官能小説・エロ小説(約 6 分で読了)
梨本和世運命の鎖第五幕
投稿:2026-04-25 22:50:33
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松岡美雪大阪のJR吹田駅に電車が到着し、扉が開くと、学生服を着た高校生の松岡美雪が降り立った。片手にはスマホを握り、今日の晩ご飯のレシピを検索している。美雪の家庭は父子家庭だった。美雪が生まれると同時に母は他界している。赤ん坊だった美雪を育てたのは父方の祖母・由美子だったが、その祖母…
梨本和世11995年。この年は日本にとって、未曾有の事件が相次いだ年であった。1月には兵庫県南部を中心に大規模な震災——阪神・淡路大震災が発生し、3月には東京で地下鉄サリン事件が起き、日本中が底知れぬ不安に陥っていた。そんな激動の時代に、小学6年生の梨本和世は東京の西山倉という過疎地に両…
梨本和世2
学校からの帰り道。
リボンが結ばれていない扉を見るたびに、和世は胸を撫で下ろしていた。あの夜の出来事は、夢だったのではないか、そんな淡い期待に縋っていたが、夕暮に揺れる黄色い布地が、その逃避を無慈悲に打ち砕いた。
このまま知らん顔をして通り過ぎることもできた。この扉の向こうには、前回よりもさらに苛烈で、和世の尊厳を微塵も残さない「恥辱」が待っている。本能が、一歩も近づくなと警鐘を鳴らしていた。
しかし、和世の足を動かしたのは、両親の記憶だった。
母がいた頃の父・隆は、家族の誰からも頼られる、明るく太陽のような存在だった。あのお父さんに戻ってほしい。借金という呪縛さえ解ければ、きっと……。その切なる願いが、彼女の恐怖を辛うじて上回った。
「……っ」
和世は逃げ場のない重い扉を、自らの手で押し開けた。
背中には、両親が和世のために買った赤いランドセルを背負っている。和世が「債務者の娘」としてここにいることを象徴するかのように。
倉庫の奥、使い込まれた机で帳面をつけていた佐藤は、和世の姿を認めると、眼鏡の奥の目を卑俗に細めた。
「ランドセルはそこに置いて、こっちに来なさい」
その声には、逃げられない獲物を飼い慣らした者の余裕が満ちていた。
和世は言われるがまま、重いランドセルを床に下ろすと、一歩、また一歩と、男が待ち構える闇の深淵へと歩み寄った。
震える声を押し殺し、和世は男の目の前で立ち止まり対峙した。
数日前に宣告された「剃毛」の意味を、彼女は片時も忘れたことはない。この倉庫に足を踏み入れた瞬間から、和世はその覚悟を自らの内に冷徹に固めていた。
男は、和世が逃げ出さずに現れたことに、満足げな、そして下卑た笑みを口元に湛えた。
「よく来たね、和世ちゃん。」
男はそう言うと、まずは彼女の膝丈のスカートを乱暴に捲り上げた。あらわになった太ももは、倉庫の冷気にさらされてかすかに震えている。しかし、和世の瞳には、逃げ場のない状況を真っ向から受け入れる強固な意思が宿っていた。
男は、捲り上げたスカートの奥、ウエストに食い込んでいる純白のパンツのゴムに指をかけた。そして、それを挑発するように、ぐいと上へ引っ張り上げる。
「小学生のくせに……一人前に毛なんな生やしやがって!」
男は、食い込ませたパンツをパチンと弾いた。和世の肌に走る赤い線を見つめるその瞳は、暗い愉悦に濁っている。
男の頭にあったのは、生意気になってきた小学生の息子の冷ややかな視線だ。その「生意気なガキ」への苛立ちが、目の前の無力な少女を汚したいというどろどろとした欲望へと形を変える。
「……着てるもの全部脱いでこっちに来なさい」
和世は指先を震わせながら、スカートに指をかけた。
男のどろりとした視線が、和世の震える指先に突き刺さる。屈辱に唇を噛み締めながら、和世は言われるがままに服を脱ぎ捨てていった。最後に残った純白のパンツを足首まで下ろしたとき、彼女の体は無防備に、その未成熟な肢体を冷気に晒した。
「そこに横に寝て。」
コンクリートの上に敷かれた、固い段ボール。和世が横たわると、男はその上から覆いかぶさるようにして、使い古された剃刀を取り出した。
冷たい金属の刃が、和世の敏感な恥丘に触れた。ひやりとした感覚が背筋を走り、彼女の体はびくんと硬直する。
「動くんじゃないよ。……切れたら痛いからな」
男の欲望を含んだ吐息が近くで聞こえる。ジョリ、ジョリ……と、静まり返った倉庫に不快な振動音が響き始めた。
和世は、固く閉じていた目を薄く開けた。視線の先には、天井でゆらゆらと揺れる裸電球がある。フィラメントのオレンジ色の光が、網膜に焼き付いて離れない。
(……見ちゃだめ。……何も考えちゃだめ……)
ジリジリと、肌の上を刃が滑っていく。一本、また一本と、自分の一部が奪い去られていく感覚。剃られるたびに、むき出しにされていく肌の感触が、恥ずかしさと絶望を交互に連れてくる。
電球の光を見つめ続け、涙がこぼれ落ちるのを必死に耐える和世。その横で、男は息子に対する劣等感を埋めるかのように、執拗に、そして嗜虐的に刃を動かし続けた。
剃り上げられ、青白く剥き出しになった和世の肢体は、倉庫の冷たい空気の中で無防備に晒されていた。
男は、執拗なまでの執着で一本残らず産毛を刈り取ったその成果を眺め、満足げに鼻を鳴らす。そして、震える和世の脚を割るようにして、厚く湿った手を内ももの奥深くへと差し込んだ。
「……ここにくるのを、誰にも見られてないだろうね?」
男の濁った声が、静かな倉庫に低く響く。内ももの過敏な肌をまさぐる指先の感触が、和世の脳裏に泥のような不快感を植え付けていく。
和世は視線を天井に固定したまま、涙で霞む裸電球の光をじっと見つめ、小さく、機械的に頷いた。
「まあ、いい。どのみち、そっちから誘ってきたんだしな。自分から服を脱いで、こんな格好で寝転がったんだからな……」
男は、自分の卑劣さを上書きするように、歪んだ論理を吐き捨てる。
男の指が、剃りたての滑らかな肌を這い、さらに奥へと侵入してくる。電球のフィラメントがチリチリと焼ける音だけが、彼女に残された唯一の現実だった。
「ほら、もっと力を抜いて……。学校では見せられない恥ずかしい顔たっぷり見せてみろよ」
男は下卑た笑みを浮かべ、和世の反応を愉しむように、その手の動きをさらに卑猥に、より執拗に深めていった。
ようやく解放され和世は帰宅すると、洗面所へ駆け込んだ。
蛇口を全開にし、刺さるような冷水で何度も、何度も手を洗う。石鹸を泡立て、爪の間まで真っ赤になるほど擦り落としても、男の出した体液の臭いは消えない。
「……っ……」
さらに、和世は何度も口をゆすいだ。男のモノの感触が胃の奥まで汚しているような気がして、吐き気がこみ上げる。鏡に映る自分の顔は、剃り上げられた無毛の恥辱に耐え抜いた結果、生気を失い、真っ白に強張っていた。
「和世、どうしたん。そんなに躍起になって……」
背後から声をかけたのは、父親の隆だった。和世の異常な様子、赤く腫れ上がった手、そして何より、その瞳に宿る拭い去れない絶望を、彼は見逃さなかった。
隆に厳しく問い詰められ、和世はついに震える声で事の次第を告白した。
「あいつ……!なんてことを……!」
激昂した隆は、手にしていたものを投げ捨て、怒りに任せて家を飛び出した。相手は近所の酒屋の男だ。隆の背中は、愛娘を傷つけられた父親の義憤に満ちているように見えた。
和世は、嵐が去るのを待つように自室で膝を抱えていた。
(お父さんなら、きっと……)
どこかで、自分の受けた屈辱を晴らしてくれるのではないかという、かすかな期待があった。
しかし、数時間後に玄関が開く音がしたとき、聞こえてきたのは怒声ではなく、下卑た笑い声だった。
「おーい、和世!見ろ、こんなにたくさん貰っちゃったぞ!」
部屋から出てきた和世の目に飛び込んできたのは、酒のケースをいくつも抱え、顔を真っ赤にして上機嫌で千鳥足を踏む隆の姿だった。
「いやあ、酒屋も話が分かる人でなあ!これも全部、和世のおかげだ。」
父親の口からは、先ほどの怒りなど微塵も感じられない。
男から「示談」という名目の酒と金を受け取ったのか、あるいは和世を売ったのか。
上機嫌で酒瓶を開ける隆の姿を見つめながら、和世は悟った。
自分を汚した男も、それを酒に変えて笑っているこの父親も、自分にとっては等しく「汚いもの」に過ぎないのだと。
和世は無言のまま、再び洗面所へと向かい、今度は耳を塞ぐようにして、さらに激しく水を流し続けた。
数か月後に中学生になった和世は、友人と連れ立って初めて原宿の街を踏んだ。竹下通りの喧騒、色鮮やかなファッション、そして自分たちの住む街にはない刺激的な空気。少し背伸びをして歩く和世の前に、一人の女性がスッと立ちはだかった。
「……ねえ、ちょっといいかしら」
声をかけてきたのは、芸能事務所『サンライズスター』のマネージャー、菊池夕夏だった。洗練された都会的な雰囲気を纏った彼女の視線は、和世の顔立ちをじっと射抜くように見つめている。
「あなた、すごくいい目をしているわね。……今度始まる新しいドラマがあるんだけど、オーディションを受けてみない?」
菊池が差し出したパンフレットには、当時社会現象になりつつあった特撮アクションドラマ『ハイスクール刑事』の文字が躍っていた。
「主演は西野夕貴さん。あなたには、そのクラスメイト役として華を添えてほしいの。清純さと、どこか影のあるあなたの雰囲気……今の芸能界に足りないものだわ」
和世の脳裏に、あの日の倉庫の光景、裸電球のオレンジ色の光、そして酒に酔いしれて笑っていた父親の姿がフラッシュバックする。
自分を汚し、踏みにじった大人たち。
もし、あの「汚い世界」から抜け出せる場所があるのだとしたら。
「……私が、テレビに?」
「ええ。今のあなたじゃない、別の誰かになれるチャンスよ」
菊池夕夏の誘いは、和世にとって救いの蜘蛛の糸のように見えた。
かつて無毛にされ、尊厳を奪われたあの少女が、今度は「女優」という光を浴びる仮面を被り、新しい人生を歩み出そうとしていた。和世は震える手で、菊池の名刺を受け取った。
原宿でのスカウトという夢のような話に、帰宅した和世がその出来事を伝えると、父親の隆と弟は「和世がテレビに?」と目を丸くして驚いた。しかし、梨本家の台所事情は、あの日の酒屋の一件以来、さらに悪化の一途を辿っていた。
母親はその後も膨らみ続ける多額の借金という重荷を抱え、家計は今にも破綻しそうなほどに膨張していたのだ。
そんな困窮しきった梨本家に、どこで聞きつけたのか「豊松企画」という会社がコンタクトを取ってきた。
そこはサンライズスターのような華やかな芸能事務所ではなく、より肉感的で即物的な価値を求める「モデル事務所」であった。現れた担当者は、隆の顔を見るなり、有無を言わせぬ条件を突きつけた。
「和世さんがうちに所属して仕事をこなすというなら、奥さんの借金の返済、我々が肩代わりすることを検討してもいいですよ」
その言葉は、どん底の家族にとって抗いようのない甘い蜜だった。
隆の目が卑しく光る。和世の意思よりも先に、家族の視線が「金」へと向けられた。
和世は、自分のデスクに置かれた菊池夕夏の名刺を見つめた。
西野夕貴のクラスメイト役——それは、彼女が心の底から憧れた「まっとうな光の世界」へ続く唯一の道だった。
(……でも、私が断ったら、この家はどうなるの?)
和世は、かつて自分の身体が酒へと変わったあの日の絶望を思い出す。自分が犠牲になれば、この家族は救われる。彼女は震える手で菊池夕夏の連絡先を破り捨てた。
「……菊池さん、ごめんなさい。私、別のところに行きます」
和世は、光り輝くはずだった女優への道を自ら断ち切り、家族の負債を背負って、豊松企画という泥沼のような世界へと一歩を踏み出す決意を固めた。それは、かつての倉庫での剃毛と同じく、彼女の意思とは無関係に「商品」として扱われる日々への序曲であった。
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(2020年05月28日)
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