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【高評価】僕らは3年間も、お互いおかずにしあっていた。片思いだと思っていた女性社員との話(1/2ページ目)

投稿:2024-02-25 00:03:59

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原 作(はらさく) ◆JgdGY4I

「休憩にしよっか」

ホテルの前でそれを言うのはせっくすの前触れに感じた。

僕は、地方へと出張に来ていた。

駅近にそびえるホテルを同じ部署の女性と横並びになり見上げる。

長細いビジネスホテルには、四角い窓がずれることなく列になるように連なり夜を照らしていた。

明かりを見る限り、かなり空いてそうだ。

あの明かりの中にせっくすをしている人もいるのかと考えると羨ましくなった。

「もう入っちゃおっか」

石口里絵(いしぐちりえ)さんは、僕よりも4つ年上の28歳の女性だった。

前下がりのショートカットがよく似合っていて明るい性格で社内でも好かれている。

細い体型であるが、成熟している身体つきに見える。

腕や脚はすらりとしているが、引き締まるような肉つきに包まれているようでスーツの袖から見える手の白い肌から蒼白い血管が伸びている。

女子高生や大学生などとは類比しない大人の身体だった。

「石口さん今日も、同じ部屋ですか?」

「そうだよ」

「渡くん、平気だよね?」

渡(わたり)君と呼んでくれるのは、会社内で、この人だけだった。

普段は呼び捨てかお堅い、さん付けで呼ばれることが多い。

勿論それがビジネス的には正しいのだろうが、石口さんの君付けは妙に僕の心を直接触われるような感覚になる。

「一緒で大丈夫というか、一緒がいいかもしんないです。」僕は声を絞り出すように石口さんへ返した。

「わたしでよければまた話聞くからね」さっぱりと返ってくる返事に少しホッとする。

「まだ彼女さんと別れられない?」

「はい」

「最近、夜の行為がもう、、しんどくて」

ホテルのフロントもさっぱりとした装飾でタッチパネルなども見当たる。

ホテルスタッフからキーカードを受け取って、僕と石口さんは、エレベーターで11階へと登っていった。

僕の心臓の鼓動が、強くなっていく。

付き合っている彼女と別れたい理由は、過度なモラハラだった。

いつしか夜の行為中にまで文句を言われる日が続いていた。

それを相談したのが、今隣にいる石口さんだった。

そこまでしなくてもと言わんばかりに優しく僕を慰めてくれた。

いつしか石口さんへと片思いして3年くらいが立っている。

なんで別れないの?と直接聞かないのが石口さんの優しさだった。

エレベーターの進む速度が遅い、まだ5階かと思っていると石口さんが静寂を破った。

「取引先にいるってなると別れづらいね」

その通りだった。

「そこがネックで…、それに加えて新井さんが…」

「いつもおっきい声で渡くんに茶化してるよね。」

新井さんは僕の先輩にあたる人で大柄な体型で図々しい男性で、波長の合う人だったが口が軽いのが難点な人だった。

「だから、会社の皆、僕が取引先の人と付き合ってるのもバレてるし…今新井さんも僕の彼女と結構仕事での交流が増えてるらしくて…。」

「尚更だよね。ラブラブだなぁっ〜渡〜!話聞いたぞ〜!って言われてるよね」

石口さんの声真似に思わず笑いそうになりながらもエレベーターが合図を鳴らして開いた。

「言われます…」

「その度に、渡くんわたしに助け求めるよね」小さく微笑んで、石口さんが僕へとクレームをつけるように言った。

「もし別れたら、わたしもできる限りフォローするからね」

「助かります!」

「でも、まだ別れられなさそうな感じです…、」

「そっか。」どこか悲しそうに石口さんは言った。

僕がモラハラで傷つくのがそんなに悲しいのだろうか。

ホテルへ入ると大きなサイズのベットが2つあり、僕は奥の方のベットに腰を下ろした。

石口さんはバスルーム側のベットにそっと座る。

「そういえば石口さんて、…するんですか?1人のときとか」僕は唐突だが、聞いてみた。

「いつも僕ばっかり、性の…悩み?みたいの聞いてもらってるから…。」

あっけらかんとした石口さんは、目を泳がしながらもそっとスーツを脱いだ。

僕らはベットを隔てて向かい合っている。

白のインナー1枚になった石口さんは鎖骨まわりの肌が大胆に見える。

柔らかそうな素材のインナーは、すこしたるんでいて控えめな胸の膨らみのせいか余裕をもたせていた。

「気になる、?」

戸惑ったように聞く石口さんと目が合った。

何度見ても大きな瞳だと思った。ツヤのある唇は薄紅色の光彩を放っている。

柔らかそうな髪の毛は暗い茶色で落ち着いた色をしている。

「まぁ、まぁ気になるといえば気になるかもしんないです。」

「そうだよね」

石口さんが、両手をベットにもたれるように、楽な格好になる。

「わたしは…、けっこう毎日かも」

「…え?」

けっこう毎日?一瞬そのワードに頭を捻らせて、僕は固まってしまう。

「あっー…するんですね、石口さんでも…。」僕は胸の高鳴りを抑えつけて聞く。

「でもってなに」石口さんは頬を緩ませて場を和ました。

「誰かを想像してみたいなってことですか?」

「うん。そんな感じかな」

僕はお門違いなショックを受けた。

石口さんには想ってる人がいる。

初めて聞いた。

「わたしはね、その人に突かれたい。好きな人同士で気持ちよくなりたい」

「たったそれだけだよ。」

たったそれだけとは、どうゆう意味だろうか。拭えない嫉妬心が溢れながらも僕は平常心を保った。

「いつ頃からですか?」

「3年くらい前かな、」

そう言うと石口さんは、沈んでいた血相を華やかにして、気を取り直してと言わんばかりの視線を僕へと向けてきた。

「わたしのことなんて、いいからさ!渡くんの話聞かせて。」

「あぁ…。」

僕はおもむろに、彼女との性行為について話した。

濡れないだったり、やり方に文句を言われたりして挙げ句の果てに下手と言われてショックだったことを石口さんへと相談する。

ただ、石口さんはやたらと、どんな風に突くのかを聞いてくるのが不思議だった。

「ゆっくり奥にって感じです。」

「へぇ〜、そっか」

石口さんは普段から頻繁に顔が赤いから、照れてるのか主張で疲れているのがわからなかった。

顔を火照らしながら、どうにも僕へと心酔してくるような眼差しは、よからぬ期待をしてしまう。

「渡くんみたいに彼女がいれば、ひとりでしたりは無いんでしょ?」

決めつけないでくれと思いながらも、僕は「しますよ」と即答をした。

「へぇ〜、するんだ…。」

「彼女がいるのに?」

「いるからこそっていうか」

自分でも何を言っているかわからなくなった。

「渡くんはたまに1人でしたり?」

「あっ、いや僕も…」

「割と毎日に近いですよ、仕事でくたびれてる日はしないけど…。」

石口さんは明らかに顔を桃色に染めて僕をじっと見つめた。

大きな瞳と端正な顔立ちに心が掴まれそうになる。

「わたしもこの年で、こんなに毎日すると思わなかった。」

そういって、石口さんはバスルームの方へと歩き出した。

誰を想像しているんだろうと僕は沈みながら、石口さんの先お風呂入りなという言葉を合図に僕はバスルームへと入って鍵を閉める。

抑えきれない股間を掴みながら浴槽の中で立ってカーテンを閉めた。

僕は石口さんの顔を思い浮かべた。甘い眼差しと丸くふんわりまとまった綺麗な髪の毛。

すらっとしているが成熟した体型に、控えめな胸を思い浮かべる。

石口さんが毎日している行為を想像しながら僕は腕を動かして、シャワーカーテンへとめがけて射精をした。

僕は何事もなかったのようにシャワーで流した。

石口さんにはちゃんとした好きな人がいる。

今日の話も水に流して忘れようとも思った。

朝ホテルを出てから休憩なしの2日目だった。

僕らは疲弊しながらも、夜の21時を回ったとこでホテルへ入り、エレベーターをかけ上がり部屋へと入った。

会話もなく僕はベットに寝転んで、石口さんは息を整えながらベットへ両手をつきリラックスをしていた。

「渡くん、お風呂入って」

「石口さんからでもいいですよ、僕あとでも」

「それは、一応だめだと思うからさ」

「僕は石口さんのあとでも気にしないですよ、別に何の関係もない女性だから」

僕はすこし強く言ってしまった。

案の定、石口さんは少し顔を強張らせていた。その顔もどこか弱々しい。

「女として見てないってこと?」

「いや、そういう意味じゃないですよ。」

「…ごめんなさい」

石口さんは口を閉ざし、立ち上がり、着替えを用意し始めていた。

「でも、興味があったらまずいでしょ僕が」

「…わたし先入るね」

僕への問いかけに返すことなく石口さんはバスルームへと入っていた。

かすかに聞こえるシャワーの音だけが部屋で響いた。

気づけば、僕はベットで寝ていた。

部屋は見渡すと真っ暗だったが、僕の周りはなんだか明るい。

僕の方の照明がついてた。

慌てて消して、またつけた。

時間を見ると深夜の2時だった。

早く寝たせいか中途半端な時間に起きてしまった。

僕は尿意がきたのでトイレへをしに、立ち上がる。

隣を見ると布団がベット全体を覆うようになっていた。石口さんの顔は見えない。

いるのかどうかもわからなかった。

バスルームに手をかけて、扉を開き便器へと座った。

尿を済ましてから数分その場にとどまった。

自然と股間が、勃っていく。

握ろうとしたときわずかにシャワーカーテンが揺れた。

思わず声をあげそうになる。

思えばなんでシャワーカーテンが閉まってるんだと疑問に感じる。

確か開けっぱなしのままお風呂を出た記憶がある。

「…あ」

「渡くん?」

カーテン越しに聞き馴染みのある響きが広がる。

深夜だからか小声でやや低くも、うっとりした声だった。

「石口さん?」

「…うん、」

僕は、勃ったものをおさえてズボンを上げた。

カーテンを開けるとシルクのパジャマ姿の石口さんがいた。

「どうしたんですか?」

えらく戸惑った様子で、石口さんは困惑している様子だった。

「えっと…、シャワー浴びようかなって。」

服を着ながら!?と思わず心で叫んだ。

「服着ながらですか?」

気づけば言葉に出していた。

石口さんは根気負けしたように俯いた。

「ごめん、しようとしてた…。」

聞かなくても何をしようとしてたかは分かった。

「…渡くんは、トイレ?」

「はい、おしっこしたくて」女性におしっこと言うのは如何なものかと、言ってから心の中で反省をした。

「それにしては、何か長い気がしたからさ、」

核心をつくような石口さんの言葉に僕も正直に白状をした。

「俺もいま、ひとりでしようかなって…、」

「思ってました。」

「そっか…」

石口さんは特別驚かずあっさりと受け入れた。

「誰かを…妄想してかな…?」

僕は、返答に困った。

返答に困ったけど、すぐに口を開いた。

「石口さんです」

「わたしも、渡くんで。」

時間が止まるというのはこういうことかと実感した。

仕事でミスが発覚した時の焦りに似ている。

「どうして、僕なんですか…。」

「どうしても何も理由はないよ、一緒にいる時間が多ければ自然とそう思っちゃうのは、しょうがないんじゃないのかな。」

「それは僕以外にも言えることだと思いますよ…。」

「ううん、渡くんには色々とそういう話含めて頼られてるって感じがしたから…。」

僕は少したじろいでしまう。

昨日の言葉も思い出す。

「突かれたい…とか好き同士でしたいって、」

「僕のことですか?」

図々しい聞き方だと思った。

いつから僕が石口さんより上にたったのだろうか。

「そうだよ」

涼しい風が耳を通り過ぎるようだった。

なんの躊躇もなく石口さんは認めた。

「ほんとはね。お誘いしたいと思ってたよ。でも会社でもあの雰囲気だからさ」

ゆっくりと浴槽で立ちながら、石口さんは話した。

身体つきは女性らしく普段は年上としか思えなかった。

ただ、今は非力で弱々しい石口さんの性格が、年下のように僕を錯覚させる。

どうして石口さんが僕をおかずにしているのか、理解できなかった。

「渡くんは、取引先に彼女が…いるでしょ。別れられないと思うし」

「…はい。」

バスルームの狭い空間は僕と石口さんで埋め尽くされている。

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(2020年05月28日)

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