体験談(約 40 分で読了)
なぜこうなったあん4(3/4ページ目)
投稿:2025-06-02 06:35:55
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本文(3/4ページ目)
「いえ……」
曖昧な愛想笑いを浮かべるが、世話焼きな同僚は気遣わしげにのぞき込んできた。
「次の授業は……、一年二組ですか。気を遣いますよね、彼女がいると……」
訳知り顔で頷く相手に、水無瀬はキョトンとする。一体誰のことを言っているのだろうと疑問が浮かぶが、すぐに答えに思い至った。
きっとおそらく、綺咲姫子のことだ。一年二組の悩みの種=姫子だという共通認識が、教師の間では出来上がっている。
「ええ、そうなんですよ」
相手をするのも面倒臭かったので、適当な相槌を打つ。納得したようにべらべら喋る相手から視線を外し、水無瀬は窓の外を眺めた。
綺咲姫子。地元では名を知らぬ者のいない綺咲グループの令嬢で、我が校の理事の孫。
彼女のいるクラスの授業を受け持つことが決まった時に、教頭から「くれぐれも、粗相のないようにしてくださいよ」と口酸っぱく言われた。たかが小娘の顔色を窺うなんて馬鹿馬鹿しいにも程がある。水無瀬は内心そう思ったが、一応は神妙に「分かりました」と頷いてみせたのだった。
教頭の口ぶりから、姫子は自分の立場に甘えて増長した問題児なのだろうと思っていた。しかし、実際に接してみると、彼女の立ち居振る舞いには育ちの良さが窺える。
授業態度は真面目だし、良い意味でクラスを引っ張っていくようなリーダーシップもある。特別扱いはしないようにしようと意気込んでいた水無瀬が拍子抜けしてしまうくらいの「普通」の優等生だった。
言いたいことを言って満足したのか、同僚は「トイレトイレ」と言って席を立つ。
その後ろ姿をぼんやり眺めながら、水無瀬はもう一度ため息を吐いた。水無瀬の悩みの種は姫子などではない。
今日から始まる水泳の授業について、懸念事項が二つある。
一つは、二組の生徒の早嶋渚沙の存在だ。問題児という意味では、姫子よりよっぽど気がかりな存在だった。
どういうわけか、授業への意欲が低く、やる気がない。入学当初は明るい生徒だったが、最近ではわざと手を抜いているとしか思えない態度が続いている。流石に度が過ぎているので何度か叱責したが、反省している様子はない。
担任の杉江に相談しても、「渚沙に限ってそんなことないと思うけどなあ」と煮え切らない返事しか返ってこなかった。
プールでは危険が伴うので、渚沙が問題行動を取らないか心配でならない。やる気のない彼女なら、水着を忘れたと言ってサボったりするかもしれないが、むしろその方がありがたいくらいだった。
そして、もうひとつの懸念が……。
正面に座る中年男性教師は目が合うと、ニタリと気味の悪い笑みを浮かべてきた。
思わずゾゾ、と鳥肌が立つ。
そんな水無瀬の内心を知ってか知らずか、「いやー水無瀬先生。次の水泳の授業、楽しみですなあ」とねっとりした声で言ってくる。
この男は、男子の体育を担当している筒原だ。水泳の授業は男女合同なので、筒原と二人で受け持つことになる。
水無瀬は頰がヒク、と引き攣るのを感じた。先輩教師に当たるこの男は、尊敬できる部分が何一つとしてない。
教師としてはそつなく授業をこなしているようだが、人間性は最悪だった。体育教官室では、生徒の容姿について「あいつは不細工」「あいつは将来いい女になりますよ」などと下品な品評をする声が頻繁に聞こえてくる。教頭など、目上の人間がいる場所では猫を被っているくせに、水無瀬のような年下の女性教師に対しては露骨に下品で粗暴な一面を覗かせてくるのだ。
以前、飲み会で泥酔した筒原に「水無瀬先生、彼氏いるの?」と聞かれたことがある。
その質問の意図が分からず、「いませんけど……」と答えると、「じゃあさ」と馴れ馴れしく肩に手を回された。ゾッとして振り払おうとしたが、筒原は「まあまあ」と酒臭い息を吹きかけてきた。
流石にその時は我慢がならず、「セクハラですよ」とキツく抗議したが、悪びれる様子はなかった。
一緒に水泳の授業を受け持つということは、彼の前で競泳水着を着なければならない。一応生徒の前では真面目な教師を装っているようだから、妙なことはしてこないだろうが、それでも不安は拭い去れない。
「もうそろそろ、行きましょうか。着替えるのにも時間がかかりますからねえ」
耳障りな猫撫で声で、筒原が促してくる。黄ばんだ歯を見せてニヤニヤするその顔が、水無瀬にはまるで地獄の悪鬼のように見えた。
いつも馴れ馴れしい態度の筒原だが、今日はいつにも増して楽しげだ。
(まさかコイツ……、女子生徒の水着を楽しみにしてるんじゃないでしょうね……)
まさかとは思うが、この男ならあり得る話だった。普段から女子のルックスにあれこれ言っているくらいだから、ロリコンの気もあるのかもしれない。
なんでこんな男が教師をやっているのだろう。水無瀬は、内心でもう一度ため息を吐いた。
◇
三十歳を過ぎ、体型の崩れが気になってきている。数年前から着用している競泳水着が、何だかキツく感じられるようになってきた。
こんな格好を筒原に見せるのは憂鬱だ。だが、そろそろプールサイドに行かないとならない。普段生徒達に厳しく言っているのに、遅刻したりしたら示しがつかない。
水無瀬は覚悟を決め、更衣室を出た。
プールサイドには、既に生徒達が集まって整列していた。
水無瀬はそれを少々奇妙に思う。確かに、時間前に集合しておくようには言っていたが、それにしても少しばかり早いような気がする。違和感はあったが、別に悪いことではないのでそのまま生徒達に近づいていく。
筒原はまだ着替えの途中なのか、姿が見えない。
「早いね、皆」と声をかけるが、生徒達の反応は薄かった。水無瀬の声が聞こえていないというわけではなさそうだが、どこか心ここにあらずといった感じで、意識が別の方に向いているようだ。
一体何なのだろう。集団の正面に立ち、原因を探ろうとする。生徒の顔を眺めていくと、必然的に早嶋渚沙に目が止まる。
水無瀬は、気づいたらぽかんと口を開けていた。
(……え?)
多くの生徒が紺色の水着を身につけている中、渚沙は眩しいばかりの白を纏っていた。
ただ、それだけであれば水無瀬も驚きはしなかっただろう。問題は、その水着が異様なデザインだったことだ。
水着のサイズは明らかに小さく、女子の中でもやや小柄な渚沙の体には全く合っていない。窮屈そうに肌に密着する水着は、体型をくっきりと浮かび上がらせている。発育の遅い渚沙は胸の膨らみもほとんどなかった。
サイズが小さいだけでなく、胸元は大きく開き、下半身も大胆にカットされている。グラビアアイドルが着るのならまだしも、幼い少女の体格にはまるで似合っていない。少なくとも、学校の授業で身につけてくるような代物ではない。
渚沙は顔を真っ赤にして体を縮こませて、恥じらいに耐えている様子だった。
そのあられもない姿に、水無瀬は言葉を失っていた。
だが、やがて怒りが込み上げてくる。まさか、授業を妨害する目的でこんな水着を着てきたのだろうか。だとしたら、許しがたいことだ。
「早嶋!」
ここ最近感じていたストレスもあって、水無瀬は厳しい声を上げた。渚沙の小さな体がビクッと跳ねる。
感情的になることは抑えようとしても、自然と語気が荒くなってしまう。
「前に出てきなさい!」
怒鳴りつけると、渚沙はオロオロと生徒達の顔を見回す。やがて、観念したようにおずおずと前に出てくると、水無瀬と向き合った。
◆
(あ、ああ……や、やっぱり……怒られる……)
水無瀬の剣幕に、渚沙は身をすくませた。
前に出てこいと言われ、竦む足をなんとか前に進める。通り過ぎ様に、姫子に「その水着はやばすぎでしょー」とからかわれる。自分で用意したくせに、まるで他人事のような姫子を恨めしく思うが、今はそれどころではない。
「これはどういうこと!」
水無瀬が語気を荒らげて聞いてくる。渚沙は、唇を噛んで俯いた。
針の筵だった。すぐ後ろには、男子も女子も、クラスメイトが全員並んでいる。後ろ姿をはっきりと見られてしまっていると思うと、かあっと頰が熱くなる。後ろ半身も前と同様に大きく生地がカットされており、背中や尻たぶが丸見えになっている。つるんとした尻が、プールサイドの照明に当てられてテカテカと光っていた。
「な、なんなのその水着は!」
間近で改めて渚沙の姿を確認し、水無瀬はぎょっと目を見開いた。化け物を見るような目で、渚沙の水着姿を見つめている。
「……」
羞恥と不安で、泣き出したくなる。渚沙はこの場から消え去ってしまいたかった。
「答えなさい!どうしてそんな水着を着てきたの!」
俯いたままの渚沙に痺れを切らしたのか、水無瀬は怒気を含んだ声で問い詰める。
渚沙はそれでも何も言えず、唇を噛んだ。
後ろを振り向かなくても、姫子からの圧力を感じる。下手な答えを口にしようものなら、後で何をされるか分からない。
握りしめる手には汗が滲み、膝が震える。
それでもこのまま黙っていたら、水無瀬はますます怒りを強めるだけだろう。渚沙は重たい唇を動かした。緊張で喉はカラカラに乾いていた。
「あ……あの……その……」
自分のものとは思えない、か細い声。自分の弱々しい声を聞いて、目に涙の膜が張る。
水無瀬は、苛立たしげに渚沙の言葉を待っている。早く答えなければと焦るが、なかなか言葉が出てこない。
「その……あの……」
「何よ!はっきり言いなさい!」
水無瀬の剣幕にすっかり怯んでしまった渚沙は、唇をわななかせるばかりで何も言えない。
地獄のような空気を破ったのは、ここあの呑気な声だった。
「なんかー、早嶋さん普通のスクール水着はダサすぎるから、お洒落な水着を用意するって言ってました!」
渚沙は、「え?」と気抜けた声を漏らす。
恐る恐る、振り返る。ここあは真面目の皮を被ったような表情をしていた。
「……え……あ、そ……」
混乱しきった様子の渚沙が何とか答えようとするのを遮って、姫子が早口で続ける。
「なんか、好きな男子が同じクラスにいるから、セクシーな自分を見て欲しいとか言ってたよね」
姫子の発言により、クラスメイトの間には一体感が生まれた。一緒に渚沙をいじめて良いという許しを得たような気になって、「ああー」という同調の吐息が漏れる。
「確かに、そんなこと言ってるの私も聞きました!」
「やめた方がいいよって止めたのに、結局着てきちゃったんだ……」
「私だったらあんな水着来てこれないよ」
「つーか、渚沙が好きな男子って誰のことだよ!」
「え?もしかして俺か?」
クラスメイトは口々に渚沙をからかい、笑い合う。
収拾がつかなくなりそうな気配を感じたのか、水無瀬はパンパンと両手を叩いて「静かに!」と怒鳴り生徒達を黙らせた。
水無瀬は青筋を立て、渚沙を睨みつけている。
渚沙は恐怖で心臓を鷲掴みにされ、今にも窒息してしまいそうだった。水無瀬はすっかりクラスメイト達の言い分を信じてしまっている。元から嫌われてはいたが、完全に渚沙の敵となってしまった。
今、水無瀬の目には渚沙は破廉恥な格好をわざとしてきた露出癖のある少女にしか見えていないのだろう。
渚沙がいくら否定しても、言い訳としか受け取られないに違いない。水無瀬は顔を真っ赤にして怒っているし、クラスメイトもそれを囃し立てている。もう、何を言っても無駄だろう……。
「あんた、私のこと馬鹿にしてるの?前から授業の邪魔ばっかりして!そんなふざけた水着で授業受けるなんて、いい加減にしなさい!」
水無瀬が一喝すると、渚沙はビクッと身をすくませる。その反応は生徒を叱るというラインを超えて、ヒステリックにすら感じられる。
(こ、こんな格好……、自分でしてくるわけないのに……)
理不尽な怒られ方をして、渚沙は悲しくなってくる。涙が込み上げてくるのを、瞬きを繰り返して必死に堪えた。
「なんなのよ、その水着!あんた気づいてる?毛がはみ出てるのよ!恥ずかしいと思わないの?」
水無瀬の指摘に、渚沙は頭がクラクラとしてきた。
布面積が小さすぎるせいで、股間に食い込む水着は、少女の大事な部分を全て隠すには至らない。薄く伸びた陰毛が水着の横から飛び出している。渚沙自身それには気づいていたが、教師の水無瀬にそれを指摘されるのは、ショックが大きかった。
何度も布を引っ張って隠そうとしたのが、無駄な足掻きだ。後ろからくすくす笑いが漏れる。「ケツ毛も生えてね?」と言われて咄嗟に尻を手で隠すと、それが余計に笑いを誘った。
屈辱のあまり全身がブルブルと震える。
水無瀬は尚も怒りが収まらないのか、唾を飛ばしながら怒鳴り続けている。
「そんな格好で泳がせるわけないでしょ!目障りだから早く着替えなさい!今日の体育は見学させます!あとで反省文を……」
延々と怒られ続けながらも、渚沙はどこか安堵を覚えていた。
やはり、水無瀬はこのまま授業を受けさせるつもりはないようだ。こんな破廉恥な格好から逃れることができる。教師からの命令だったら、姫子も何も言えないはずだ。
ヒートアップし続ける水無瀬の声を遮るように、ガラガラとスライドドアを開く音が響き渡った。
「まあまあ水無瀬先生。ちょっと落ち着いてください」
男子更衣室から出てきたのは、男性教諭の筒原だった。体育教師らしく引き締まった肉体に、ブーメランパンツを履いただけの格好だ。日焼けした体を見せつけるように、ゆっくりと水無瀬と渚沙の間に割って入ってくる。
筒原は男女ともに生徒からの評判は悪く、本人に聞こえない程度の声で誰かが「げーっ」と呟くのが聞こえた。
「別にその水着で泳げないわけでも無いでしょう。水泳の授業は回数が限られてるんだし、無理に見学させるのも可哀想ですよ」
「で、でも筒原先生……」
どういう訳か、筒原は渚沙を庇うようなことを言い始める。水無瀬も先輩である筒原にはあまり強く出れないようで、どこか遠慮がちな様子だ。
「早嶋も、せっかく水着を用意したんだから泳ぎたいよな?」
筒原は渚沙に水を向けると、ニカッと笑った。その笑顔はどこか爽やかさすら感じさせるが、目だけはいやらしく光っている。
「え……あ……」
筒原の眼光に射抜かれた渚沙は、思わず後ずさりをしてしまう。
主に男子の授業を受け持っている筒原は、渚沙とはほとんど接点がなく、言葉を交わすのは初めてに近かった。
親しげな口調で話しかけられたが、渚沙はどこか恐怖心を感じる。背丈が高く、体もガッシリとしている大人の男性。そんな筒原に、一瞬ではあるが爪先から頭までを値踏みするように見つめられた気がしたのだ。特に、ピッタリと生地の張り付いた胸元を。
まさか、そんな訳がない。百歩譲って、同級生が自分を嫌らしい目線で見てくるというのならまだ分かる。
だけど、筒原先生は大人で、自分は子どもだ。性的な目で見られるなんて、そんなはずがない。
渚沙の中で、混乱がぐるぐると渦を巻く。
怖い。理由の説明できない恐怖心が、渚沙の全身を強張らせる。
「あ、あの……私……」
呼吸が上手くできない。心臓が痛いくらいにバクバクと鳴っている。
どう答えればいいのか分からず、渚沙は救いを求めるように水無瀬の顔を見上げた。だが、彼女は筒原に気圧されているのか、さっきとは一転して黙りこくっている。
「なあ……早嶋……」
もう一度筒原が口を開いた時だった。
渚沙の背後で、バタン、と音がした。床に何かが落下するような音だ。
驚いて振り向くと、女子生徒が一人床に蹲って苦しそうにしていた。
「だ、大丈夫?莉里」
「先生、比川さんが苦しそうです!」
周囲の女子が、心配そうにしている。
一体何が起こったのか。突然の事態に、渚沙も戸惑う。
「比川!大丈夫?」
慌てた様子で水無瀬が駆け寄って、少女の背中を擦る。
だが、莉里は返事をすることもままならないようで、「うぅ……」と呻くような声を上げている。
すぐに行動に移った水無瀬と対照的に、筒原は呑気に「あー、大丈夫だろ。多分貧血じゃないか」などと呟いている。
「とりあえず、保健室に連れてってあげた方が良いんじゃないですか、水無瀬先生。急に怒鳴り出すもんだからびっくりしちゃったんでしょう」
暗に水無瀬を責めるようなことを言いながら、筒原は肩をすくめる。感情的になりすぎてしまった自覚のある水無瀬は、普段の威厳をすっかり無くしていた。
莉里の肩を抱き、起き上がらせる。
「授業は私が見とくんで、大丈夫ですよ」
筒原は水無瀬にそう言った。少し躊躇した様子で、水無瀬は頷く。
「じゃあ……よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げ莉里を気遣いながら、水無瀬はゆっくりと更衣室の方へ向かっていく。
水無瀬と莉里がすぐ目の前を通り過ぎたその瞬間。渚沙の背筋はゾッと凍りついた。
すれ違いざま、莉里は少しだけ顔をあげてペロっと舌を見せてきたのだ。さっきまでの苦しそうな表情が嘘のよう。その目には、渚沙に対する嘲りが浮かんでいた。恐らく、その表情の変化に気づいたのは渚沙ただ一人だろう。
「授業中、水無瀬はもう戻ってこないから」
渚沙の背後に立っている姫子がボソッと呟く。
(ま、まさか……)
渚沙は、愕然とした。姫子の意図をようやく理解したからだ。
きっと、莉里が仮病を使ったのも姫子の差し金なのだ。水無瀬をプールの外に連れ出す為に。
水無瀬は厳格な性格だ。このまま渚沙がこんなはしたない水着でプールに入ることは絶対に認めなかっただろう。それは、ある意味で渚沙にとっては救いだった。姫子はそんな僅かな希望を完全に摘み取る為、莉里に仮病を使わせ、水無瀬を授業から遠ざけたのだ。
姫子の狡猾で、容赦のないやり方に、渚沙は全身から血の気が引いていくのを感じた。
(本当に……私が何をしたっていうの……)
他人に嫌われた経験のなかった渚沙は、姫子の悪意にただ打ちひしがれるしかなかった。
そして、プールに残った教師は得体の知れない筒原だ。
さっき、彼に向けられた視線は何かの間違いだったと思いたい。だが、今となってはそれも分からない。
「じゃあ、そろそろ始めるか!準備運動から始めるぞー!」
騒動など始めからなかったかのような調子で、筒原は授業を始める。
生徒達が少し感覚を開けて起立し、準備体操が始まる。
屈伸、腕回し、伸び……。身体的負担はそれほどかからないそれらの運動の最中、渚沙は汗だくになり、息を荒くしていた。
露出した素肌は赤く染まり、じっとりと湿っている。
小さすぎる水着は、体を動かすと余計に食い込んでしまう。股間に走る布地が、ぎゅっと渚沙の恥ずかしい割れ目に食い込む。
屈伸をすると、尻は半分以上露出してしまい、肛門周りを隠すのがやっとの有様だ。
腕を伸ばすと、産毛一つ生えていない綺麗な腋が丸出しになる。窪みにも汗が浮かんでおり、ほんのりと芳香を放っている。
一部の男子は渚沙の腋を見て、ゴクリと唾を飲み込んでいる。
「軽くジャンプしろ!」
筒原の指示で、一斉にその場で飛び跳ねる。
渚沙は生地がずれてしまわないか気が気でなく、端を摘みながらジャンプをしていた。それが男子達の欲情を尚更刺激することになど気づいていない。
バストは揺れるほどのボリュームはないが、尻は足の動きに合わせてプルプルと震えている。鷲掴みしたくなるような柔らかそうなふっくらした尻は、僅かに紅潮してまさに食べ頃の桃のようである。
一番先頭にいる為、クラスメイト全員の視線から逃れることはできない。ちょっとでも手を抜こうものなら「早嶋ー、ちゃんとやれー」と筒原のゆるい叱責が飛んでくる。
クラスメイト、とりわけ男子達は渚沙の尻を眺めながら露骨にニヤニヤしている。中には「すげープリケツ」などと渚沙を辱めるような言葉まで聞こえる。
渚沙は耳まで赤くして、早く終わって欲しいとひたすらに念じた。
筒原は男子達の態度を咎めたりはしなかった。それどころか、渚沙の方をチラチラと見ては、わざとらしく咳払いをしている。
(やっぱり、この先生……私のことを……い、嫌だ……怖い……)
もはや、勘違いや思い過ごしでは済まされない。筒原は渚沙のことを、性的な目で見ているのだ。大人の男性に欲望を向けられるのは、ただただ恐ろしい。相手は、自分の父親と同年代くらいだろう。遠慮なく向けられる眼差しに、渚沙は涙を浮かべてひたすら耐えるしかなかった。
「本当だったら真面目に授業をする予定だったけど、水無瀬先生も戻ってこないし、皆にはまずプールに慣れて貰いたいしな。今日は自由にプールを使って遊んでくれ」
準備体操が終わった後、筒原はそんなことを言い出した。生徒達はわっと湧き立つ。重苦しい表情を浮かべているのは渚沙ただ一人だった。自由に遊ぶ……、それ以上恐ろしい言葉は、今の渚沙には思いつかない。
「ちょっと良いですか、先生」
そんな中、姫子が手を挙げて筒原に声をかける。
「ん?どうした、姫川」
「私、早嶋さんの泳ぎを一回見てみたいです!」
渚沙はもはや絶句するしかない。姫子はこれ以上何を企んでいるのだろう。
生徒達は渚沙の哀れな姿にすっかり夢中になってしまっていて、姫子の言葉に賛成する者も多い。
反対意見を言う勇気もなく、渚沙は黙って俯くしかなかった。
気になっているのはただでさえ少ない布面積が、バタ足などの激しい運動で更に小さくなってしまわないかということだ。
特に、股にぴったりと食い込んでいる部分なんかは……。
「なんだ、早嶋は泳ぎが上手いのか。それじゃあ、みんなのお手本として25メートル泳いでみてくれ」
筒原は奇妙な流れに疑問を呈することもなく、渚沙にそう言った。あらかじめ姫子との間で何らかの打ち合わせがあったのか、あるいは有力者の令嬢である彼女に忖度したのか、真相は分からない。
だが、教師にそう言われては渚沙には逃げ場がなかった。
周囲からの視線に追い立てられるようにして、水泳キャップを被り、ゴーグルをつけた後、渚沙はいそいそとプールの中に入る。顔は隠れてしまうが、少女の美しさはそれでもはっきりと分かる。
生徒達は、渚沙の一挙手一投足を見落とさないようにと注視している。それでも、ひとまず水の中で体を隠すことができて、渚沙は少しだけほっとした。
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