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体験談(約 77 分で読了)

【評価が高め】それは教育実習中の吹奏楽部の部室でした。ねえ・・・口で抜いてあげようか?(1/6ページ目)

投稿:2022-02-26 09:56:46

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まことまどか◆KDdVOEg
最初の話

これは私ことマドカ少年が中学2年の時の体験です。女系家族で育った私は、オンナだらけの中で育った環境からか、女性に対しての憧れや異性としての意識などは無縁でした。しかし、小学6年の時に高校生だった従姉妹に童貞を捧げて以来その従姉妹を意識しやがて初恋をすることとなります。しかし、…

前回の話

三回忌。それは、故人が亡くなって3年目を迎える2度目の命日・・・私が地元に残して来て、そして不慮の事故で命を落としてしまった高校時代の彼女だったそんなあおいの3回忌が近づいていました。私の母さんによると、その3回忌で故人の来世が決まるそうです。そんな中、亡きあおいが枕元に立ち「行き先…

「うん。僕の奥さんも君の彼女と同じこと言ったんだ・・・・。もうすぐ逢えるって。」

「そっ・・・・ソレって?」

シリーズ第33話目を迎えましたこの物語は、教育実習先で担当となっている土木科3年生の担任である佐藤先生から思いもしないことを告げられたところから始まります。

時代は平成2年の初夏。日本という国がまだバブル景気に浮かれていた頃、北東北の小さな臨港都市にある工業系大学の4年生だった私が、教育実習を受けていた時のストーリーです。

その教育実習は私の下宿である豊浜下宿の一人娘で元カノのふたばと、実習生担当教諭で私の姉の結婚により義姉になる舞衣さんこと小林先生二人と、ひとには言えないようなやらかしをしながらその二週間の期間の前半を折り返していました。

また一方、私の担当する土木3年の担任である佐藤先生からは「自由にやっていいよ・・・」と伝えられていたので、その授業は全くの手探り状態です。

そんな中、市内から郊外に抜ける大きな国道の拡幅計画を聞いた私は「コレは生徒たちが興味を持つ教材になる。」と考え、その拡幅計画の概要を聞くためその工事を管轄する役所へ向かっていました。

その時私は大手ゼネコンから数社、また実家のある地方の建設会社からも内定を貰っていて進路には困っていませんでした。(企業訪問に行って簡単な会社概要を聞きながらお昼ご飯を食べて帰ってくるだけで内定が出る・・・そんな時代です)

しかし、私の母さんから強く推されている公務員試験を断りきれなかった私は、教育実習が終わったすぐ後の公務員試験も受験する予定となっています。

また、私が実家を離れて大学に進む際に4年後に戻ると言って約束して置いてきた当時中学1年生だった亡きあおいとの約束を果たすため、最低でも就職は地元にしたいと考えていました。しかもそのあおい先日枕元に立って「もうすぐ逢える・・・」と言い残していたのも凄く気になっていたところですが・・・

そんな中、思いがけず佐藤先生から出た「亡き奥さんが枕元に立ってもうすぐ逢えると言った」・・・という話・・・・。それを聞いた私は凄く戸惑っていました。

今回のストーリーはそんなところから始まります。

それでは・・・

「ご結婚されていた娘さんが、それから妊娠してお孫さんが生まれた・・・ってことですよね。しかも生まれたお孫さんが奥さんに似てるって・・・」

この時私は、前に母さんが言っていた故人が三回忌に生まれ変わる・・・という話を思い出していました。そしてどことなくそのお孫さんが佐藤先生の奥さんの生まれ変わりだったら素敵だな・・・なんて思っていました。

「でもさ・・・孫がおばあちゃんに似てるなんてことはどこにでもある話で、僕がそうだったらいいな・・・なんて思い込んでる節があるから・・・。」

佐藤先生は私の話を聞いてなんとも言えないそんな言い方をしています。

「でも、そのお孫さんがこのドミンゴが好きだって・・・・奥さんが好きだったこのドミンゴ・・・。ソレで佐藤先生はこのドミンゴでいつでもキャンプ行けるようにって手入れしてるんですね。」

「うん・・・このクルマ時々スバルのディーラーに整備頼んでるんだけど、最近新車の売り込みが強くてね。マイナーチェンジしてエンジン大きくなっただの色々良くなってます・・・みたいなこと言われるんだけど、どうも買い換える気にならなくって・・・」

「ソレって、奥さんといつかキャンプに・・・・」

「笑っちゃうよね・・・・そんなこと絶対に無いのにね。あっ・・・ごめんね。朝からこんな話して。」

「いいえ。ソレって素敵だと思います。なんか・・・僕もその・・・死んじゃった昔の彼女に逢えるような気がして来ました。」

私が佐藤先生にそう言ったところでドミンゴを運転する佐藤先生がウィンカーを左に出しました。

「着いたよ。」

そう言いながら入った施設を見て私はビックリしました。ソレは数日前私が兵藤タイヤでタイヤ交換をした黄色いパトロール車を納めた役所だったからです。

「ここって、あの国道の・・・ですか?」

「うん・・・。でも、ここって国道を管理する出先みたいなところなんだけど・・・。」

「それであの黄色いパトロール車ってことなんですね。」

「うん。それで僕の教え子がこの春ここに異動になってね・・・。君に相談受けた時、なんか話聞ければと思って電話したんだよ。」

「なんか分かりそうですか?」

「部署が違うからなんとも言えないけど、広報用のパンフレットくらいはくれるんじゃないか?」

「それでも良いです。僕もちょっと見てもらいたいモノ持ってきてますんで・・・」

そしてクルマから降りた後、佐藤先生の後についてその建物の中に入ったところで資料室と書かれた鉄の扉から出てきた若い女性と出会しました。でも、その女性の横顔・・・・それは私がよく知る女性とそっくりでした。

「あ・・・あれ・・?」

佐藤先生がその女性に声を掛けたところその女性が振り返ってこちらを見ました。ソレはなんとあのマコトの同僚であるバスガイドの夏帆に瓜二つ・・・。

「あっ・・・監督。ご無沙汰してます。一戸先輩から監督(佐藤先生)が来るからって聞いてました。でも・・・・なんでコイツが一緒なんですか?」

そこで私の良く知る様相のその女性がそんな事を言っています。しかも、もの凄く怪訝そうな表情で・・・・。

そこで思い出しました。その夏帆の双子の妹の存在・・・。

「あれ?確か里帆って専門学校に通ってるはずじゃ・・・?それでなんでこんなところに?」

この時どう言う訳か、佐藤先生はまるでその里帆が身内みたいな言い方をしています。しかもそっくりな双子の姉妹の片方を一発で当てていました。

それより先に監督なんて呼ばれています。そしてその監督から声を掛けられた里帆がそれに答えます。

「はい。ちょっと学校の方から言われて、ここでちょっと資料探していました。でも監督・・・なんでこんなヤツと?」

「うん。ちょっとした調べ物というか・・・風谷先生の教材造りというか・・・」

そんな二人の会話からすごく親しそうな雰囲気を感じた私は疑問に思っていました。しかも監督という呼び方・・・

「佐藤先生。その監督って・・・?」

「あっ、僕ってソフトボール部の顧問なんだよね。言ってなかったっけ?」

そう言う佐藤先生からそのソフトボールというイメージが読み取れない私は困惑です。

「ソ・・ソフトボール部・・・?」

ソレは予想もしない答えでした。ということは、あの伝説的なサウスポーピッチャーである夏帆とも親しいということに・・・その時私の背筋に寒いものが走ります。そんな私を置き去りに二人の会話は進みます。

「ところで里帆って、風谷先生と知り合いかい?」

「いいえ。こんなヤツ、全然知り合いってことじゃないんですけど・・・先生、聞いてください。コイツって夏帆(双子の姉)のこと散々弄んだ挙句捨てたんです。本当に最低な男なんです〜。」

この時私の額からどっと汗が噴き出して体が硬直してしまっていました。そして、今の今まで穏やかな表情だった佐藤先生の表情が変わったのを感じています。

「えっ?風谷先生・・・どう言うことかな?」

この時の佐藤先生の目が怖いこと・・・先ほどまで孫の話をしていた穏やかな表情はそこにはありません。

「あっ、それでこの前の死球・・・・。やっぱり憎かったんだね。」

「佐藤先生・・・アレ、観てたんですか?」

「うん。その後豊浜くん(ふたばのこと)に腰を蹴られてたことも・・・」

「えっ?アレって僕の腰を手で叩いてくれてたんじゃないんですか?」

「まっ、ベンチから見る分には、みんなに寄ってたかって殴る蹴るされて・・・まるでリンチのようだったよ。」

「リ・・・リンチ?」

それは先週の教育実習初日の話となります。私が吹奏楽部担当になったという事を私の彼女であるマコトに伝えるためにバスガイド寮へ電話した際に偶然電話に出たのがその夏帆でした。

そしてそんな流れで夏帆が久しぶりに投球したいということになり、その調整のためにバッターボックスに立たせられた私の股間に豪速球が命中し、その結果私が悶絶・・・・という流れになります。

「その時、風谷くんってよほどワルサしてるか、女難の相でも出てるんじゃないかって思ったよ。」

「女難の相・・・って、そんな・・・。ソレって絶対褒め言葉じゃないですよね?」

「まっ、それはさておき、夏帆にどんなワルサしたのか教えてもらおうか?」

「い・・・いや・・・ソレは・・・・」

そんな目で問いただされた私は何をどう言い訳をして良いものか考えていました。その時です。資料室の脇にあった階段の上から現れた救世主・・・・

「あっ・・・佐藤先生、ご無沙汰です。先生から連絡もらいましてとても嬉しかったです。」

そう声を掛けられた佐藤先生の表情が穏やかになりその声の主に返しました。

「一戸くん元気そうじゃないか。この春こっちに戻ってきたって聞いてね・・・ちょっと話してみたかったんだよね。今日は教育実習の一環で伺った訳なんだけど・・・・。あっ、こちらは教育実習生で大学4年の風谷先生・・・」

そのように私を紹介した佐藤先生は私を隣に立たせその一戸という卒業生を迎えました。

すると階段の上から降りて来たその人はまさにバリバリの技術系役人という雰囲気で、歳は30前くらいでしょうか?

その人は技術系の制服とも言える上下カーキ色の作業服を着ており、その胸のプラスチック製の名札には部署名称に加え「一戸」と書いてあります。でも、この人どこか見覚えが・・・

そしてその人が改めて自己紹介を始めました。しかも思いがけないことも・・・

「初めまして・・・というより、君って工確か・・・工業大学のオリエンテーリングで1号車担当のリーダー学生の風谷君だったよね?。確か、バスガイドキラーの・・・」

「い・・・いや・・・そんな・・・・いつから僕ってバスガイドキラーってことに?」

私が額から汗を垂らしながらそこまで言ったところで、その一戸という人は佐藤先生に「こんなところでアレなんで・・・」などと言いつつ案内を始めました。そこでバスガイドキラーということにされた私は取り残されてたまま・・・

そんな私の背後から物凄い殺気が・・・

「おい。オマエ・・・。ハナシあるから今夜ツラ貸しな・・・良いよな?電話するからクビ洗って待ってろ!」

その時私の耳元でドスの効いたそんな囁きも・・

そして私は恐る恐る振り返ってその顔を見たところ、表情的には笑みを浮かべているのですがその眼が・・・・まる大リーグボールを投げる直前の星飛雄馬ようにメラメラ燃えています。

「ちょっと待った。今日から小林先生のところにお世話になることになってて・・・」

今日から1ヶ月程度病後の経過観察として小林先生のところに居候する予定となっていた私は正直にそれを里帆に伝えました。

「何!今度は小林先生か!オマエってヤツは・・・・やっぱり生かしちゃおけないヤツ・・・」

そう言いながら私の首を絞め始めた里帆の手はマジでした。このまま殺されてしまうかも・・・と思いながら私はそんな里帆を振り切るようにして佐藤先生の背中を追って打ち合わせ室に入りました。

でもこの時、なんで里帆がこの役所にいるのか?今晩どうなるのか確認しなかったので凄く嫌な予感が・・・

そして入った打ち合わせ室は自分の下宿と同じ4畳半くらいの広さです。その場所の真ん中に会議用テーブルが置いてあり、それを取り囲むように何やら物々しい制御盤がずらっと並んでいました。

その制御盤にはどこかの電光掲示板の制御装置だったり、トンネル防災用トンネル直通電話なんかが置いてある・・・そんな部屋です。

そんな雰囲気の中長テーブルの片方に私と佐藤先生が、そして向かい側にその一戸という人が座りいきなり世間話が始まっていました。

と、その時です。今ほど入ってきた扉からノックと共にお盆にお茶を乗せた里帆が入ってきました。

「失礼します・・・」と言いつつ入ってきた里帆に向かってその一戸という人が声を掛けます。

「あっ・・・ごめんね。そんな臨時事務職員みたいなことさせちゃって・・・・。来月には新しい人決まるって総務課長が言ってたから・・・」

「いいえ・・・写真探しばかりしてたんで、ちょっと息抜きです」

里帆は笑みを浮かべながらそう答えながら3人それぞれにお茶を置いていきましたが、最後に私の前に出されたお茶はなみなみと注がれていて、しかもドン・・・というような音とともに置かれ、しかもそれが溢れています。

「あ・・・失礼・・・」

そういう里帆の目はやはり険しいものがあり、まるで生ゴミでも見るような目で私を睨んでその部屋を出て行きました。

このお茶・・・絶対雑巾の絞り汁が入っています。しかもこんなになみなみと・・・。これを置いていった里帆から「飲めるもんだったら飲んでみろ・・・」的なメッセージが伝わってきました。

そして佐藤先生と一戸さんの雑談の中で、どうして里帆がここにいるのか?という話題に・・・。当然私の耳がダンボ状態となっています。

「あっ、里帆ちゃんですか?国道の工事誌造るのを手伝ってもらっています。入り口の脇にある資料室に歴史的な写真のネガがいっぱいあるんですが、今はそれを探してもらって年代別に仕分けてもらっています。それって現像しないとどこの写真かわからないものも多くって・・・」

「今は・・・・ってことは?」

「最終的には出来上がった工事誌から広報用のパンフレットを作ろうとしています。うちの所長が専門学校の先生と知り合いで写真に詳しい人材を派遣してもらったんですが、それが里帆ちゃんでして・・・。それに今、うちの臨時事務補助職員が不在だったんでそれも手伝ってもらっています。」

ということは、今里帆はあの資料室で写真の整理とやらをするためのアルバイトとして雇われているという事になります。私がそんな事を考えていた時急に名前を呼ばれました。

「風谷くん。君ってオリエンテーリングの時バスガイドに囲まれて何やら楽しそうだったけど?」

「えっ?どうしてソレを?」

何か物言いたげに尋ねた一戸さんの顔に笑みが溢れていました。しかし、それに反して私は声をひっくり返してそう答えています。

「いや・・・オレって大学OBとして3号車の乗っていたんでけど、実はOBじゃなかったんだよね。でも前の職場の時に、その職場に仕事の話を学生にしてやって欲しいって言う依頼があって・・・ちょうどオレの地元だったんでその工業大学に出張させられて・・・。」

そういえばそんな事がありました。毎年いろんな職種の人たちが来て話をして行くそんな時間が・・・。その時間は単位に関係のないものとなっており、出席率は芳しくなかったと記憶していました。

「毎年OBなんかが来て仕事の裏話みたいなこと話して行くんですが・・・一戸さんって何年か前に来てたんですね。それで構造研の長谷川教授と知り合いに・・・・そんな経緯であのバスに乗ったって事ですね。」

「うん。本当のOBに欠員が出ちゃって・・・今回たまたま近くに異動してきたオレにお呼びがかかったってコト。それで見ちゃたんだよね。オリエンテーリングの最初の休憩場所でバスガイドに抱きつかれてた君の姿・・・」

「あっ・・・アレ見られちゃったんですね・・・。」

「うん。バッチリと。里帆ちゃんからその日乗務するってことを教えてもらってたんで、その夏帆に挨拶しに行こうとしたら・・・そんなことになってた。」

「そ・・そういう事だったんですね。これも何かご縁・・・」

「でも、少なくとも君に抱きついたのは夏帆じゃなかった・・・」

それは1年以上逢うことのできなかった真琴との再会を果たした瞬間でした。その再会の場所や方法についてはその夏帆が決めたと聞いています。そんなことなど知らない一戸さんが話を続けます。

「ソレでさ・・・君ってあの1号車に添乗してた里帆ちゃんの双子のお姉ちゃんに手を出しちゃったんだよね?長谷川教授からオリエンテーリングのリーダー学生として同行する4年生は先生目指してる学生って聞いてたんで真面目なイメージだったんだけど・・・」

いきなりそんな話題から入られた私は困惑してしまっています。

「いや・・・その・・・」

当然そんな答えしか言う事ができません。そこで今度はその隣で話を聞いていた佐藤先生までも・・・

「うん・・・。否定できないってことはヤッパリそうなんだね。確かキミってコレから婚約するっていう立場じゃなかったっけ?」

「えっ?どう言う事なんですか?佐藤先生・・・」

今度はその言葉に驚いた一戸さんが困惑しています。

するとたった今尋ねられた佐藤先生が私の顔を見てゆっくり口を開きました。

「じゃ、風谷君。全部説明してもらおうか・・・・」

それはまるで取り調べのようでした。その雰囲気といい狭い部屋といい・・・もし窓に鉄格子が嵌められていて、脇にメモを取る人がいればパーフェクトです。コレは高校3年生の時に姉さんがレイプされてしまった時、その犯人を半殺し状態にしてしまった私が事情を聞かれた取調室そのものです。

その時どう言う訳か私は自分の左手を見ていました。高校3年生だったその時の私の左中指は、犯人を殴り続けたことによって骨折してしまっていました。そんな中指・・・。

そこで思い出しました。当時姉さんが勤めていた職場(警察署)の、しかも姉さんの机のすぐ脇にあったその「相談室」と表札のかかった取調室で言われたその言葉・・・

「全部説明してもらおうか・・・」

それは、姉さんが何をされたのかを姉さんの同僚に教えることと一緒でした。その当時、私はそのことをなかなか言い出せずその事情聴取は朝方まで続いていました。それは同じ質問を代わる代わる違う人か聞いてきて・・・言っていることと調書の内容が完全に合致するまでそれは終わりませんでした。

そんなことを思い出した途端、今度はどう言う訳か自分の身体の芯が震えてきました。ソレは自分でも理由が分からない得体の知れない震え・・・・

「風谷君・・・どうした?具合でも悪いのか?顔が・・・」

そういう心配そうな佐藤先生の問い掛けを最後まで聞かないまま息が苦しくなった私は倒れてしまったようです。

ソレからどうなったのかは分かりませんが、以前バイト先のスタンドで倒れてしまって救急搬送された病院で目を覚ました時とよく似た状況で目を覚ましました。

「エンちゃん・・・エンちゃん・・・大丈夫?喉乾いてない?」

その時私の目に写ったのは心配そうな表情の夏帆の顔でした。

でも、その時私の記憶が少しばかり混乱しています。いったいここがどこなのか?何かの拍子に以前病院に担ぎ込まれた時にタイムスリップしてしまったのか?・・・・でも、とにかくこのヤニ臭い場所は病院でないと言うことだけは分かります。

「あっ・・・夏帆ちゃん・・・。今回も心配かけちゃって・・・・もしかして、またどこかに担ぎ込まれちゃった?」

「ううん・・・ここは宿直室。軽い過呼吸だったから少し横になれば大丈夫かと思って・・・。ちなみに私は里帆・・・そういえば前に夏帆がエンちゃんの看病したって言ってたけど、こんな状況だったのね・・・。今、監督呼んでくる・・・」

里帆はそう言い残すと私を残してどこかへ行ってしまいました。

私の寝かせられているヤニ臭い布団は畳敷きの4畳半ほどの広さの和室に敷かれており、そばには水差しとコップの乗った小さなちゃぶ台とテレビが備え付けられていました。

そして、そのちゃぶ台に置かれた水差しの向こうの窓の奥に先ほど入ってきたエントランスが見えます。と言うことはこの場所は受付の後ろということになり、これぞ宿直室・・・という感じでした。

ちょうどその時佐藤先生が戻ってきました。

そして私が起きようとするのを制した佐藤先生が横になったままの私に話しかけます。

「もしかして・・・さっきのって、君の姉さんに関係あることかい?」

「はい・・。高校3年生の時、姉さんがオトコに乱暴されているところに出会したんです。その時訳が分からなくなってそのオトコに馬乗りになって顔を殴りつけていたようなんですがあまり覚えていないんです。でも、乗せられたパトカーの後部座席で返り血で真っ赤に染まったシャツを着た自分と、左手中指の骨折に気づきました。」

「ソレでか・・・。実習生調書の備考欄に・・・・」

「えっ?何が書いてあったんですか?」

「ん?・・・重要監督学生・・・・って。」

「・・・・・・・・・そうですよね。そう言うのって一生付き纏うんですよね。」

「でも、君の場合前科がついた訳じゃないし、理由が理由だから・・・」

「・・・・その取調室がさっきの打ち合わせ室とそっくりだったんです。」

「ソレでそうなっちゃったんだね・・・。君って辛い経験乗り越えてここまで来て・・・」

「いいえ。本当に辛い思いをしたのは姉さんですから、僕なんてちっとも・・・」

私がそこまで伝えた側では佐藤先生が顎に手をやって何か考えていたようでした。

「あっ、ソレでか・・・。里帆ってさ、恐らく君に好意を持ってるんじゃないか?どことなく君って女性が放っておけないっていうかどこか惹きつける何かを持ってると思ったんだよね。」

「えっ?放って置けない?惹きつける?僕ってそんなオトコじゃ無いです。里帆ちゃんにとっては単に姉さんを捨てた憎いオトコって事なんじゃ・・・」

「里帆ってさ、昔から気のあるオトコにそんな態度取ることがあるんだよね。そんなんだからいっつも振られてたんだけど・・・いつも玉砕っていうのが高校時代・・・」

「えっ?そうなんですか?てっきり殺されるものかと思っていましたけど・・・」

「まっ、里帆の方も気付いてないと思うんだよね。自分のことなのにね・・・・要するに里帆って人見知りが激しくってね。オトコに対して物凄い警戒心を持っているって言うか・・・距離を置くって言うか・・・オトコを好きになるって感覚が分かんないんだよね・・・」

「里帆が人見知り・・・?。」

そう言えば里帆と初めて会ったのは教育実習を控えた日、ふたばに半ば強引に行かせられた書店で本を探している時でした。その時里帆を夏帆と間違えた私に対して物凄い怪訝な態度を取っていたような・・・

「お姉ちゃんの夏帆ちゃんはそんなことなかったんですが・・・バスガイドやってますし・・・」

でも、そんな夏帆との出会いも全くの偶然そのものでした。それはふたばの成人式の後、目的もなく海岸線の県道を流していた時見つけたのはパンクした黄色いレックススーパーチャージャーと男モノを着込んだ夏帆の姿・・・

その時私は、そのクルマの脇にしゃがみ込んで途方に暮れていた小柄なオトコに声を掛けたら・・・実はそれが夏帆だったという流れです。そんなオトコみたいな姿からは到底バスガイドという職業は想像だに出来ませんでしたが・・・。

そんな華々しい職業の夏帆に対して妹の里帆は地味なカメラマンを目指している・・・そんなことを思ったであろう佐藤先生が囁きました。

「うん・・そうなんだよね。だから里帆はお姉ちゃんと180度違う道を目指している・・・カメラマンという道・・・」

この時私はハッと思いました。里帆の姉である夏帆が今付き合っている彼氏である滝沢の実家は写真館を経営していて、その滝沢本人も大学で写真部の部長をしています。

もし、里帆とその滝沢が付き合っていたとすればそれこそ里帆の人生も変わっていたのかもしれませんが、滝沢が付き合っているのは双子の姉の方です・・・なんとも皮肉なものでした。

でも双子の姉の夏帆もそうでしたが、可愛いというよりは凛々しい目をしている両者は双子ということもありそんなところも似ていました。・・・・どういう訳か今までオトコに縁が無かったということが・・・。

その時です。その宿直室のドアが空いて先ほどの一戸さんが入ってきました。その手には私のスケッチブックが・・・

「あっ、よかった・・・大したことなくて。里帆ちゃんがそう言う時の対処の仕方知ってて、この袋頭から被せて過呼吸止めたんだよね。」

「そうだったんですね。里帆ちゃんにお礼言わなきゃ・・・」

「それでさ・・・、その時散らばったスケッチブックに描いてあったパース(鳥瞰図)見せてもらったんだけど、あれって国道拡幅で掛かるモーテルだよね?」

「はい。道路で引っ掛かったあとどうすれば良いかって考えて描いたものなんですが・・・よく描けていたんで誰かに見せたくなっちゃって・・・」

「いや・・・凄い偶然・・・。オレってその交渉担当なんだよね。用地担当について行って技術的な話する担当として携わっているんだけど・・・」

「ちょっとそのモーテルの管理者の方と話をする機会がありまして、道路に引っ掛かると言うことで・・・・。そんな話聞いた後にその後にイメージが湧いたんで描いてみたんですが・・・・」

実はこの鳥瞰図・・・下宿でふたばと酒の肴がわりに議論しながら描いたヤツなんです・・・なんてことは言えません。

「うん・・・。守秘義務ってものがあって詳しいことは話せないけど、この前物件調査に伺ったとき地権者が言ってた要望ってのはこんな感じだったのか・・・。その調査は週末の日中だったんだったんだけど、結構客の出入りが多くって・・・営業補償なんかが大変だなっては思ったんだけど・・・・。」

この時一戸さんはそんなことを囁いていました。でも、その調査をしている最中に私は舞衣さんとそのラブホを利用していた・・・なんてことも口が裂けても言えません。

この時私は、そのスケッチブックを見つめている一戸さんが気になりました。

「何かありましたか?」

この時私は平然を装いそう尋ねると、一戸さんは一瞬何かを考える素振りを見せたかと思うと私の目を見て尋ねてきました。

「コレ・・・コピー撮らせて欲しいんだけど・・・いいよね。」

そう断りを入れた一戸さんはそのスケッチブックを小脇に抱えて部屋を出て行きました。

「へえ・・・君って、そんな才能あったんだね。鳥瞰図ってモノはその場所を3次元的に捉えられないと描けないものかと思うんだよね・・・」

その時佐藤先生にそんなことを言われた私はちょっと不思議な感覚になっていました。酒を飲んでいて閃いたイメージを絵にしただけなんですが・・・でも、その絵を描く際に食堂の壁に貼ってあった大きな市街地地図を何度も見直していたことをその時思い出しました。

「一応市街地図で等高線関係はおさえました。その場所って坂の途中にあって背後地が高台っていう地形条件だけは掴んでましたが後は・・・勘・・・です。」

私はそんなことを言って体裁を整えましたが・・・そのほとんどは勘によるものでした。

すると何かを考えた佐藤先生が私を見て口を開きました。

「君って、計画向きなんじゃないか?」

「えっ?その・・計画って?」

「計画にもいろいろあって、山岳道路だったり都市計画だったり、あと・・・河川改修だったり・・・」

「それを計画する・・・ってことですか?」

「うん。でも、それをやるにはいろいろな法律や基準なんかも知らなきゃならないし・・・要は経験を積まなきゃ・・」

この時佐藤先生は私の進むべき道をアドバイスしてくれているのだと思いました。でも、私は母さんの営んでいた建設業の範疇でしか土木というものは知りません。高校と大学でいろいろと学んでいたはずなんですが・・・。

「すいません・・。僕って土木というとモノを造るものばかりかと思っていましたので・・・でも、僕はどちらかというとその・・・造るって方が好きなんで・・・」

「でも、君が受けるっていう公務員の土木って職種は、そもそもゼロベースから道路を計画するところもあるけど、一戸くんの務めるこの役所のように道路を維持修繕する部門もある。」

この話で私は初めてこの役所が道路の維持修繕を担当する部門であることが分かりました。どおりでこの役所の道路パトロール車が常に道路を走っているはずです。

その時佐藤先生は、私に何かをレクチャーするかのように話を続けました。

「どちらにしてもその役所ってところは、決められた計画に基づいた図面で入札という形で民間の建設会社に工事を請け負わせるところなんだ。」

「請け負わせるってことは自分でモノは造らない・・・・?」

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