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体験談(約 77 分で読了)

【評価が高め】それは教育実習中の吹奏楽部の部室でした。ねえ・・・口で抜いてあげようか?(3/6ページ目)

投稿:2022-02-26 09:56:46

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本文(3/6ページ目)

私はその佐藤先生という人がそういう肩書きの人だとは想像だにしていませんでした。私がそんな佐藤先生は私のそんな質問に対して語り始めました。

「法学部卒って就職に困るんだよね・・・。地元戻って民間企業に就職しようにもその法学部って言う肩書きが邪魔しちゃって・・・裁判所とかそう言うところはそもそも嫌いだったし・・・。ましてや弁護士なんて・・・」

「それでどうしたんですか?」

「ん?・・・とりあえず就職したのが郵政省・・・」

「良いじゃないですか・・・郵政省ですよね。」

「でも・・・事務方じゃなくって現場のほう・・・つまり郵便配達。」

「えっ?配達と言うとあの赤い郵政カブ?」

「うん・・・黄色ナンバーのヤツ・・・。でも、それが性に合わなくって3年で辞めちゃってね。」

「その後は?」

「その時たまたま建設会社で求人出してたんだよね。そこでも肩書きが引っかかちゃって・・・それでやらせてもらえたのが現場の実行予算管理・・・。でも、これがまたメチャクチャで・・・今まで一山ナンボでやってきた会社に僕のような輩が入ったもんだから重箱の隅っこ突かれた感じになって・・・」

「そこもすぐ辞めちゃったんですか?」

「うん・・・結果的にはそうなんだけど・・・。その会社に新卒で入ってくる新人の学力というか・・・基礎的な考え方がどうも低くって。もうちょっと学校で教えてくれれば・・・なんて考えている時声が掛かったんだよね・・・」

「付属(私が教育実習を受けている高校)・・・からですね。」

「うん。話聞いたらそこの建設会社の社長の息子が付属に通っているって事で・・・まっ、ボクはお払い箱って事だったんだけど・・・」

「そこで先生に・・・?」

「最初は非常勤講師として、結局君と変わらないような雑用なんかをやっていたんだけど・・・そのうち急に土木担当にされて・・・。」

「いきなりですか?」

「うん。どうせ授業になんかならないからって・・・規定時間数だけ授業したようにしてくれって・・・」

「そんなにひどかったんですか?ヤッパリ・・・スクールウォーズ・・・。」

「うん。結局は当時誰しもサジを投げ出してしまうような土木科担当教諭にしてもらったってこと。」

「それって・・・・誰もなりたがらない・・・・?」

「うん。現にボクの前の先生も急に辞めてしまっていて・・・。そうだよね・・・毎日身の危険を感じながら登校するんだもん・・・そんなのじゃ身が持たない。」

「でも他の先生たちが言っていました。佐藤先生しか土木科を治められない・・・って。」

「なんか今じゃそんな言われ方してるみたいなんだけど・・・・最初はそりゃ酷かった・・・。」

「でも・・・佐藤先生はずっと先生を続けて来たんですよね?」

「うん・・・ボクの奥さんが応援してくれたんで・・・。」

「そう言えば、佐藤先生の奥さんって・・・生徒さんだったんですよね?」

「うん・・・。その奥さんが最期までボクのこと先生って呼んでくれて・・・。先生辞めちゃったら離婚されちゃう・・・なんて思って頑張ったんだよね。」

その時でした。その会話をそばで聞いていた一戸さんが割り込みました。

「あっ・・・梢さん・・・残念でした。すいません、お葬式行けなくって・・・」

「一戸くん・・・奥さんの肉じゃが大好きだったもんね。いつも部活帰りにウチに寄ってメシ食って帰ったんだよね。あの時不思議に思ったんだけど家に帰ってから夕飯食べてなかったのかい?」

「いいえ。普通にメシ食ってました。でも、その頃っていくら食っても足りないじゃないですか・・・?」

「そうだよな・・・野球部頑張ってたもんな。特待以外で唯一のレギュラーで、しかもキャプテン・・・」

「一戸さんって野球部だったんですよね・・・」

「うん。今でも2年生の春に背番号2をもらった時のことは忘れられない・・・」

「えっ?背番号2っていうことは・・・キャッチャーですよね?」

「うん・・・そのとおり。」

「それじゃ・・・里帆ちゃんと一緒・・・」

「よく知ってるね。前に佐藤先生からキャッチャーの指導してほしいって言われて指導して以来里帆ちゃんとは面識があって・・・里帆ちゃんって今でも部活の面倒見てたりする?」

「はい・・・この前その部活でバッテリー組んでる夏帆ちゃんに豪速球当てられました。」

「あっ・・夏帆ちゃんのほうも部活に来てたのか・・・。懐かしいな・・・。」

この時私からそんな話を聞いた一戸さんはどこか懐かしそうな雰囲気でした。その時脇にいた佐藤先生が話に混ざります。

「僕・・・それ見てたよ。股間押さえながら倒れ込む姿・・。」

「じゃ・・・あの夏帆の豪速球股間に当てちゃったってこと?」

それを聞いた一戸さんはそう言って驚いています。どこか心当たりがあるようです。

「はい。その時オトコ辞めるところでした。」

「それは死活問題だ・・・バスガイドキラーにとっては・・・」

「一戸さん。ソコ・・・拘りますね。僕としては全然そんな感じじゃないんですけど・・・」

「でも・・・オリエンテーリングの時、少なくともオレのバスに乗ってた学生はそう呼んでいたけど・・・」

「えっ・・・僕ってそんなオトコに見えます?」

「うん。君は絶対こう思っているはずだ。」

「どう・・・ですか?」

「いつでもどこでも誰とでも・・・って。」

「いや・・・オトコたるものそれが信念というか・・・オトコとしてはそれが目標っていうが・・・。でも、人としては・・・」

「うん・・・。そういう色恋沙汰の時の夏帆の球は速いんだ・・・。しかも力のこもった重い球。」

「それってどういうことですか?」

「そういうことだよ・・・」

ソコまでどうでもいい話が進んだ時、一戸さんはいつの間にか持ってきていた封筒からB5位に折り畳まれた図面を取り出し、布団の脇の畳の上に広げ始めました。

それは横に長く2mにも及ぶ「青焼き」と呼ばれる図面で、私が計画を知りたかった国道の拡幅計画の全体平面図でした。

「えっ?コレって・・・?」

私はその時、その図面から発せられ鼻にツンと来るアンモニア臭を感じながらそう尋ねました。

「国道拡幅の平面図。事業説明会で使ったやつの写しなんだけど・・・全体延長が約3km。その第一期工事区間に中に君の描いたモーテルも含まれる。」

「ほう・・・こうなるんだね。肝心の用地はどんなもんだい?」

この時その図面を遠目に眺めていた佐藤先生がそう尋ねました。

「はい・・・。20年も前に都市計画が決まっていたところなんで、やっとか・・・という人もいれば今さら・・・なんて人もいてそれぞれです。それで先月やった事業説明会でちょっとモメまして・・・」

「何がモメたんだい?」

そう尋ねた佐藤先生に対して一戸さんが答えます。

「今、コレだけ路線価が上がり続けている中、今買収されると今後の値上がり分損することになるって・・・。それで買収は最後にしてくれって・・・。そういう人が結構いて・・・。」

ここでもバブルの影響が・・・でも、この時は分かりませんでした。

この後直ぐに土地の価格が大暴落するなんて・・・

「うん。それは困ったね。でも買収単価って設けてるんだよね?」

何か事情を知っていそうな佐藤先生は一戸さんにそう尋ねました。

「はい・・・鑑定評価を既に終えていますんで、第一期工事分は地目ごとの統一単価で・・・」

「うん・・・コレからは役人の交渉術でやっていくしかないね。」

「はい・・・そうなんですが・・・。でも、あのモーテルの事情は違いまして・・・」

「うん・・・事情聞きたいところだけど守秘義務があるんだろ?」

「はいもちろんです。でも、さっきの風谷くんのパースを見て妥協点思いついたんで・・・それで行けそうです。」

「うん・・・それは良かった。」

「4車線化に伴って中央分離帯ができるじゃないですか?それで市街地から直接入ることができなくなっちゃって・・・そこ・・・なんですよね。まとまらない原因って。」

「うん・・でも、そんなところはいくらでもあるんじゃ・・・」

「他のところは別の交差連を曲がって裏から行けるんですが・・・ソコだけは周りが農地になっていてダメなんです。しかも敷地の半分が潰れるっていう最悪のパターン・・・」

「他に移転・・・て方法もあるんじゃ?」

「ダメなんです。土地のかかる他の店舗さんはほとんど移転して近くの区画整理へ行く予定なんですが・・・そこは敷地の半分が残っちゃうんで・・・そこまで補償ができなくって・・・」

「うん・・・分かった。コレからはキミの腕の見せどころだね」

「はい・・・。見ててください。次の異動までにやってみせます。」

「うん。健闘を祈る。」

佐藤先生が一戸さんの目を見てそう伝えた時でした。今、3人が話をしている宿直室の引き戸が勢いよく開いて里帆が飛び込んできました。

「先輩・・・。今、〇〇陸橋の上で大型車の追突事故があって軽油が流出したって連絡があって・・・」

息を切らせながら里帆がそう言い終える瞬間に既に一戸さんは内線電話に手を掛けていました。そして受話器を耳に当てながらその相手に伝えます。

「〇〇陸橋で事故・・・。油処理材積んで・・・すぐにパト車出して・・・。」

一戸さんはその電話の先の誰かにそれだけ伝えると受話器を置きました。

「あっ・・・里帆ちゃん。通行止めするかもしれないから関係機関にFAXする様式の準備。その前に事故が発生したということを交通管制センターに一報入れといて・・・詳細は所長に無線入れるから・・・後は所長の指示に従って・・・」

一戸さんに矢継ぎ早にそう指示された里帆ちゃんは「うん。りょうか〜い。」と言いながら階段を駆け登って行きました。

「監督・・・今度、梢さんに逢いに行って良いですか?」

「うん。奥さんの肉じゃがは食べさせることは出来ないけど・・・いつでも・・・」

「あと、風谷くんにその図面あげるから授業で使って・・・キミならいい授業できそうだ。それじゃ現場に行くから・・・ゴメンね。」

そう言い残した一戸さんも階段を駆け登り、その直後反射チョッキを着た状態で玄関前で待機していた黄色いパトロール車に乗って出かけて行きました。そのクルマは例の如くマフラーから白い煙をモクモク吐きながら駐車場を出て行きます。

そんな煙幕を吐きながら国道を加速していった黄色いパトロール車を窓越しに見送りながら私は佐藤先生に聞いてみました。

「佐藤先生・・・。役所って言うと机に座って事務作業しているイメージがありますが・・・こんなところもあるんですね。」

「うん。一般的な人が抱いている役所のイメージって市役所の受付みたいなところだと思うんだ。でも、そんなところとは全く違うこんなところもたくさんある。キミが目指しているのはまさしくこんなところだと思うんだ。詳しくは分からないけど夕方5時に帰れるなんてできないような世界・・・」

「役所って5時に終わるイメージがあるんですけど・・?」

「うん。でもそんなイメージと違って毎日残業は当たり前・・・。さっき一戸くんが言ってたんだけど、公務員の給料って残業をたくさんやって・・・やっと人並み・・・。でも、借金だけはいつでも出来るって・・・。」

「借金ですか?」

「たとえば住宅ローン・・・。借りるのに掛かる審査の期間が一般企業勤めなら1週間。でも、公務員は2、3日。」

「それって身元がしっかりしていて、給料の貰い逸れもないってこと・・・ですか?」

「まっ・・・そうだろうな。しかも給料なんかも職種と年齢から直ぐに割り出せるって言うか・・・」

「それじゃ借金し放題ってことですか?」

「信用情報なんかは金融機関同士で共有されるからそうでもないとは思うけど・・・民間企業勤めよりはよっぽど・・・」

「なんか・・・公務員って良いのか悪いのか分からなくなってきました。」

その時です。先ほど一戸さんが出て行った宿直室の引き戸が空いて見慣れない人が入ってきました。その人は革靴にスラックス、上着は一戸さんと同じ作業着です。歳の頃は30過ぎ・・・くらいでしょうか?

その人は私と佐藤先生を交互に見て思いがけない挨拶を始めました。

「佐藤先生・・・ご無沙汰しております。この前の件・・・いい方向に転がっています。」

そんな挨拶から始まったその会話に当然私は入り込めません。

「所長・・・先生だなんて滅相もない。学校では先生やってるけど、そっちじゃまだ見習いだから・・・」

ん?そっち・・・?見習い・・・?私は佐藤先生の言葉が全く理解できません。でも・・・この人は東大卒・・・。

私がそんな状況を必死に解読している時、佐藤先生がその所長と呼ばれた人に私を紹介しました。

「あっ、こちら・・・教育実習生の風谷君。市内の大学に通っていて・・・・何故かこれから先生じゃない方の公務員試験を受けることになってる。」

「はい・・風谷です。一応・・・地元の土木を受けることになっています。」

「ん?・・・と言うことはキミって教壇に立って生徒に対して授業してるんだよね。」

「はい・・。一応土木計画を教えていますが・・・あとはいろんな教室で自習を担当したり、テストの監督やったり・・・」

「それじゃ、学校の雑用を色々やってる訳だ。」

「はい。出来ることが限られていますんで・・・」

「今、土木計画を教えてるってことだったんだけど・・・その授業で感じた事とか工夫したことなんてあるかい?」

「はい。普通に授業を進めると僕の声が子守唄に聞こえるらしくって生徒が直ぐに寝ちゃうんです。それで興味のありそうな事とか、身近にあった話題なんかを交えた内容にしています。今日伺ったのも市内で行われようとしている道路工事のことを題材にしたくて話を聞きにやってきた次第です。」

「それでか・・・。一戸君が事業説明に使った図面提供してもいいかって伺いを立ててきたのは・・・」

「伺い・・・って?」

「役所ってものはハンコ主義なんだ。何事も理由と目的を記した発議書ってもので発議して決裁を受けないとダメなんだ。それも本当は出せるモノじゃないんだけど使用目的が教材って事だったんでハンコ押したんだけど・・・」

「ん・・・?発議書?決裁?」

それを聞いた私が頭を傾げているとその所長が話を続けます。

「公務員のやることには全て理由が必要なんだ。それを発議書と言うものに書いて決裁権者である私がそれを妥当であるかどうか判断する。予算に関することも全て・・・」

「全て・・・ですか?」

「まっ、日常的に行われていることなんかは別なんだけど・・・。それをしないとその当人が独断で勝手にやったことになる。役所はその一職員が勝手にやれることなんて全くないから誰かの判断が必要となる。それが発議書。」

その時私は新採用職員が受けるようなレクチャーを受けていました。それは普段聞きたくてもなかなか聞けないようなことも・・・。

そして最後に言ったその言葉が印象的でした。

「その紙にハンコを押した瞬間に押した人が責任者になる。ましてやその長である所長はそれにかかる一切合切の責任を取ることになる・・・・」と。

その時、初めて役所におけるハンコというモノの重みを感じた瞬間でした。

ちょうどその時、その所長の脇にあった守衛室の内線電話が鳴りました。それにその所長が出て、「うん・・・うん・・・」と答えた直後その受話器を置きこちらを向いて口を開きます。

「佐藤先生・・・。後日挨拶に行きます。これから通行止めの決裁にハンコ押さなきゃならないんで・・これから手続きに入りますので今日のところはこれで・・・」

「うん。今日は教育実習生の教材になりそうな話だけでもと思ったけど貴重な図面いただいて・・・こちらこそ・・・」

「ありがとうございました・・・。またアドバイスお願いします。」

最後にそう挨拶をした私達は学校に向けてドミンゴを走らせていました。今ほどの所長との話から佐藤先生がどんな人なのかますますわからなくなっています。しかも、役所の長にアドバイスまでするって・・・・

その後の学校への帰り道は、先ほど通行止めになる旨の話を聞いていたのでフェリー埠頭を経由した遠回りになっていました。そんな車中で流れるラジオから先ほど聞いた通行止めの情報が流れています。

その時です。間も無くフェリー埠頭に差し掛かろうとした時、そのラジオの音に混じって何かが聞こえてきました。

「・・・・のクルマ、左に寄って止まってください。前のドミンゴの運転手さん・・・」

その時私が後ろを振り返るとどこかで見たような気がする紺色のクラウン・・・しかも屋根の真ん中で赤色灯が回転し、フロントバンパーの下でも赤橙が点滅しています。

「ん・・・?スピードも出てないし・・・なんだろう?」

そう囁きながら佐藤先生は左の路側帯にクルマを停車させました。すると後ろのクラウンから水色の制服を着た長身の男が降りてきて、白いヘルメットのツバを右手で抑えながら佐藤先生に話しかけてきました。

「佐藤先生・・・ご無沙汰しています。」

ゲッ・・このオトコ・・・舞衣さんの元カレ・・・。この時私はその顔を見た瞬間それが口に出てしまいそうなくらい驚いています。

「あっ・・・味戸くん。久しぶり・・元気そうじゃないか・・・あれ?確か交番勤務だったんじゃ・・・。今、覆面に乗ってるってことは・・・?。」

この時佐藤先生はこのようにその舞衣さんの元カレに問いかけました。

「はい・・・。念願の交通課配属果たしました。でもこの前まで地味な鑑識やってまして・・・。あっ・・・梢さん残念でした。もう一度梢さんの肉じゃが食べたかったです。」

この時この味戸という青制服もそんなことを言っています・・・・梢さんと肉じゃが。あの一戸さんと全く同じ・・・。

でも、助手席の私の存在など全く気にせず始まったそのちょっとした雑談でしたが、その内容のほとんどは私の耳に入りません。

その時私が思い出していたのは、舞衣さんがこのオトコに対して言っていた・・・「あの役勃たず・・・」という言葉です。そんなフレーズが頭の中でリフレインしている私に向かってその役勃たずが声を掛けました。

「ん?キミって、小林先生(舞衣さんのこと)と一緒にいた・・・」

「はい。義理の弟になります。こんなところで奇遇ですね。いいんですか?公務の最中に・・・・」

私はどういう訳かそのオトコに対して棘のある言い方で返していました。どうしてか分かりませんが私はこのオトコに対して腹を立てています。

「いや・・・これはちょっとした職務質問っていうか・・・」

「職務じゃないですよね。覆面パトの助手席の人待たせていいんですか?」

「いや〜まいった。キミって見かけによらず厳しいこと言うんだね。」

「厳しくなんてありません。公務員たるものその行動の一つ一つが一般市民の模範でなければならないと思っただけけです。こうしている間にでも一台でも違反車を検挙すべきなんじゃないんですか?」

私がそんな役勃たずに対して腹を立てていたのには理由がありました。それは先ほどの所長の話の中で、公務員は下僕だけど一般市民の模範にならなきゃならない。いつも鵜の目鷹の目で見られているのだから決して間違ったことは出来ない・・・

そして、その重い言葉の最後に付け加えた言葉・・・

「私生活もそうだけど、公務中は決して疑念を抱かれる行動を執ってはならない。」

というその言葉でした。しかし、このオトコは雑談をするためにこのクルマに停車命令を出して時間を潰しています。

その時です。もう少し行った先にあるフェリー埠頭の方からガンメタリック色のGTRが勢いよく加速して来て中央分離帯を挟んで停車している覆面パトを挑発するかのように通過間際に「パンッ・・」とバックファイヤーを吐いて通り過ぎて行きました。

「あんなクルマ取り締まらなくっていいんですか?警察なめられてますよ?」

その時私はますますそんな言葉でそのオトコを責めました。いや、責めたつもりでした。でもそのオトコが佐藤先生に別れ際に挨拶した後私に言ったその言葉で自分が少しつけ上がっていたことに気付かされます。

「それじゃ・・・これからあのGTRの切符切ってくるから・・・えっと・・・〇〇33と9315・・・で、いいんだっけ?さっきのGTR。」

もう、私の完敗です。猛スピードで走り去ったクルマをチラッと見ただけでそのナンバーを判読していたなんて・・・やはり本職です。もうその後私の口から言葉が出なくなってしまっていました。

その後、そんな覆面パトと分かれて佐藤先生が運転するドミンゴが少し進んだところでその佐藤先生が囁きました。

「今の味戸君ってさっきの一戸くんとバッテリー組んでたんだよね。ソレで部活帰りに僕の奥さんが作った肉じゃがたくさん食べて行ったんだ・・・二人で鍋ひとつ分くらい・・。」

「そう言うことがあったんですね。その・・・さっきの警察も先生が担任していた土木・・?」

「彼は野球特待組でね・・・普通科入学だったんだけど、身長がやたら高くってキレのある球投げるってことで当時の野球部監督が引っ張ってきたんだよね。でも・・・高校に来て思うような成績残せなくって悔しがってたよ・・・」

「そんなことがあったんですね・・・ひとの繋がりって分かんないですよね。」

「うん。僕はね、この歳まで生きてきて一つわかったことがあるんだ。世の中は広いけど、ひとの繋がりの世界は案外狭いって・・・。自分の知らない身近なひと同士が繋がっていたりするからね・・・」

「世の中ってそんなモノなんですね・・・・」

そんな会話をするドミンゴ車の中から対向車線にどこか見覚えのある白いアルトが見えて来ました。そしてすれ違い側にその運転席を見るとそれはまさしく私の母さんです。

そのアルトは私のハチロクの代車として舞衣さんの実家である小林車体から出されていたクルマで、そのクルマを私の義父さんが面白がっていろいろと手を加えたクルマでした。

そのクルマは白い車体に白いホイール、しかも車体のサイドには女性仕様車を表すステッカーまで貼ってあるごく普通の軽自動車です。

中身を除いては・・・。

それは舞衣さんの実家である小林車体で使っていた代車のアルトの車体に、ワークスのワンメークレース車両と全日本ラリーの車両の部品を取り付けたサンコイチ車両となっています。

しかも、足回りがラリーのグラベル仕様となっていて若干車高が高い仕様となっていました。

これがそんな車両だと気付く人はいないでしょう。アレを使わない限りは・・・。

その「アレ」とは、そのアルトに義父さんが面白がって真面目に取り組んだターボラグを無くすアンチラグシステムが装着されていることです。それは禁断のスイッチをONにしない限り作動しませんが・・・それが作動した瞬間、この世のものとは思えない破裂音に包まれます。

そもそも私の義父さんは静岡にある某自動車メーカーの研究所勤めでしたが、結婚まで考えていた彼女の社内不倫を機に退社して私の実家近くにある役所勤めをしていました。

クルマいじりが趣味だとは聞いていましたが、次第に私のハチロクのエンジンを研究所横流しのエンジンに載せ替えたり、同級生の理央にエンジンの構造を勉強させたりするという謎多き人でした。でも、勤めていた研究所で取り組んでいたのはターボチャージャーの効率向上とそのアンチラグシステムだったのです。

ソレを知るのは翌年になってからなのですが、ソレを知った時に私は腰を抜かすほどびっくりすることになります。それはコレから数年先に発売されるクルマにその義父さんのノウハウが組み込まれていたことに・・・

そんなごく普通のクルマに見えるを運転していた母さんは今朝、午前中にマコトの母さんをフェリー埠頭に迎えに行くと言っていました。すると助手席にはマコトの母さんが乗っていると言うことになります。

そしてこれから母さんの予定通りマコトの姉であるアキラが入院している病院に向かっているのでしょう。

その後佐藤先生の運転するドミンゴは細い路地など利用して学校へ向かい、あまり時間を要することなく学校へ到着しました。すると、その駐車場に見慣れないクルマが2台駐車しています。それは黒いタクシーと足立ナンバーの白いワンボックス車。

そのワンボックス車の屋根にはなんでも積めそうな大きなルーフキャリアが付いていて、そこに載っているたくさんのアルミのケースに貼ってあったカメラブランドのステッカーからこれはテレビ局の番組制作スタッフのものと思いました。

今日の昼休みにマコトの非常勤講師としての辞令交付式があるとは聞いていましたが、そんなところも撮影するとは意外です。

その時私が聞いていたのは吹奏楽部が長期取材を受けると言う事だけでしたが、そんな取材の前からその部活の外部講師となるマコトの取材が始まるとは・・・。

でも、そんな講師が現役のバスガイド・・・やっぱり話題性はありそうです。

その後私と佐藤先生が職員室まで行くと、予想に反してその職員室は平穏そのものでした。私の予想だど取材陣が入っててんやわんや・・・という感じかと思っていましたが・・・。その取材陣はどこに行ってしまったのでしょうか?

そんな疑問が晴れない中私は実習生控え室に戻り、先ほどもらった図面を広げて明日の授業でこれをどのように使おうか考えながら、授業の進め方などをノートにメモしていた時、突然午前中の授業終了を告げるチャイムが鳴りました。

その図面を結構な時間眺めていたことに初めて気付かされた時、窓の外から空気が震えるような大型車のV8エンジン独特の排気音とともに、時折エアーの抜けるキシー・キシー・・・と音が聞こえその音が近づいてきます。

しかもバスガイドがバックの誘導をする「ピピー・ピピー・・・」というホイッスル音と共に。

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