体験談(約 33 分で読了)
僕と亜樹......白い世界に、二人の情熱。《完》(2/5ページ目)
投稿:2020-02-16 12:13:18
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本文(2/5ページ目)
道流「家族ぐるみの付き合いってやつだ」
亜樹「そういうこと。さて、晩御飯まで時間があるから、ひとっ風呂入って来ようかな」
道流「一人で?」
僕はニヤニヤと笑った。おそらく亜樹は、そんな僕に呆れた気持ちを抱いているだろう。
亜樹「変態」
そう言うと、亜樹は僕を横目に浴槽に向かった。どうやら、今はそのときではなかったようだ。
僕は残念に思いながらコテージを出ると、体いっぱいに伸びをして、大きく息を吸い込んだ。
山の空気は本当に美味しい。
当たり前のことだが、都会にいれば嫌でも聞こえる雑音が、ここではまるで聞こえない。
耳を澄ますと、近くで川が流れているのか、水の音がヒーリングミュージックのように聞こえる。それに、周りの景色はコテージと森、そして雪だけだがとても落ち着くし、ここの時間は穏やかに進んでいる気がする。まるで僕と亜樹、二人だけの世界にいるのかと勘違いしてしまいそうになる。
しばらくの間、僕はウッドデッキで目を閉じながら、自然の中に身を委ねていた。
―――
夕陽が山々の影に落ちていく頃、コテージの中で僕は叫んだ。
道流「ああっ!」
その声に、亜樹は驚き体をビクッと動かした。
亜樹「何何っ!?どうしたの!」
道流「ご飯がない!」
亜樹「......え?」
亜樹はすっとんきょうな声を出すと固まった。
道流「亜樹、忘れてたよ!」
すると、亜樹は両手をパンと合わせて、
亜樹「そうだ!ここ自炊なんだ!」
道流「そうだよ〜すっかり忘れてた。はぁ、今から山を下りないと」
亜樹「えぇ!?どれくらいかかるの?」
僕は地図を開いて、ルートを指でなぞっていった。
道流「............三十分から、一時間くらいじゃないかな」
亜樹「凄い誤差があるけど?」
道流「細かいことは気にしない!ほら、行くよ」
黒いソファーから腰を上げて促した。
亜樹「私、お腹が空き過ぎて力が出ないの」
道流「なにアン○ンマンみたいなこと言ってるんだよ。ほら、亜樹」
僕は正面に座っている亜樹を抱え上げた。
道流「はい、立てたよ。もうちょい頑張ろ。お酒いっぱい買ってあげるから」
その言葉に反応したのか、亜樹は目を見開いた。
亜樹「お酒!日本酒!行こう行こう!」
亜樹はダウンジャケットを羽織るなり、一目散にコテージから出て行った。
僕は、やれやれとため息をつきながら、その後ろ姿を追いかけた。
そして、僕達が車に乗ろうとしたときだった。
ちょうど隣のコテージから、ぞろぞろと三人の中年男性が出て来て、僕に気づいた。
男性「おうこんばんわ。こんな時間にお出かけかい?」
三人の中のリーダー各だろうか、のそのそと歩きながら、大きなお腹を揺らしていた。
道流「はい。実は、晩御飯を買い忘れてしまったので、これから買い出しです」
男性「ははは!奇遇だな!実は俺達もなんだよ。まいっちゃうよなーホントに。道は知ってるのかい?良かったら、後ろについて来な。案内してやるから」
男性は野太い声を出した。
道流「本当ですか!助かります」
僕は軽く会釈をすると、男性達に続き車を発進させた。
山を下りながらしばらく走ると、街の明かりが見えて来た。僕が予想していたよりも随分早く着いたようだ。
亜樹「お酒ーお酒ー!」
亜樹は隣で口うるさくお酒という単語を連呼していた。
遠くから見たときはわからなかったが、結構大きなスーパーだ。駐車場もかなり広く、停車位置は建物から離れてしまった。
男性「兄ちゃん!帰りは大丈夫か?」
車を降りるなり、男性が気遣ってくれた。
道流「はい大丈夫です!わざわざありがとうございました!」
再度僕が会釈をすると、男性はにっこりと笑い、連れの人達とスーパーに歩いて行った。
亜樹「なんか、元気な人だったね」
道流「多分亜樹と一緒で、このあとが楽しみなんだよ」
楽しみという言葉が亜樹をはっとさせた。
亜樹「お酒〜!」
あらためてわかった。今度から亜樹を怒らせてしまったときは日本酒を用意して、晩酌をしてあげれば万事解決できるだろうと。
さっそく店内に入ると、僕はカートを押して食材を探しに向かった。ちなみに亜樹はお酒コーナーにまっしぐら。素直な妻だとしみじみ感じた。
本来なら気合いを入れて豪華な食卓にしたかったが、あまり時間がかかると、亜樹が我慢出来ずにお酒に走ってしまうと思ったので、とりあえず程度にまとめることにした。
そのときにパッと思い浮かんだのがシチュー。僕は野菜と鶏肉、ルーをかごに入れた。そして、忘れてはいけない。お酒を飲むと言うことは、おつまみだ。
だが、僕が踵を返そうとしたとき、亜樹はすでに両手いっぱいにおつまみと日本酒を持って、後ろからやって来た。
道流「本当に?」
思わず声が漏れた。華奢な体に童顔な顔。可愛らしい見た目とは裏腹に、両手に持っている物は実に不釣り合いで不似合いだ。
亜樹「マジです」
ドヤ顔だった。
道流「......さすがですね」
ただただ苦笑いを浮かべるしかなかったが、ルンルン気分な亜樹の後ろに、さきほどの男性がやって来た。
男性「はははっ。お嬢ちゃん凄いね」
男性は亜樹の姿に驚いていた。それはそうだ。夫の僕でさえ驚愕なのだから。
そのまま視線は亜樹の顔へと向けられ、
男性「おっ!お嬢ちゃんえらいべっぴんさんだね」
亜樹の顔を上から覗き込むように見た。
亜樹「そうですか。ありがとうございます」
亜樹は恥ずかしいのか、うつむいてしまった。
男性「俺、お嬢ちゃんみたいな子タイプなんだよ。なぁお兄さん。良かったら晩飯食べたあと、一緒に飲まないか?うちは男だけで暑苦しいからさ、どうだい?」
僕は亜樹の顔を見たあと少し悩み、
道流「お誘いはありがたいんですけど、妻と相談してから決めさせていただきます」
男性「そうかそうか。そりゃ突然だから困るわな。じゃあ待ってるから、いい返事を頼むわ」
男性は、また野太い笑い声を上げた。
男性「おっそうだった。俺は五十嵐。よろしくな」
五十嵐は僕の返事を聞くことなく、そのまま振り返り行ってしまった。
亜樹「元気で愉快で、フレンドリーな人なんだね」
道流「話す度に、印象が増えていくね」
僕と亜樹は笑った。
そして、晩御飯の材料、お酒、おつまみ。目的の物が揃うとお会計を済ませてスーパーを後にした。
コテージに帰って来ると、僕はさっそく支度にとりかかった。
亜樹は寒かったのか、ソファーの隣に置いてあるストーブに両手を突き出して暖めていた。
亜樹「道流。まだ?」
道流「さすがにまだだよ。もうちょっと待ってね」
僕に鍋に野菜などを入れながら答えた。
亜樹「さっきのお誘いどうする?」
道流「僕は構わないんだけど、亜樹は?せっかくの二人旅だし断ってもいいよ」
僕の言葉に対して、亜樹はなかなか返事をしなかった。僕は鍋に蓋をして振り向くと、
亜樹「......ねぇ、変なこと聞いていい?」
亜樹はストーブの火を眺めていた。
道流「ん?いいよ」
亜樹「私、あの人ともセックスするの?」
突然の言葉に、僕は唖然とした。
亜樹「もし、道流が見たいなら......」
僕はすぐに、亜樹を後ろから抱きしめた。
道流「ううん、大丈夫だよ。今はそんなこと思ってないから。嫌ならしなくていいよ」
その言葉に嘘はない。僕は確かに、亜樹のセックスが見たいと思ってる。でもそれは、僕が願い亜樹がしてもいいと認めてくれることが前提だ。
亜樹「嫌なら?じゃあいいよって言ったら?」
亜樹の言葉は、まるで僕の心を見透かしたようだった。
道流「......亜樹、どうしたの?」
亜樹「なんか......なんだろうね。......私ね、今したいって思ってる」
道流「どういうこと?」
亜樹「ごめん道流。お酒飲みに行こ」
亜樹は振り返り、僕に瞳を向けた。
道流「それは......構わない、けど......」
情けないほどに曖昧な返事をしてしまった。
亜樹「それでね。私がすることを、私の姿をちゃんと見てほしいの」
僕は、亜樹の意図が理解できなかった。急にどうしたの?そんな思いでいっぱいだった。
道流「......わかった、約束する。でも、危険だと思ったらすぐに止めるからね」
亜樹「うん。ありがとう」
―――
晩御飯も食べ終わり、僕と亜樹は隣の五十嵐のコテージに向かった。
ただ、一つ気になったのは、亜樹が部屋を出る前に服を着替えたのだ。
胸元が開いているニットに、さきほどはパンツだったのをロングスカートに。
僕の頭が理解できないまま、体だけが反応して期待していた。それに多少だが、その期待の中に興奮も混じっている。
僕がドアをノックするとドアが開き、五十嵐が暖かい空気と共に顔を出した。
五十嵐「おぉ!待ってたぞ!さぁ、むさ苦しいところだけど入って来れ!」
部屋は僕達のコテージと同じ内装だった。
テーブルを中心にして、四方に四つのソファーが置いてある。どれも二人掛けだ。
五十嵐「じゃあ紹介するな。こっちのガリガリ眼鏡は安田。そんでもう一人のデブは後藤だ」
僕達も返すように名乗り、会釈をした。
後藤「うん。よろしくね。でも、ちょっと待ってくださいよ。デブって五十嵐さんもでしょ?」
五十嵐「俺はデブじゃなくて、メタボだ!」
安田「一緒でしょまったく。こっちこそよろしく」
三人の印象は柔らかくて、取っ付きやすいと思った。
五十嵐「何一人だけいい顔してんだよ!亜樹ちゃん、ちなみに安田はこんなオッサンだけど、童貞なんだよ」
すると、安田は顔を真っ赤にした。
安田「五十嵐さん!今そんなこと言わなくていいでしょ!」
五十嵐は高らかに笑った。
後藤「ごめんねお二人さん。こんな俺達だけど、楽しんでいって」
後藤がかしこまって言った。
道流「はい。じゃあお言葉に甘えて」
僕達はソファーに腰かけた。
五十嵐「俺は亜樹ちゃんの隣だ。ははは!」
五十嵐はすこぶる上機嫌だ。そんな様子に、安田と後藤はため息混じりの息をはいた。
僕達はさっそく乾杯をした。僕と亜樹が同じソファーに座り、斜め隣に五十嵐、そして僕の正面に残りの二人が座る形となった。
どうやら三人は仕事の同僚で、この三連休にスキーをしにやって来たのだとか。
五十嵐「へぇ、じゃあ亜樹ちゃんはスキーが得意なのかい?」
亜樹「はい。スノーボードもできますよ」
二人はグラスに入れた日本酒を飲みながら意気投合していた。
五十嵐「可愛い顔してるのに、なんか格好いいな!」
亜樹「ありがとうございます」
会話も弾んでいるようで何よりだった。
ちなみに安田と後藤は、あまりお酒が強くないのか、二、三杯飲むと口数が減ってきて目がトロンとしてきた。
五十嵐「ったく。眠いならとっとと寝ろよ!せっかく二人が来てくれてるって言うのに」
五十嵐が見かねたのか、亜樹との会話を止めて、二人に一喝した。
道流「いえ、気にしないでください」
安田と後藤の二人は、僕達にごめんねと言うと、ベッドがあるロフトに梯子をつたって上って行った。
五十嵐「悪いね」
道流「いえいえ」
亜樹「あまりお酒が?」
五十嵐「普段は強いんだがね、疲れもあるんだろうよ」
五十嵐はグラスを手に取ると、一気に喉に流し込んだ。
五十嵐「それにしても、亜樹ちゃんは可愛いね。一杯注いでもらえないかな?」
グラスを差し出すと亜樹がすぐに応じた。
亜樹「どうぞ」
五十嵐はありがとうと一言口にすると、お酒をまたグビグビと飲んだ。
五十嵐「二人はもう長いのかい?」
おそらく結婚してからという意味だと僕は思った。
亜樹「はい。と言っても五年ですけど」
僕は亜樹の横顔に視線を向けた。
五十嵐「ふふ。やっぱり女だな。俺は夫婦としてのことを聞いたつもりだったが、その感じだと、出会ってからだろ?」
亜樹「そうですけど......」
え?と亜樹は僕の顔を見た。
道流「僕も結婚してからだと思ってた」
亜樹「え?そうなの?私は出会ってからだと思ったから」
五十嵐「男と女は色んなところが真逆って言うからな。俺の別れた女房もそんな感じだったよ」
哀愁を漂わせる雰囲気に、僕達は言葉が出せなかった。
五十嵐「おっと、せっかく二人と飲んでるってえのに、しみったれちゃしょうがないよな。ほら、道流君も飲みな」
その後は、亜樹が期待するようなことも、僕が思い描いていたことにもならなかった。
亜樹はなんであんなことを言ったんだろうか。僕はなんで期待したのだろうか。
僕がいて、亜樹がいて、そして相手がいる。いつもなら、ここで亜樹が抱かれて僕がオナニーする場面だ。
ただただ楽しい時間を過ごしている自分が変に感じ......不思議な気分だった。
―――
僕と亜樹が自分達のコテージに戻って来たのは、飲み出してから二時間ほどが経っていた頃だった。
道流「亜樹、こっちを向いて」
僕は亜樹の背中に話しかけた。
亜樹はクルっと勢いよく振り向き、
亜樹「ごめんなさい!」
何故か謝った。
道流「え?違うよ。僕はそんな、何も思ってないよ」
僕があたふたとしているとき、亜樹は無言で僕の手を掴むと、自分の股に運んだ。
道流「亜樹?」
僕はすぐにロングスカートを捲って、パンティを避けて秘部に指を当てがった。
道流「......濡れてる」
その濡れ方は僕でさえ驚いた。
亜樹「ずっと想像してたんだ。私があの三人とセックスをしたら、道流は私に興奮してオナニーしてくれるのかなって」
道流「するに決まってるよ!......あっいや、それはそれでおかしいか」
僕は笑ってしまった。
その姿につられるように、亜樹も吹き出した。
亜樹「ははっ、本当におかしいよ。でも、ごめんなさい。浮かれてたのかな、なんか自分でも不思議な気分だったんだ。別に疼いてたわけじゃないのに、したいって」
亜樹の匂いには、普段とは違うお酒の匂いもほんのり混ざっていた。
おそらくそれだけが原因ではないだろうけど、浮かれているのは僕も同じ。スキーのとき、亜樹に怒られたことが何よりの証拠だったと思う。
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