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【高評価】いつのまにか◯だくさん!?・・・4(展望バーでの遭遇と子だくさん)(1/2ページ目)
投稿:2025-03-18 15:33:56
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本文(1/2ページ目)
私は宮崎といいます。地方国立大卒、地方のIT企業の技術職、社会人3年目の25歳です。学生時代はラグビーをしていて、身長も180センチと体の大きさと頑丈さが取り柄です。大学時代にはじめて彼女ができて、有頂天になっていたら、ラグビーの合宿で離れている間に、彼女の寂しさの相談に乗るフリをして近寄った後…
しばらくすると、聡美さんが復活したようです。「・・・ん・・・」#グリーン「あ、お母さんだ、起きた?」#コーラル「起きたわ・・・やっと・・・。はぁ・・・さっきも起きようと思ったのに・・・起きさせてくれないんだもの・・・」#グリーン「え、起こそうと思ったのに、起きなかったんじゃなかったん…
「レストランに行った時も入れてたけど、やっぱりこういうのドキドキするね・・・」
「私はオモチャ自体、入れるの初めてなの・・・歩くたびにこすれて・・・変になりそう・・・」
「こういうのって、興奮するわよね・・・感じて興奮してるのか、外でしてるので興奮してるのか、自分でもわからなくなっちゃうけど・・・濡れてきちゃう・・・」
聡美さん、濡れちゃうって・・・娘さんの前ですけど・・・もうさんざん見られたからいいんでしょうか。
展望バーに着くと、比較的空いていました。
2人掛けソファ2つが展望窓に向かってV字に配置されているテーブルに案内されました。ソファの後ろには低いながらも衝立もあって、周りから見えにくくなっています。個室ではないものの、座ると周囲が見にくくなるので、自分たちだけのような雰囲気になります。
店内の照明も暗いので、窓の外の夜景がよく見えます。テーブルの真上の天井にスポット照明があり、それがテーブルを照らしてくれますが、窓には反射しないので夜景の邪魔にもなりません。
「すごーい!夜景がきれい!!」
「おしゃでれ素敵ね。こういうところにデートなんかで連れてこられたら、初めての女のとか、それだけで落ちちゃいそうね。」
「私、こんなとこ来たの初めてです・・・。ゆうくん、今度2人で来ようね!」
みんな、夜景が気に入ったようで、がんばって起こして連れてきてよかったです。
亜美ちゃんには軽めの、ということで、カンパリオレンジを度数低めでお願いして、それ以外はそれぞれ好みのカクテルを頼みます。理子さんが「福井課長が飲んでたおいしかったヤツがいい!」というので、ギムレットです。私はニューヨーク、聡美さんはダイキリを頼みました。
お酒が来たので、乾杯します。おいしい♪
「おにいちゃんののカクテル、きれい!飲んでみていい?」
「いいよ。度数が高いから、舐める程度でね。」
「ほんとだ!まともに飲んだら喉が焼けそう!でもおいしいね!この色ってなんの色なんだろ?」
「たしか、ザクロのシロップじゃなかったかな。女性に似合いそうだよね。」
「理子ねぇのはどんなの?」「飲んでみる?」「うん!ありがとう!」「これも度数高いからね。気を付けて。」
「うわ、これもおいしい・・・。なんか、すっきりした色が、清楚な美人って感じで理子ねぇに似合うね!」
「亜美ちゃんったら、褒めてもなんにも出ないわよ?私、亜美ちゃんより10才以上、上なんだから。」
「でも理子さん、そんな風に見えないわよね。むしろ宮崎さんのほうが上に見えるわよ?」
「最近、会社でも若くなったように見えるって言われるんです。離婚してからゆうくんと付き合うまで、どんよりしてたから余計に年取って見えてたのが、ゆうくんのおかげで明るくなれて、普通に戻ったのかもです♪」
「お母さんも、おにいちゃんと知り合ってから、若くなった気がするよ?おにいちゃん、女性を若返らせるパワーがあるのかも?」
「高たんぱくが若返りの秘訣だったり・・・?!」
「私もだいぶ摂取させてもらったし・・・そうかも・・・」
・・・なんかすごい会話してる気がします・・・。
カクテルも飲み干して、次のカクテルを頼みます。亜美ちゃんにはカルアミルク薄め、理子さんにはティキーラサンライズ、私はサイドカー、聡美さんはモスコミュール。
「ごめん、ちょっとお手洗い行ってくるね。3人は、これで楽しんでてね。」
席を立って、3人のローターにスイッチを入れました。
「ひぁっ!」「くぅっ!」「はぁん・・」三者三様の反応をしめしつつ、こらえる姿、みんなそれぞれ色っぽいです。
席を離れて奥のお手洗いに行くと、お手洗いの近くの席に、夕方見かけたカップルがいました。若い女性が、年配の男性にもたれかかっています。男性のほう、薄暗いのと反対を向いているのでよく顔が見えないのですが、誰だったっけ・・・たしかに、見たことがある気がします。
用を済ませてトイレから出ようとしたところで、パン、と手をたたくような音がして、出てみると、さっきのカップル、女性がなにか怒って立ち上がって、出ていくところでした。
痴話げんかは犬も食わないので、知らないふりをして通り過ぎます。男性は出ていかないところを見ると、決裂したのかもしれません。
席に戻ると、ちょうどカクテルが届いたところでした。私がまとめて頼んだので、若いウェイターさんに「カルアミルクのお客様は・・・?」と聞かれ、亜美ちゃんが小さく手を挙げながら「はうっ!」と声をあげました。そこは、はう、じゃなくて、はい、だと思います。
理子さんは声も上げずに手を上げましたが、吐息が漏れてる気がします。聡美さんは「わ、私・・・」とちゃんと返事をしていますが、微妙に腰がゆらゆらしている気がします・・。若いウェイターさん、3人の色っぽさに当てられちゃったのか、「し、失礼します・・・」とどもりがちに言いながら戻っていきました。
なんとなく前かがみ気味に見えるのは気のせいでしょうか。
戻ってきたので、ローターを止めました。色っぽい3人に囲まれて、眼福です♪
「もう・・・ゆうくん・・・これ・・・切ないよ・・・」
いつになく、理子さんも色っぽいです。もともと押しが弱い感じの雰囲気もあるので、そこにアルコールで紅潮した表情と吐息とで、儚げで壊れそうな雰囲気に、ドキドキします。
「はぁぁ・・・ごめんなさい、お手洗い、行ってきます・・・」
理子さんがそう言って、ふらりと立ち上がり、よたよたとお手洗いに向かっていきます。
そんな理子さんを見ていたら、ちょっとだけいたずら心が出てしまい、お手洗いに行く途中で、一瞬だけローターのスイッチを入れて、切りました。理子さんは、「はぁっ!」と声を上げ、股間を押さえるような仕草をしながら、お手洗いに入っていきました。
と、そのあとから、近くにいた男性が、理子さんの後を追うようにお手洗いに入って行くのが見えました。そして、かすかに、「ひっ」という声が聞こえた気がしました。
普段なら気にもしない小さな声?で頭の中に「ゆうくん助けて!」と直接響くような声がして、私の頭の中の警報音がMAXに鳴り響き、ダッシュでお手洗いに向かいました。すると、男性用トイレのほうから「いっ」「だ・・」と切れ切れに女性の声が聞こえます。
大急ぎで男子トイレのドアを開けると、男子トイレの中の多目的に利用できるトイレのドアが締まりかけるところでした。
酔ってるのに、人間って、こんなに早く動けるんだ、と思うほどのスピートで閉まりかけたドアを掴み、力任せに引っ張りました。そこには、口を手で押さえられた理子さんと、さっきの男がいました。酒臭いにおいがしました。
力いっぱい男に体当たりして、理子さんを開放して、自分の方に引き寄せました。
「ゆうくんっ!!こわかったぁぁぁ!!!」理子さんが抱きついてきます。
安全な私の背後に理子さんを移動させると、
「だれだ、邪魔するな!えっ!おっ!お前!!」と男が怒鳴ります。
その声にそちらを見ると、さっきの男性・・・は、あろうことか、山口課長でした。
とっさに腕をつかんで後ろ手に捻り動けなくします。
その場で、110番に電話をしました。聡美さんと亜美ちゃんには申し訳ないですが、理子さんにこんなことをするヤツは許せません。
「おいっ!離せ!お前には関係ないだろう!」
そう言いますが、関係大ありです。
「理子さん、もう大丈夫だよ。トイレ、行っておいで。あと、アレも、中から出してきていいから。」そう言って理子さんをトイレに行かせ、手を捻ったままの山口課長をお手洗いの外に連れ出します。
お手洗いからでてきた私を見て、聡美さんと亜美ちゃんが駆け寄ってきました。
「宮崎さん!どうしたの?!え!あなた・・・!」
「おにいちゃんっ!えっ!なんで、お父さんが?!」
「な、なんでお前たちがここにいるんだ!!家にいたんじゃないのか?!」
「聡美さん、亜美ちゃん、ごめん、いま、まとめて話すから。すみません!責任者の方がいらっしゃったらお願いしたいんですが。」
「わ、わかりました!」とただならぬ様子にウェイターさんが焦ったように裏にまわり、店長さんなのか、支配人さんなのか、きちっとしたスーツの人が出てきました。そこへ、理子さんも出てきて、後ろから私に抱きつきました。
「お客様、どうなさったでしょうか?」
「私の妻が、お手洗いに入ろうとしたところで、さっきそこに座っていた客だったこの男に襲われて男子トイレに連れ込まれたんです。」
「そうなんですか?」店長が山口課長と理子さんを見ます。
「ちがう!おれはこの女に誘われたんだ!!」
「私は襲われたんです!!」
「おまえ、あんな色っぽい仕草して誘ってたんだろう!!」
あ~、もしかして、私のせいだったでしょうか・・・汗。とはいえ、それで襲っていい理由にはなりません。
「もう警察も呼びましたから。」
「えっ!警察?!」聡美さんが驚いています。
「ごめん、とっさに、トイレで警察に電話したんだ。」
「そ、そうなのね・・・。まぁ、いい薬かもしれないわね。」
「俺はなにもしてない!」
「っか、なんでお前たちがこいつと一緒にいるんだ!」
「え、だって、一緒にお泊りしてたんだもん、ね!」亜美ちゃんが私の腕に抱きつきます。
「そうよね。私も一緒に、ね!」聡美さんも、抱きつきました。
理子さん、苦笑してます・・・。
「なっ!ま、まさか・・・こいつと・・・」
山口課長、さっきまで酔って赤かったはずの顔が、真っ青ですよ。
「それよりあなた、こんなところで、何してるのよ。また女遊びでもしてたんでしょ?見てたわよ?さっきの痴話喧嘩みたいなの。」
「そっ!それは!」
そこに警察が来て、同じ説明を繰り返しました。被害は、と聞かれ、理子さんが
「腕が・・・」と言って腕を出したので見ると、手首がアザのようになっています。爪を立てられたのか、引っかき傷もあり、血が滲んでいます。個室に連れ込むときに、強く掴まれたからでしょう。
とりあえず署に来てくれと言われて、聡美さんと亜美ちゃんも「他人事じゃないから」行くと言うので、トイレでローターを外してきてもらったあと、全員で警察署まで行き、さらにまた同じ説明を繰り返して、私達は開放されました。
ホテルに戻ると、もう、日付が変わる時間です。
展望バーはもう閉まりましたが、フロントで確認すると、幸いお酒とつまみはルームサービスで頼めるとのこと。少し多めに頼み、ついでに明日の朝食も頼んで、部屋に戻りました。
部屋に戻ってまもなくルームサービスが来て、やれやれ、となったところで、私が最初にしたことは、土下座でした。
「理子さん、ごめんなさい!!!俺が調子に乗ってあんなことしなかったら、理子さんだって襲われなかったのに!!」
「聡美さんと亜美ちゃんも、ごめんなさい。俺が理子さんにいたずらしなかったら、山口課長もあんなことしなかったかもしれないのに!!」
「それに、警察呼んじゃったことも、理子さんが襲われて、頭が沸騰したんだ。聡美さんと亜美ちゃんを困らせることになっちゃうかもしれないなんて考えられなくて。」
「ゆうくん・・・助けに来てくれて、ありがとう。でも、よく気づいたね・・・私、こわくてほとんど声も出せてなかったと思うんだけど・・・」
「えっ!理子さんが、ゆうくん助けて、って声が聞こえてダッシュしたんだけど?」
「私も気づかなかったわ。」
「私もなにも聞こえなかったよ。」
「確かに、ゆうくん助けて、って心の中で思ったけど、声に出してないよ・・・口、抑えられてたし・・・」
「それって・・・テレパシー?!すごいよ!おにいちゃんと理子ねぇ!」
理子さん、私を見ながら、真っ赤になってます。ん?どうしたの?
「あとね・・・私たち、たぶん困らないわよ。というか、おおごとにしてくれて、ありがたかったかも。」
「え?それってどういう・・・」
「ウチね、資産家だって知ってるでしょ?由緒とか気にしたりして、結局主人ともそれで結婚させられた感じだったし。」
「だからね、女遊びをしてても、男の甲斐性とか言って、あたりまえみたいな雰囲気もあるの、ウチの実家。だから、別れたくても別れられなかったんだけど。」
「昔はそういう話、聞いた気がするけど・・昭和的な?」
「でもね、同時に世間体も大事なのよ。それが、警察座沙汰よ?これは一発でアウトね~!」
聡美さん?なんかうれしそうなんですけど?!
「私も、高校生の間だったら、お父さんが捕まったとか、恥ずかしくてしかたなかったと思うけど、もう家を離れて大学に行くし、関係ないかな~。お母さんがいれば、お金の心配もあるわけじゃないし。」
「なんだったら、お母さんも大学の街に一緒に行って住むってどう?ご飯作ってもらえるし、控えめに言って最高な気がする~!」
「私は家政婦じゃないんだからね・・・でも、それもアリかもね。だけど、そしたら亜美、大学行くのに、お母さんがいたら、羽を伸ばせないわよ?」
「そこはお願い、大目に見て!」
なんか2人で盛り上がってます・・・。お父さんが警察沙汰になってすごい迷惑をかけたと思っていたんだけど・・・。
「ゆうくん、もしかして、ゆうくん、私だけじゃなくて、2人のことも助けてあげちゃった?」
「私も、すごくこわかったけど、ゆうくんとの心の繋がりまでがこんな形で証明されちゃって、私、うれしくて・・・大好きな人と心が通じるって、ほんとにあるんだな、って思ったら、ドキドキしてきちゃった・・・」
「理子さん・・・ほんとに心の声だったなんて・・・俺もびっくりだよ・・・すごくうれしいよ。理子さん、俺も、大好きだよ。」
そう言って2人で見つめ合っていると、
「あ~、冷たい飲み物飲もうよ~。なんか暑くなってきた~!2人がアツアツだから~」
亜美ちゃんがそう茶化しながら、飲み物を出してくれました。
「じゃあ、丸く収まったということでいいのかな?乾杯!」
「かんぱーい!」「乾杯!」「かんぱい・・・」
「ふ~!なんか、想像してたのと全然ちがう日になったけど、結果論として楽しかったね!」
「ホントね、宮崎さん、ありがとうね。」
「いや、これは全部理子さんが受け入れてくれたからですから。理子さん、ありがとう。」
「んふふ・・・」
理子さんは、幸せそうな顔でニコニコしてます。よかった・・・。
「そういえばね、宮崎さんに、伝えておこうと思ってたことがあったの。」
「え、なんですか?聡美さん。」
「亜美も、理子さんにも、聞いてほしいの。」
「え?お母さん、なになに?!」
「なんですか?私にも、って・・・」
「これ・・・見て。」
聡美さんが、バッグから、なにか取り出します。小さいメモ帳のような・・・って!これ、アレじゃないですか!!!
「聡美さん!!!」
思わず、抱きつきました。
「お母さん!やったね!!」
「ほんとに・・・できちゃったんですね・・・?おめでとうございます!」
「うふふ、ホントはね、会ったらすぐ見せたかったんだけど、そしたら宮崎さんのことだから、ぜったいエッチしてくれないと思って、黙ってたの笑」
そう、見せてくれたのは母子手帳でした。
「あ!!あんなに激しくしちゃったじゃないですか!!!知らなかったとはいえ、ごめんなさい・・・大丈夫かなぁ・・・」
「大丈夫よ、宮崎さんの子だもん。」
「でも、旦那さんの可能性は?」
「ないわよ?だって、旦那とは、危なくない日しかしてないし。でも、私の生理周期なんて知らないはずだから、たぶんわかんないわよ。」
「それも、別れちゃえば関係ないけどね。別に、お金に困るわけじゃないし。」
「でも、世間的には、子どもを作っておきながら、外で知らない女の子に手を出して警察に捕まるひどい男、扱いなわけですね・・・」
あんなヤツとはいえ、いろいろ私のせいなので、気の毒な気もしてきます・・・。
「弟かなぁ、妹かなぁ。楽しみ~♪」
「それでね、さっき思ったんだけど、1人になっちゃうと何かあると困るから、旦那と別れるなら、亜美と一緒にいたほうがなにかといいかな~、と思ったりしたの。」
「あ、N大なら、近いっていうほどじゃないけど、ここからもそう遠くないし、なにかあったら私もお手伝いできますよ。」
「ただ、私もゆうくんと避妊してないので、もしかしたらそれほど遠からず妊娠しちゃうかもしれないですけど・・・」
「そんなにお手伝いお願いすることはないとは思うけど、近くに知ってる人がいるのは安心だわ。じゃあ理子さん、万が一のときは、お願いしていい?」
「お、俺も手伝うことがあったらしますよ?」
「じゃあ、弟か妹にも、乾杯しようよ!」
「うふふ、お酒も、あんまり良くないんだけどね、今日で生まれるまで一休み、と思って。大目に見て飲ませてね。それでダメだったら、私もあきらめもつくし。」
「ごめんね、赤ちゃん、今日はガマンしてね。」
赤ちゃんにあやまってます・・・。
「そっかぁ、俺の子かぁ・・・。なんか、感慨深いな。」
「私達も、早くできるといいね!」
「そうだね。もっと頑張ろうか!」
「あ、あの、十分頑張ってもらってると思います・・・これ以上頑張られると、私、体がもたないかも・・・笑」
「あはは、おにいちゃんだし、それは言えてるかも~!」
俺の子、といえば、もう1人、すでにいたんだった。どうしてるだろ。藤原課長と、お腹の子ども・・・。
「え、宮崎くん、どうしたの?考え込んじゃんって。子どもできちゃって、なにか悩むことでもある?絶対迷惑はかけないわよ?戸籍上はあの人の子だし。」
「いや、そうじゃないんですけどね・・・。ちょっと気になることを思い出して・・・」
「気になることって・・・?」理子さんが、心配そうにこちらを見ました。
「実は、俺の子、もう1人、いるんです。」
「ええ~~~~!!」
「そ、そうなの?!」
「藤原課長ね・・・。」
「うん・・・。」
「え?!課長って、もしかして宮崎さん、自分の上司と・・・しちゃったの?!子供できちゃったって、大丈夫なの?理子さん、知ってたの?!」
「大丈夫です、私も知ってますから。」
「そうなのね・・・その課長さん、いまはどうしていらっしゃるの?」
「そもそも、旦那さんが原因で子供ができなくて、誰かわからない状態で托卵してほしい、って依頼されたんですけど、その相手が、自分の課長だったってあとで気がついて。」
「いろいろあって旦那さんとは離婚して、会社をやめて、別の人と結婚してるはずです。相手の人も、托卵のことは知っていて受け入れてくれたらしくて。」
「はぁぁ。そんなことってあるのね・・・。でも、この子の兄弟がどこかにいると思うと、ちょっとうれしいし、元気でいてほしいと思うわ。もう生まれてるの?」
「いや、まだだと思います。そろそろお腹が大きいのかなぁ・・・」
「ゆうくん、聞いてみたら?いまどうしてるか。電話とかしてみたら?」
理子さん、とんでもないことを言い出しますが、聡美さんもうんうん、頷いています。
「私の兄弟の兄弟ってことだよね!なんか不思議!」と亜美ちゃんもたのしそうです。
「じゃあ・・・かけてみよっか・・・」
と、スマホを出し、藤原課長にもアプリで電話をしました。一度は大事な人と思った人、声を聞いて理子さんの前で取り乱さないか、ちょっと不安でしたが、あえて、自分をさらけ出すつもりで、スピーカーモードにしてかけました。
「もしもし?宮崎です。お久しぶりです。」
「え!宮崎くん、ゆうくん?!久しぶり!元気だった?!」
懐かしい声です。でも、声を聞いても、心が掴まれるような感覚は、もうありませんでした。
「あの、あみに、報告したいことがあって、電話したんです。いま大丈夫ですか?」
「大丈夫よ?隣に夫もいるわよ。一緒に聞いていい?」
「はい、大丈夫です。あの、俺、結婚しました。」
「え?!そうなの?!早くない?!お相手は?もしかして福島さん?!」
「いえ、あの、福島さんという意味では間違いはないんですけど、ちょっと違ってて、実は、あの福島さんの、お姉さんで。理子さんという人です。出張先から戻って配属になった職場の仕事で外注さんの担当者だった人で、急に仲良くなってみたら福島さんのお姉さんでした。」
「すごい奇遇ね!でも、福島さんは?あんなに仲良かったのに。」
「福島さんも、結婚が決まってます。総務にいた千葉さん、って人で。俺もお会いしてます。」
「千葉さんなら知ってるわ。真面目で誠実な感じの人よね。私も退職の時にいろいろお世話になったわ。でも、ゆうくん、結婚ってなったら、式場とか、いろいろ女性の方が時間かかるんじゃない?あれから何ヶ月も経ってないわよね?」
理子さんが、トントン、と私の腕を叩くのでそちらを見ると、自分を指さしてます。話したいんでしょう。うなずいてスマホを理子さんのほうに動かします。
「はじめまして、宮崎の妻になった、理子といいます。旧姓福島理子です。ゆうくんと同期の、福島里美の姉です。ウチの福井課長から、藤原課長のことはいろいろ伺ってました。宮崎がいろいろお世話になったみたいで、ありがとうございます。」
「実は、私、バツイチでして、ゆうくんの4つ上なんです。だから、式とかそういうのはこれから考えることにして、先に籍だけ入れました。双方の両親とも、それで納得してもらえているので、大丈夫です。」
「理子さんというのね、はじめまして。藤原あみです。私の方はまだ籍も入れられてないのに・・・うらやましいわ。こっちは離婚の条件とかいろいろ決める手続きでバタバタしちゃって時間がかかっちゃって。」
「あみは、旦那さんともう海外にいるの?」
「うん、そうなの、それもあって元夫との離婚の話し合いとかも時間がかかっちゃってね。頻繁に日本にも帰ってるけど。」
「そういえば、お腹のお子さん、お元気ですか?」
「・・・え・・・その話、しても大丈夫なの?理子さんは、そのこと、ご存知なの・・・?」
「はい、全部話してありますから。」
「・・・そうなのね。よかった。ゆうくんらしいわ。うん、元気よ。だいぶお腹も目立つようになってきたわ。夫も、楽しみにしてくれてるわ。」
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※2024年6月16日
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(2020年05月28日)
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