみえます。
理子さんが飲んでいるカフェインレスコーヒーを3人分淹れ、売店で買ってきたお菓子も並べます。
とりあえず会社にも電話をして、課長に明日の管理入院の話をしてお休み許可ももらい、理子さんの管理入院にも私が付き添うことにしました。
「ゆうくん、すっかり旦那さん姿が板についてるのね。」
「あはは、理子さんがね、俺に自由にやらせてくれるからね。」
「理子さんは福井課長の下で働いてたんでしたっけ?」
「はい、そうです。それで、仕事でゆうくんと知り合って。いまは産休に入ってますけど。」
「それより、あみは?どうしてたの?旦那さんとか、旧姓とか、よくわからないんだけど。」
さっき聞きそびれたことを、聞き直します。
「夫は・・・亡くなったの。」
「えっ!」
「前の旦那とやっと離婚できて、夫と籍を入れてまもなくだったんだけど、交通事故で。青信号で渡ってるときに、信号無視で突っ込んできた車に飛ばされてね・・・。」
「相手がそこそこ大きい企業の役員を乗せた社用車で、表ざたにしたくなかったらしくて、結構な金額の賠償金と、生命保険とで、今は、左うちわよ?」課長が笑いました。でも目が笑えていませんよ・・・。
「そんな・・・」
「なんてこと・・・」
「もう、向こうにいる理由もなくなっちゃったから、家財道具も全部売り払って、さくっと日本に引き上げてきたの。今は、前のマンションのすぐ近くに住んでるの。」
「帰国したとき、妊娠後期にさしかかってたから心配だったんだけど、ゆうくんに教えてもらった病院に直接行ってね、事情を話して相談したら、普通は受け入れないけど、事情が事情だから、って受け入れてもらえて、一か月前に、あそこで出産したの。」
「だから、今日は一ヶ月検診だったのよ。でも平日だし、まさかゆうくんに会うなんて思わなかったわ・・・。」
「普通だったら行かないのかもだけど、うちの子、双子なんですよ。だから普通よりちょっと慎重になってるんです。案の定、今日の検診で、明日から管理入院しなさい、って言われて、理子さん、明日から入院するんです。」
「そうだったのね。じゃあ、今日も入院準備で忙しいんじゃない?」
「早期の入院はある程度想定してたから、準備はだいたいできてるんです。だから、明日軽く最後の準備をする程度で、今日は家でのんびりしてればいいかなって。」
「ところでさ、あみは、いま誰かと一緒に住んでるの?」
「ううん、1人よ?というか、この子と2人ね。親はもういないから実家もないし、兄弟姉妹もいないしね。買い物は、多少割高だけどネットスーパーを使えば家まで運んでくれるから、子連れで歩かなくても済むしね。幸い、お金には困ってないから。」
「ねぇゆうくん、あみさんに、うちにきてもらったら?どうせ私、明日からいないんだし。」
「えっ?」「そんな、悪いわよ・・・」
「あみさん、私、いま32週なんです。明日から管理入院したら、たぶんそのまま出産だと思います。出産予定は37週なんですが、状態によって36週か37週あたりで帝王切開になるはずなので、今から4~5週間先、それから入院が1週間として、5~6週間、入院が続くと思うんです。」
「退院後は、里帰りする予定で、ゆうくんも一緒に私の実家に行くことにしてるので、そこまでなんですけど、あみさん、今、産後1か月ですよね?病院で、産後2ヶ月くらいまではお母さんの体力戻らないって聞きました。」
「ほんとは退院後からこれまでが一番大変だったとは思うんですけど、ここから1か月ちょいでも、少しでも楽になるなら、と思うんですけど。」
「ゆうくんは、一通り家事もできます。最近、共働きの頃に比べても、いろいろ自分から担当を増やしてくれて、助かってるんです。」
「でも、1人になったらダラダラするんじゃないかってちょっと心配してて、規則正しい生活をしてもらうにも、信頼できる誰かが一緒にいてもらったらゆうくんも頑張れるかな、って思うんです。」
「ゆうくん・・ごめんなさい、勝手に話しちゃったけど、ダメかな・・・?」
「理子さんがそう言ってくれるなら、俺はもちろんいいよ?あみ、自分の家のほうが気楽なことも多いと思うけど、俺、洗濯とか、風呂掃除とか、料理もできるし、それほど不便はさせないと思うよ?あみにもできることから手伝ってもらうとは思うけど。どう?」
「理子さん・・・ゆうくん・・・ほんとにいいの?」
「いいですよ。さっきいった通り、私が退院するまでなので、あみさんもそれまでにがんばって体力つけてくださいね!」
「じゃあさ、客間でいいよね?和室だし。布団敷いて寝られるし。」
そんな話をしていたとき、大事なことに気づきました。
「そうだ、呼び方なんだけど、あみさん、でいいかな。あのときは子作り中の演出みたいな感じで名前を呼び捨てにさせてもらってたけど、考えてみたら、旦那さんにそう呼んでもらってるから、もう呼ばない、っていう話をしてたのを思い出したよ。ごめんね。」
「ううん、最後はほとんどずっとそう呼ばれてたから、違和感はないわよ?」
「でも、一緒に暮らすんだったら、やっぱり自然な呼び方にしたいから、理子さんって呼んでるように、あみさん、って呼びたいんだけど、いい?」
「そのほうがいいかも・・・。!考えたら、私のほうがずっとお姉さんだしね!」
「じゃあ、あみさん!これからよろしくね。あ!そうだ!もうひとつ大事なこと、聞いてなかったの思い出したよ!!!」
「え、どうしたの?今度はなぁに?」
「この子、男の子?女の子?名前はなんていうの?」
「ゆうと、男の子よ。悠々の悠に、北斗七星の斗。」
「ゆうとかぁ!!ゆうと~!はじめまして!!かわいいね!」
はしゃぐ私を見て、理子さんがクスッと笑いました。
「ゆうくんって、子ども、好きなのね。ウチの子はどんな子たちかなぁ。早く逢いたいね。」
「ね~!待ち遠しいよ♪」
「名前は、ゆうくんの悠をつけてくれたんですか?」
「そうなの、勝手に使っちゃってごめんね?」
「ううん、うちの子たちとも兄弟になるわけだし、私も、なんかうれしいです。」
「それじゃ、あみさん、これからよろしくね。」
「お言葉に甘えて、お世話になります。よろしくお願いします。」
「あと、せめて私達がいる間の生活費は、私に出させてね。そのくらいしかできないし。」
「そんなの別にいいけど、それであみさんの気持ちが済むならお言葉に甘えます。ありがとう。」
「そのへんは、あらためて相談しましょう?そうだ、あみさんがここで暮らすなら、あみさんの荷物、多少は取りに行くのよね?もしそんなに時間がかからないなら、私がゆうとくんを見ててもいいけど、どのくらいかかりそうですか?」
「病院でおむつ換えてミルクもあげたところだから、今行けば、戻ってきたらちょうどタイミング的にいい時間じゃないかな?いいの?見ててもらっても。」
「はい、私もイメージトレーニングします♪」
「じゃあ、理子さん、お願いしていい?ゆうくん、お願いします。」
「じゃあ、行ってくるね。」
そう言って車であみさんと荷物を取りに行きました。冷蔵庫のナマモノ系を運ぶために、クーラーバッグも持っていきます。
あみさんの部屋はウチからそれほど遠くなく、歩いても行けるほどでした。
「とりあえずそのヘンに座ってて。荷物まとめるから。」
そう言われてソファに座っていると、テレビの脇に、旦那さんとあみさんの2人の写真がありました。2人とも笑顔がすてきです。写真たてを手にとって見ていたら、隙間から、なにかが落ちました。拾ってみると、それは、私の写真でした。これは・・・課員旅行?え、この頃って、まだあみさんと何もなかった頃だよね・・・。
あみさんが呼ぶ声がしたので、いそいで写真を元に戻して、寝室にいるあみさんのところに行きました。
「いろいろ詰めたら重くなっちゃったの。ごめん、ゆうくん、運んでもらっていい?」
「いいよ。あとは冷蔵庫?」
「そうね。あと、赤ちゃん用品もあるの。そこにまとまってるヤツね。そのまま持っていけるわ。」
「じゃあ俺、先にこれ車に積んでくるから。」
そう言って、あみさんがまとめた荷物と、赤ちゃん用品を車に運びます。
戻ると、冷蔵庫のものもだいたい終わったようでした。
「これで大丈夫そう?」
「ええ、忘れ物があっても少しだったら取りに来れるし、大丈夫よ。」
「じゃあ、戻りますか。」
そう言って玄関に行こうとすると、後ろから、あみさんに抱きつかれました。
あの、最後に会議室で抱きつかれたときのことが、頭に蘇ってきました。
「ゆうくん、会いたかった。ありがとう。」
振り返ってしばらく向き合ってあみさんを抱きしめたあと、「また会えてうれしいよ。ありがとう。」
そして、あみさんから離れて頭をポンポン、と撫でて、「さ、行こっか。」と言って、部屋を出ました。
「ただいま~!」家に戻ると、お客さんが来ていました。
「あ、里美さん、ひさしぶり~。元気だった?」
「ゆうくん、ひさしぶ・・・ふ、藤原課長!?お、おひさしぶりですっ!」
「もしかして・・・福島さん?福島さんもお腹が大きいの?!」
「そうなんです!夫は、総務の千葉です。私、今は千葉里美になってます。」
「藤原課長が突然会社辞めたのは知ってましたけど・・・なんか送別会らしい送別会もなくて、不思議に思ってたら、お子さんができたからだったんですか?この赤ちゃん・・・課長のお子さんなんですよね?旦那さんは?どこの方なんですか?」
「私の子よ。ゆうと、っていうの。男の子。夫は、交通事故で亡くなってね。」
「え!そんな・・・」
「そうだ、ちょうどいいから、里美さんにも説明しておくね。今日の理子さんの検診でさ、明日から管理入院するように言われたんだ。子宮頚管が短いとかで。双子だからね~、安全のために、みたい。」
「で、その病院でね、一ヶ月検診に来てた課長、あみさんに会ってさ、まだ産後一ヶ月だっていうのに1人で暮らしてるって言うから、とりあえずウチで一緒に暮らすことにして荷物を取りに行ってたんだよ。一応、俺、これでも家事できるからね。」えっへん、と胸を張ると、
「理子ねぇがいない間にゆうくんが悪さしないように監視してもらうのね!藤原課長なら安心ですね!いい考え!」
あみさんが吹き出しました。
「ウチの子が生まれて退院するまでだから、今から6週間くらいだと思うけど、あみさんもやっぱり万が一って心配だし、ゆうくんにも、赤ちゃんのお世話の練習しておいてもらえるしね。」
「そんなことで、お世話になることになったの。ええと、里美さんね、よろしくね。」
「こちらこそよろしくお願いします!じゃあ、私も時々遊びに来たいな!ウチも近いし。理子ねぇ、来てもいい?」
「いいわよ?でも、あみさんのじゃましないようにね。」
「ありがとう!」
そんなわけで、奇妙な同居をすることになりました。
3人でお茶をしていると、ゆうとが泣きました。「あ、そろそろ時間かな。」あみさんがそう言って、ゆうとのオムツを交換しました。それほど匂いも気になりません。
そして授乳タイムだそうで、あみさん、おっぱいを出してゆうとに授乳をはじめました。お母さんが赤ちゃんにおっぱいをあげる姿って、不思議とほっこりします。
「か、課長・・・いいんですか・・・?ゆうくん、いますけど・・・汗」
里美さんが、私とあみさんとを見比べながらあわあわしています。どうしたのかな、と思って里美さんとあみさんを見比べていると、「だ、だって、課長、ゆうくんにおっぱい、見られちゃってますよ?!」と言いました。
「あ・・・」そういえば、俺、違和感なくあみさんのおっぱい、見ちゃてますね・・・。里美さん、俺達の関係、知らないんだった・・・。
理子さんとあみさんを見て、「話してもいい?」と聞くと、2人とも、こくん、とうなずきます。
「里美さん、実はさ、この子、俺の子なんだ。」そう言うと、里美さん、大きく口を開けて驚いています。「ええええええ~~~~~!!この子も?!どういうこと?!?!」
「あのね、もともと私、前の旦那とね、子どもができなくて、検査したら旦那側に問題があったの。それで、精子提供してくれる人をネットで探して、応募してきた人と、お互い顔がわからないようにして、妊娠しそうな日にエッチしたことがあったの。」
「あとになって、その相手が、ゆうくんだったってわかって・・・。その直後、主人が出張だったから、確実に妊娠できるように何度もエッチしてもらったの。この子、そのときに妊娠してできた子なのよ。」
「結局そのときの旦那は、浮気してたことがわかって離婚して、別な人と、子どものことも話したうえで再婚したのよ。その夫が、子どもが生まれる前に交通事故に遭って亡くなったの。」
「課長・・・そんな大変なことがあったんですね・・・知らなかった・・・。」
「過ぎたことだけどね。だからね、ゆうくんは私のハダカどころか、全部見てるの。こんな授乳くらいで気にしないわよね?」
「ちょうど、里美さんと仲良くなった頃だよ。あのストーカー事件あったじゃない。あれ、課長の元の旦那さんだったんだ。ストーカー対象は里美さんじゃなくて俺だったみたい。」
「え!そうだったの?!」
「俺さ、あのときは課長に溺れかけててさ、課長が俺から離れたとき、会社辞めようとまで思ったくらいだったんだけどね。」
「理子さんが、そんな俺を引き上げてくれたんだよ。理子さんと暮らすようになってから、課長のこと、やっと、ちゃんと吹っ切れて、思い出しても平気になったんだ。」
「あのストーカー・・・?!そうだったんだ・・・確かにあのころのゆうくん、妙に暗くなるときがあって、時々おかしかったもんね・・・。それって、藤原課長とのことだったんだね・・・。」
「私が少しでも埋めあわせられるかなって思ったこともあったけど、結局だめだったし・・・。私じゃ、ゆうくんの暗い影の原因、払拭できなかったってことなんだね。やっぱり理子ねぇなんだね・・・」
「ちょっと悔しいけど、やっぱりゆうくんと理子ねぇ、運命の出会いだったんだね。見てても、一緒にいるのが自然すぎて、お似合いすぎるもん。」
「え、悔しいって・・・里美さんも、ゆうくんのこと、好きだったの?そういえば、仲良かったわよね。」
「はい・・・でも、私のほうに、正式に付き合う踏ん切りがつかなかったのもあったんです。男性と付き合ったこともなかったし、私だけのゆうくん、っていうか、ゆうくんが私だけを見てくれるっていうのが想像できなかった、っていうのもあったし・・・。」
「結局、私が千葉さんを選んだのは、千葉さんは私だけを見てくれる安心感があったのもあるんです。それと、ゆうくんが理子ねぇと付き合うのと、ほぼ同時だったもんね。」そして、里美さん、自分のおなかをさすりながら、言いました。
「あの、ついでに私も言っちゃうけど、たぶん、この子も、ゆうくんの子、です・・・」
「え~!!そ,そうなの?!千葉さん、そのことは・・・?」
「調べてないから確実ではないけど、五分五分かも、って話はしてるし、千葉さんも、たぶんゆうくんの子だと思ってると思います・・・。」
「・・・ゆうくん・・・すごいわね・・・」
「そ、それほどでも・・・汗」
そんな話をしていると、日も暮れてきて、里美さんは帰っていきました。
そろそろ夕食の支度の時間かな、と思い始めたところで、理子さんが口を開きました。
「あの、ヘンな提案というか、あみさんにお願いがあるんですけど・・・あみさん、ゆうくん、ちょっと聞いてもらっていい?」理子さんが、あらたまって、話し始めました。
「え、どうしたの?理子さん」「理子さん、なぁに?」
「私がいない間、あみさんと、ゆうくんと、2人になるんですけど、」
「ゆうくん、やっぱり溜まっちゃうと思うんです。ゆうくんは我慢するって言ってくれてるけど。溜まっちゃうのはしかたないと思うんです。」
「それで、提案というか、お願いなんですけど・・・あみさん、ゆうくんの・・・すっきりさせてあげることって、今でも可能ですか?可能だったら、してあげてほしいんです。」
「えっ!何言ってるの?理子さん!」「いやいや、それはさすがに・・・」
「あの、さすがに私がいない時にエッチするのだけは、止めて欲しいんですけど、お子さん一ヶ月だったら、まだ無理かなと思いますし・・・。2~3ヶ月くらいしてから、って病院では聞きましたし。」
「それに、私も、知らないところでこっそりされるのは、まだイヤなんです。でも、わかっている範囲で、信頼できる人が、フォローしてくれるのはありがたいかな、って思ってて。ムシのいい話ですけど。」
「それに、ここまで言ったら、ゆうくん、2人でしたこととか、私に報告してくれるよね?私、ゆうくんを信じてるから。」
理子さんはそう言って、私を見ました。澄んだ目が、信じてるからね、と言ってます。
「理子さんが嫌がることは、ぜったいしないよ。約束したもんね。」
「理子さん・・・すっきりさせるって・・・たとえば、口で、とか?いいの?」
「はい。手でも、口でも、胸でも・・・エッチさえしなければ、いいですよ。でも、子どもが生まれて退院してくるまでの間ですから。そこから先のことは、その時、あらためて相談するってことでどうでしょうか?」
「ゆうくん、あみさんにしてもらうかわりにね、夜中とか、ゆうとくんが目覚めたときの手伝いとか、ちゃんとしてあげてね。お母さんがゆったり子育てできることが、先々の子どもの精神的な安定に繋がるはずって、私、思ってるから、あみさんをちゃんとフォローしてあげて。」
「わかった。もちろん一緒に暮らすからには、それはがんばるよ。双子が生まれたらもっと大変だろうし、その前に練習もできると思ったら、むしろうれしいし。それになにより、ゆうとだって俺の子に違いないしね。」
「この先、どうしていくといいかは、まだわからないけど。それも含めて、3人で考えたいと思ってるよ。」
「そうね。こんなことを言い出してヘンだと思われてるかもしれないけど、私、あみさんにお会いしたのは今日がはじめてなのに、なんか、他人な気がしないんです。お姉さんみたいな・・・不思議な親近感を感じちゃって・・・。ごめんなさい、勝手な感覚なんですけど。」
「ありがとう、理子さん。不思議ね・・・実は私も、さっきから、理子さんが他人に思えない気がしてたの。だから、理子さんを裏切るようなことはしないから、安心して。」
そう言って、理子さんとハグしています。でも、百合百合しい感じはなくて、やさしい空気感でした。
理子さん、あみさんと3人で、夕食の支度をします。ほんとはあみさんにはゆっくりしてもらいたかったのですが、理子さんがいるうちに、キッチン周りを把握しておきたい、というあみさんの言葉に納得して、一緒にキッチンに来てもらいました。
そして入浴、ゆうとの入浴はあみさんがさせましたが、私が手伝いました。あみさんが先に入浴して、呼ばれたらゆうとをハダカに剥いてバスルームのドアを開けて、あみさんに渡します。
全裸のあみさん、懐かしいです。産後一ヶ月とは思えない、均整の取れたきれいなハダカで、つい見とれていたら、後ろから頭をコツン、オタマで叩かれました。
「ゆうくん、さっさとドア閉めないと、あみさん、冷えちゃうでしょ?見とれちゃうのはわかるけど。」
「あ、ごめん!あみさん、ごめんなさい!」
あわててドアを閉めて、すこししてから、上がってきたゆうとを受け取りました。
必要なものは、あみさんがすでにまわりに並べてくれているので、あとはバスタオルでくるんで拭き、赤ちゃん用のクリームを塗って、オムツをはかせ、用意された下着と服を着せて、リビングの定位置に寝かせます。
ゆうとは思いのほか泣かず、お腹が空いたときと、オムツが汚れたときぐらいです。あとは満足げに寝ています。たまに聞く泣き声もうるさくなく、むしろ気持ちが安らぎます。想像以上に子どもの世話が楽しいと思える自分に、びっくりです。
今夜は理子さん入院前の最後の夜、私と理子さんが2人家族で過ごす最後の夜でもあります。私はビール、2人はノンアルコールビールで、乾杯します。あみさんは、ゆうとにミルクを飲ませています。母乳とミルクの混合で飲ませてるらしいです。
「理子さん、ゆうくん、ありがとう。一人でも大丈夫、って思ってたけど、誰かがいるって、すごく安心するってこと、痛感したわ。入浴させるのもすごく楽だったし、ひさしぶりにゆっくりお湯に入れたわ。ほんとにありがとう。」
「ね、ゆうくんって、結構使えるでしょ?私、自信があったの。だから一緒に、って言えたんです。」
「理子さんにもゆうとを見ててもらえたし、人の目があるってことだけで、子育てって楽になるって、実感したわ。」
「理子さん、まわりのことにすごく気が付きますからね。自慢の妻です。」
「そもそも理子さんと一緒に暮らすようになったきっかけも、俺がやらかして里美さんと喧嘩してどんより帰ったのを見た理子さんが、喧嘩の現場を見ていないのに全部察してくれて私のフォローに来てくれたことだったんです。」
「だって、あの日のゆうくん、死にそうな顔してたもん。状況から考えたら、わかるわよ。」
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(2020年05月28日)
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