官能小説・エロ小説(約 5 分で読了)
残酷な(女装)美少年のテーゼ(第二話)
投稿:2022-01-12 02:21:45
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本文
川口俊也(34)は都内男子高で数学を教える実直で真面目な教師。妻(31)と5才になる娘と暮らす。そんな川口が恋をした。ある休日の昼下がり。書斎で書き物をしていると、玄関のチャイムが鳴った。しばらくすると、バタバタと娘が入ってきた。「お父さん、お客さんだよ!きれいなお姉…
上原光とのメールのやり取りから数日後のことである。
今度はスマホに電話があった。
「今、話せますか?」
「ああ...大丈夫だよ」
話せますか?って、上原は何に気を使っているのだろうか?
妻のことか?男女の仲じゃあるまいし、、まるで、相手の妻に気を使う浮気娘みたいじゃないか。
確かに上原が訪ねて来た日、妻は上原を前に緊張して様子のおかしい私の顔を不思議そうに見ていた。
でも、その後は何も疑っていないようだ。考えてみれば、私のような真面目な男が、男子生徒と恋に陥るなんて間違っても思わないだろう。
そうだろうか?女のカンは鋭い。
上原にも女性的感性があり、妻の様子にそれを感じ取ったのかもしれない。
「先生、あの写真見てくれましたか?気が付いたと思いますけど、あれ、ボクなんです...」
「うん、分かってるよ。けっこう美人に映ってるけど、上原にはそういう趣味があったのか?」
「ええ?先生が“上原はかわいいし、女装したら似合うと思うよ”って言ってくれたじゃないですか。先生のあの言葉が忘れられなくて...」
「そうだったね。でも、今度逢う時、まさか女装して来ないだろうね?それはちょっとまずいかもしれない」
「大丈夫ですよ。ボクだって女の子の格好で外に出る勇気はないし、男だってバレるのもこわい。先生だって教育者が浮気してるようで嫌でしょ?」
上原は女装して外を歩いてもバレることはないだろう。どんな女性より美しく、誰もそれが男だとは夢にも思わないはずだ。それにしても、元教え子と逢うことに何も問題あるはずもないのに、川口はまるで浮気するような罪悪感がある。危険な匂いがする。
話は二週間後の土曜日の昼過ぎに逢う約束になった。誰に見られるか分からないので、自宅や学校からかなり離れた街のファミレスで逢う。
「先生、嬉しいです。楽しみにしてますから!」
上原にしては妙に明るくテンションの高い声で嬉しそうに電話を切った。
“先生が上原はかわいいし、女装したら似合うと思うよって言ってくれたじゃないですか...”
そんなことを言っていたな。
確かにそうだった。
川口は又、去年のことを思い出す。
ある教室の片隅で、上原が井上に抱きつかれていたのを目撃した数日後。
そっと、川口は上原を呼び出した。
「この間の井上とのことだけど、イジメを受けていたわけじゃないよな?」
本当はセクハラと言いたいところだったが、男子生徒同士だ、イジメという曖昧な言葉でごまかした。
上原はうつむいたまま黙っている。
「話したくなければ、無理にとは言わないが、、私にはイジメに見えた。井上のような真面目な生徒がそんなことをするようには見えないのだが、一応、彼の担任の耳にも入れておく」
「違うんです、先生!ボクだって悪かったんです。井上君は真面目に...」
やはり、二人は同意の元だったのか?
「そうか...聞きにくいことだけど、、君たちは所謂恋仲なのかな?恋愛は自由だけど、校内では控えてほしい。他言はしないから安心していいよ」
井上に嫉妬を覚えた。
「先生、誤解しないでください!そういうことじゃないんです」
その訴えかける表情があまりにも美しく、川口はドキッとした。
それから、ポツポツと上原は話し始めた。その告白は意外なものだった。
上原光はイジメを受けていた。
否、イジメというよりセクハラと言ってもいいかもしれない。
その話しによると、上原は複数の同級生から悪戯されていたらしい。あるものは“お前、女みたいだな。確かめようぜ”と言いながら、胸や股間を触ってきたり、自分の股間に手を当て“上原、ここ触ってくれないかな”と、卑猥な行為をしてこようとするものもいた。そのどれも上原は拒絶した。
「そうか、、それは酷い話だな。毅然とした態度でいれば、そのうち彼等も諦めると思うのだが。まだまだエスカレートするようなら相談に来なさい。うまく対処するから...」
「そんな悪戯してくる人たちとは別に、真面目に告白してくる人もいたんです。その一人が井上君で、ボクも彼には少し興味があったので..」
やはり、二人は惹かれ合っていたのか?川口の井上に対する嫉妬心は益々強くなっていった。
上原は続けてこう言った。
「でも、ボクには他に好きな人がいるので、はっきり伝えようと彼を呼びだしたんです。男同士だし、井上君の好意は嬉しいけれど、最後に軽いキスぐらいならいいから、それで諦めてほしいって伝えたんです」
その後、キスしようと井上に迫られると上原は怖くなり、身体が拒絶して背中を向けた。背後から抱き抱えられた時に川口が入ってきたそうだ。
川口は“他に好きな人がいる”と言った上原の言葉が気になっていた。
「上原、ゴメンな。私はあっちの世界のことは無知なのだが、きみはゲイじゃないか?と、疑っていた。だから、どうアドバイスしていいか?分からなかったんだ。でも、普通に好きな女の子がいると聞いて安心したよ」
上原はうつむいていた。
そして、訴えるような目で言った。
「先生!ボクは何故、男子に悪戯されたり、言い寄られたりするんですかね、、ボクに隙があるんですかね?」
真剣な眼差し。ぞくり!とした。
「う~~ん、、上原は自分では気付いていないかもしれないが、女の子みたいにかわいいし、うちは男子高なので、中にはちょっかいを出したくなる生徒もいるんだと思う。きみは女装すればかなり似合いそうだしね...」
上原の目の色が変わった。
「女装?先生もボクがかわいいと?」
「ごめん、ごめん!気を悪くしたら謝るよ。変なこと言っちゃたね」
上原光が憂いを帯びた眼差しを向けてくる。再び、ぞくり!と、した。
「先生!さっき、ボクは好きな人がいるって言いましたが、それは女の子じゃなくて、大人の男の人なんです...」
「・・・」
「ボクが好きな人の名前は“川口俊也”ボクが好きなのは先生です!」
「え?ええ...」
上原光はジィ~っと、川口の表情を窺うと言った。
「先生、ごめんなさい。奥さんもいるのに、こんな男子生徒から告白受けて迷惑でしょ?気持ち悪いと思うけど、軽蔑しないでくださいね」
泣きそうな表情のまま、上原は教室を飛び出していった。
衝撃の告白だった。
それから、上原が卒業するまで川口は苦悩した。はっきりと、自分が上原に惹かれていることは自覚している。
告白を受けてもどう接していいか分からない。常に上原の視線を感じ意識していた。進学指導以外では、上原を避けていたかもしれない。
勉強のよく出来た上原は希望の大学を現役で見事に合格した。
卒業式の数日前に川口は上原を呼びだした。このままではまずいだろう?
「大学合格おめでとう。それから、私はどう接していいか?分からなかったので、冷たい態度に写ったかもしれないね。謝りたい。でも、上原の好意は嬉しかったけど、私はノーマルな男なんだ。分かってほしい」
「分かってます。先生もお身体を大事にして下さい」
上原はそう言うと、にっこり微笑んだ。モナリザのような神秘的な微笑みではなくはっきり明るく笑った。ゾクゾクするほど美しい美少年だ。
川口は抱きしめたい衝動に駆られた。
残酷な天使のように少年よ神話になれ♪
そして、卒業式から半年が経ち、上原光は突然自宅に訪ねてきた。
恋い焦がれていた、魔性の美少年は、魔性の美少女の写真をメールに込め、川口を誘惑しているのか?
二週間後、上原光との初デートが待っている。危険な匂いを感じながらも、川口の胸は高鳴るのだった。
「」#ブルー
上原光との約束の日が来た。卒業した教え子と食事するだけなのに、川口は多少の後ろめたさがあった。自分は何を期待して上原に会いに行くのだろうか?「ちょっと、知人に会ってくる...」妻にそう言い残すと、川口は車で約束の場に向かうのだった。土曜日の昼下がり。指定されたファ…
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(2020年05月28日)
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