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【評価が高め】世間でいうクリスマスイブに綺麗な娘を買った(6/13ページ目)
投稿:2011-12-01 21:00:00
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本文(6/13ページ目)
派手な雷が近所に落下して、停電の中、闇に包まれて母の側で眠った幼かったあの日の夕方。
あの闇と同質の、暖かい安心してじっとしていれる闇がここにもあって、僕はどこまでも深く、彼女の傍らで眠った。
姫様に揺り起こされた。
姫様の顔が目の前にあって、僕を覗きこんでた。
姫様の頭のうしろ、直線で結ばれた先にダウンライトがあり、逆光で顔が見えない。
僕は再び目を閉じ、記憶を手繰って姫様の綺麗な顔を目の前の気配に重ねる。
イメージが重なったその刹那、僕は半身を起こして姫様の髪に触れた。
煙草の煙が緩やかに流動するこの部屋で、姫様の髪も煙草の匂いがした。
「カナはもう帰った。午前中はたいていダンスの練習なんだって」
ああ、そうかなるほど。
彼女のあの筋肉はそのためなんだな。
しなやかな野生動物のような四肢。
ゆっくり記憶を再生してみる。
そういえば、彼女はあまり笑わなかったな。
普通の女の子ほどには。
大きい瞳がよく動いて、僕を監視するように見てたっけ。
鼻を擦る癖があって、両手はたいていポケットに納まってた。
外見ほどにはキツくなくて、話し掛けると、倍の量の言葉が返ってくる。
彼女は、いい、とか悪いとか、そんな言葉をよく使った。
いい曲だね。
とか、その曲は嫌い、ではなく悪い曲、と言った。
そんな具合に。
いつだったか、仕事で一緒した若いイラストレータの女性の事を思い出した。
彼女は企業に押し付けられた配色を「悪い色」と言った。
もちろん色の配合に、良いも悪いもないのだけど、そんな考え方をする彼女に僕は密かに嫌悪感を抱いていた。
仕事の進行に差し支えないかなと、そんな心配をしていた。
だけど、彼女もまたプロだった。
彼女の指定通りに進めると、最終的には彼女が最初に力説した漠然とした曖昧な言葉で押し切った
「良い色」
が出来上がった。
僕にもそれは理解できた。
問題があるとすれば、僕はいまだにそのプロセスを上手く説明できないって事。
間違いなくそこに存在するのに。
論理的には上手く紐解けない。
姫様がいて、カナがいて。
僕はどれだけ姫様の事を理解できてるんだろう。
もちろん音符の連鎖に、いいも悪いもない。
でも彼女は、僕の歌った歌を、いい曲と言った。
面倒だな。
単純に考えてみようか。
カナから見た僕は、姫様の側にいる男として相応しかったんだろうか。
姫様はバッグからピンクのクマを引っぱり出して、僕に何度もキスさせたり、パンチしたり、意味不明な言葉で喋りかけたり、たまにジンジャーエールを口に運んで、膝枕している僕の顔に垂らそうとふざけてみたりした。
「ねえ」
と僕は言った。
ん?と彼女。
「今日の昼間。僕の家で何を見たんだ?セントポーリア。あの嘘は僕も驚いた」
彼女の口元に笑みがこぼれる。
「さあ、何故でしょうねぇ」
「推理してみようか」
「いいよ。やってみて」
彼女の膝は最高に心地よかった。
何度も寝返りをうち、さも考えてるふうを装ってその感触を楽しむ。
「少なくとも君はセントポーリアに詳しい。その栽培方法を知ってる。これは間違いないよね」
彼女はジンジャーエールを口に含んだまま、うんうんと答える。
「問題は、なぜ僕の母がセントポーリアを好きだと分かったかって事なんだよね」
「うんうん」
「家にセントポーリアの鉢植えはひとつもなかった」
「うんうん」
「機材かな。有名なメーカの何かがあったとか。栽培に適切な鉢が転がってたとか」
彼女はクマを僕の顔めがけてダイブさせた。
「ピンポーン!正解です。玄関にね。たくさん栽培用ライトの残骸が残ってたの。家のおじいちゃんが使ってたのと同じメーカ。それから居間の隅にあった空っぽのガラスケース」
「ふーん。なるほどねぇ。でもさ、そんな沢山育ててなかったかもしれない」
「それはあり得ないですねぇ。鉢植え自体は小さいもん。あのライトの量は昨日今日始めた人じゃないって事くらい分かる。単純にいっても10鉢。多分それ以上あったんじゃないかな」
「ふーん。なるほどね」
「それに間違ってたとしても、ヒロのリカバリに期待してたし」
おいおい。
僕はテーブルの上に転がってたジンジャーエールのペットボトルのキャップを何となく、ピンクのクマの頭に被せてみた。
あれ。
ぴったりだ。
トルコの兵隊みたいだ。
彼女はキャッキャと笑った。
「よかったねクマ。明日はコカコーラのキャップの帽子を買ってあげるね」
彼女はそう言って両手でクマを抱いた。
きっと幾晩もそうしてきたせいで、クマのフェルトのボディはそんな色になったんだろうな。
汚いぬいぐるみは、愛された証拠か。
ホテルに戻ると僕は真っ先にPCを起動した。
姫様がシャワーを浴びてる間に確認しておきたかった。
画像は届いていて、3枚ともいっぺんにブラウザに突っこむ。
酷い画像だった。
何かフィルタでも施したんだろう。
モノクロのザラザラした感じは、何度もファクスして劣化したようにも見える。
まるでアンダーグラウンドのロックバンドのチラシだ。
オタの言ったナンバープレートを確認する。
すべて6桁の数字。
たしかにそれは、あからさまにコラージュされたように、輪タクのホロにアングルの補正もされないままくっついてた。
そもそも輪タクにナンバープレートなんて付いてるんだろうか?
とにかく考えても始まらない。
情報が少なすぎる。
僕は次に、彼女のバッグから白い封筒を引っぱり出した。
封はされてない。
中身はやはりフロッピィだった。
ブートして中を確認してみたけど、ファイルに触れる事はしなかった。
見てもたぶん何もわからないだろう。
このPCには画像処理用のソフトウェアがインストールされてない。
それに交換条件の分、オタにはしっかり働いて貰うとしよう。
オタのアドレスを呼び出して、そこに全部突っこむ。
gifファイルが1つ。
エクセルのファイルが1つ。
メモ帳が1つ。
全て送信が終わって、時計を確認した。
起動してから終了するまで10分。
ちょっと時間がかかりすぎかもな。
慎重にやらないと。
緊張感がなくなった時が一番危険だ。
僕は姫様の秘密を覗き見している。
これは背信行為なんだと自分に言い聞かせた。
やるからにはクールにやろう。
完璧を目指そう。
カーテンを開け、窓の外を見ると雨脚が強くなってた。
眼下に広がる東京の街は死んだように静まりかえっている。
街灯の丸いドーム状の明かりとネオンサイン。
僕らはついさっきまで、このミニチュアの街の中にいた。
ここから見ている風景は、どこか遠くの街、子供の頃何かの本で見た異国の街のようにも思える。
絶対に訪れる事ない、本当に実在するのかどうかさえ怪しい説得力に欠ける噂と、重みのない貼付写真でしか知りえないどこかの街。
僕は時どきこんな風に考える事がある。
自分にとっての現実なんて、たかだか半径2メートル。
その目の届く範囲、そのボール状の球体の内側に入ってきた何かだけで成り立ってるんじゃないかって。
大抵の人は、その球体の外には自分の知りえない巨大で膨大なデータが流れてる事を信じて疑わない。
でも、本当にそうなんだろうか。
僕の手の届かない場所は、じつはからっぽ。
僕がノックしたドアにだけ電源が投入され、入り口のネオンがチカチカと瞬いて、はい、スタート!って具合。
僕は時々、自分のそんな閉鎖的な考え方を、自分の意志とは裏腹につき破ってみる事がある。
漫画に出てくる、いびつな海上機雷の腕みたいに球状の現実と夢の境界ラインを変化させて、その外にある何かを探ってみようとする事がある。
それは、獲得しえなかった仕事の後日談の裏側だったり、今回のように、偶然出会った姫様だったりもする。
結果は様々で、もちろん中には知らないほうがよかったと思える事もある。
姫様はクリスマスの夜、サンタクロースが僕にDHLで送りつけた、たちの悪い冗談だ。
異空間に広がる針葉樹林のどこかの漫画みたいな家のなかで、意地の悪いサンタは、僕がいずれ来る現実に叩きのめされる様を、今か今かと待ち望んでるに違いない。
構うもんか、と僕は思った。
姫様がクマを大事にするように、僕にも彼女が必要なんだ。
バスルームのドアが開いて姫様がでてきた時、僕は寝そべってテレビを見ていた。
深夜枠の馬鹿なお笑い。
ところが、その笑いは巧妙に練られており、作り手が視聴者を馬鹿にするような構成になっていた。
見ているうちに引きこまれ、姫様がベッドを揺らして近づいてくるまで僕は口をぽかんと開けたまま、間抜け面でブラウン管を凝視してたんだと思う。
風呂上りの良い匂いにつられて、ベッドの揺れる先に目をやった僕は、おや?と訝った。
まだどこかへ出かける気でいるのかな姫様は。
丈の短いバスローブの下にはもう出かける下準備が整ったのか、細い脚には白いストッキングまでつけている。
「お出かけですかお姫様」
「なぜ?どこにも行かないよ?」
姫様はそう言ってサイドテーブルの上にあるメインライトのボリュームを摘んだ。
まるで映画でも始まるみたいに、部屋から光が失われてゆく。
姫様は僕の視線の先につま先で立ち、悪戯っぽく微笑んでからバスローブを腰の位置で絞った、タオル地のベルトをゆっくり抜きとった。
「気に入ってもらえたかな?」
僕は言葉が見つからなかった。
無言。
この手の写真のお世話になった事は何度もある。
だけど現実に、目の当たりにした事は一度もない。
多分最初で最後になるんじゃないかなとも考えてみたりした。
ガータベルト。
ガーターベルトだっけ?
ああ、そんな事はどうでもいいや。
姫様は全体が同じデザインでまとまった、何と言うかかなりセクシーな下着を身に着けていた。
華奢なチェストを覆うベアトップのビスチェから垂れる4本の紐の先に、4匹の金属でできた蝶がいて、そいつが太もものまわりにとまっている。
下着全体にも青い蝶が、刺繍と絡んでプリントされてた。
凝視していると下着は下着でなくなにか別のもの、彼女の皮膚のようにも見えた。
眺めてる時間が長くなればなるほど、姫様に触れなくなるような気がした。
綺麗すぎるんだよ姫様。
美術館にやってきた巨匠絵画。
馬鹿馬鹿しくも近寄る事を禁止された来場客。
君が僕を客と割り切ってくれてたら、どんなにか楽だったろうな。
君は僕の気持ちまで満たそうとした。
それは多分、君的に言えば、嬉しかったから、なんだろうけど。
刺激も、あるピークを過ぎると人の脳はそれをカットするためにβエンドルフィンを放出すると何かの本で読んだ。
安心して、落ちつきたい。
僕はまさにそんな気分だった。
持ち歩いてたCDプレイヤーからCDを取り出してPCで再生した。
音は酷いけど、ないより全然いい。
たしかSmashing Pumpkins。
僕が好きに選んだ曲だけを集めて焼いたCDで激しいのはカットしてある。
姫様といる時に聴きたいと思ってたけど、これまで機会がなかった。
ベッドに2人で横になって、それから取り留めのない話をした。
姫様は自分の大胆な下着姿に、僕が引いたと誤解した。
きっと喜んでもらえると信じてたみたいだったし、そう口にもした。
もちろん喜んださ。
でも説明するのがひと苦労だった。
姫様は男の生理を完璧には知らない。
いや、知りうる機会がなかったんだろうな。
だからお願いだから着替えないで欲しいと、僕は懇願した。
ちょっとは寒いかもしれないけど、シーツにくるまってればいいし。
コーヒーでも飲もうか?レモネードのほうがいいかな?さもなきゃ暖かいスープ。
見ていたいんだよ姫様。
僕のそばにいてほしい。
何度も挑戦した結果、この気持ちの説明は無理だと悟った。
僕は君を娼婦だとか商売女だとか、そんなふうには思っていない。
その下着は素敵だし、まったくそういう事とは関係がない。
とはいえそれを伝える術がなかった。
「好き」
だとか
「愛してる」
からだとかそんなお決まりの台詞を持ちだすのは抵抗があったし、しかも微妙に違う。
ただ君が綺麗だと思ったんだよ。
ほんとうに。
嘘偽りなく。
ずっと見ていたかったんだよ。
姫様は子供の頃の話をしてくれた。
ある日突然消えてしまった父親の事。
母親は父の失踪について、幼かった兄弟には何も説明してくれなかった事。
それから1年もしないで自殺した母親の事。
言動がおかしくなり、育児の一切を放棄して自室に閉じ籠もり気味になった事。
弟は姫様の後をついてまわり、後追いの年齢をとっくに過ぎてるのに決して離れようとはしなかった事。
彼女は自分のいた世界が変わり果ててしまった事を初めは信じられなかったと言った。
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