体験談(約 6 分で読了)
初桜と共に散る、僕の知らない君【前編】
投稿:2025-06-13 03:00:41
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これは純愛でもなく、激情でもなく、美談でもなく、盗られた者の独白にすぎない。
高校時代、僕には付き合っている女の子がいた。
名前は「E子」。地味で真面目、いつも静かで、目立つことのない存在だった。
誰かと騒いだり、大きな声で笑ったりすることはなく、休み時間は静かな子たちの輪の中で、オタク談義を小声で楽しんでいるようなタイプだった。
でも、僕は知っていた。
授業中ふいに前を向いた時、横顔に宿る無防備な穏やかさ。照れて下を向いた時、口端に見えるわずかな犬歯。
そして、控えめな見た目に反して、制服の布越しにも伝わりそうなE子の身体の柔らかな輪郭。
付き合うよりずっと前、僕たちはただの友達だった。
出会いは高校一年の春、まだクラスの空気も落ち着かない頃。
宿泊研修の自由時間、同じ中学だったD子を誘って話していた時、D子に一緒になってついてきたのがE子だった。
あの時のE子は、ただD子のあとをついてきただけのような感じだったけれど、不思議とその存在が記憶に残っている。
本格的に言葉を交わしたのは、もっと後のこと。
ある日の放課後、部活に顔を出す前、たまたま教室に残っていたE子と二人きりになった。
今では思い出せないくらい他愛ない話をした。
その日、僕達は連絡先を交換した。
その日から、夜になるとE子から電話が来るようになった。
最初は、勉強のことだった。
数学の問題が分からないとか、英語の単語帳をどう覚えているかとか。だ
けど、話しているうちに、今日の学食がどうだったとか、英語の先生の口癖がどうとか、くだらないことばかりになっていった。
E子は電話の向こうでは少し饒舌で、時折くすっと笑う声が入る。そのくせ、教室では静かで。
どこかぎこちなくて、でもその不器用さがまた愛しく感じた。
ある時、E子から恋愛相談を受けた。
好きな相手は、同じクラスのA君だという。
A君は、僕もまあまあ仲が良かった。
だから、僕が間を取り持つ役を買って出ることにした。
ある日の昼休み、何気ない会話の流れでA君に
「好きな子とかいるの?」
と探りを入れてみた。
自然なふりをしながら、E子の話題を少しずつ混ぜた。
「E子ってさ、ああ見えて話すと意外と面白いよな」
なんて、さりげない褒め言葉を重ねてみる。
でも、その時ふと気づいた。
僕はただE子を褒めているんじゃない。
自分が、E子のそういう一面をちゃんと好きになっていたんだということに、言葉を口にしながら気づかされた。
そして日々を重ねても、E子の恋は進展しなかった。
A君はE子には関心がないようで、僕の遠回しな橋渡しも空回りするばかりだった。
それでも、僕とE子の関係は少しずつ近づいていた。
夜な夜な続く電話の中で、僕はいつしかE子に惹かれていた。
対面だと緊張して言えないことも、電話越しなら不思議と口が軽くなる。
「E子って、ほんと可愛いよな」
「その声、素敵だと思う」
そんな言葉を、冗談まじりに繰り返していた。
E子も、冗談だと受け取ってくれていた。
笑って
「やめてよ」
と言うE子の声が、嬉しかった。
けれど、ある晩。
いつものように冗談を言った僕に、E子は少し間を置いて、ぽつりと訊いた。
「……私たちって、付き合ってないよね?」
その声は、どこか真剣で、でも恥ずかしそうで。
僕は、一瞬言葉に詰まり、そしてようやくの思いで返した。
「……もし、付き合うのが嫌じゃなかったら……すごく嬉しい」
とても情けない告白だったけれど、彼女は笑ってくれた。
それからの僕たちは、二人だけの時間をより重ねていった。
夜の電話だけでは足りなくなって、放課後の帰り道や、彼女が、親の送迎の車を待っている間にも話をするようになった。
たまに彼女が自転車で帰る日は、道中ずっと電話を繋いだまま他愛のないことを話した。
「アイス買ったら、落としちゃってさ」
「マジ?もったいな〜」
とか
「大学生になったら髪染めたいんだ〜」
「え〜、俺は黒髪好きだけどな〜」
などの、そんな何気ない会話が、なぜか妙に愛おしかった。
通話越しに互いに見せ合うなんて事もあった。
彼女は恥ずかしがり、手や顔しか見せてくれなかったが、俺のを見て欲しいといったら拒否しなかった。
彼女にも性欲があると分かるだけで興奮できた。
教室でも、二人の距離は少しずつ近づいた。
ある放課後、人気のなくなった教室で、僕たちは窓際のカーテンにくるまりながら、小声で談笑していた。
外の光を透かす薄い布が、まるで別の世界に迷い込んだような心地よさを生んでいた。
「ここ、落ち着くね」
「うん、秘密基地みたい」
その時、偶然教室に戻ってきたクラスメイトに
「なにしてんの〜?」
と笑われて恥ずかしかった。
僕は笑われた事より、彼女の照れた時に見える、口端の歯の方が頭にこびりついて離れない。
それからしばらくして、僕は彼女の家に遊びに行く事になった。
初めて玄関をくぐったときの、ほんのり甘い匂いや、きちんと並べられたスリッパの景色を、今でも覚えている。
玄関を抜けて、階段を上がり、2階の彼女の部屋へ。
柔らかい光が差し込むその部屋で、僕たちは他愛もない話をした。
ゲームをして笑い合って、コントローラーを握る手の距離がやけに近く感じられた。
「…ちょっとだけ、勉強する?」
彼女はそう言って、机の前に並んで座った。
けれどノートはほとんど開かれず、僕の意識は、隣にいる彼女の呼吸ばかりを追っていた。
言葉もなく、僕は抱きしめた。
彼女は少し驚いたように肩を揺らしたが、拒むことはなかった。
首筋のホクロが、いやに僕を惹きつける。
唇が重なることもなく、ただ静かに、不器用に、彼女の胸の柔らかさと温かさを、服の中に手を入れて確かめた。
彼女の腰辺りに、ズボンとパンツを履いたまま、股間を押し付ける。
ベルトとは違う硬さ。
電話越しには伝わらない硬さ。
彼女の呼吸が少し浅くなるのを感じとった。
彼女の手を引き、ベッドの上に座る。
肌の温度を確かめるように触れ合い、見ることなく、指先で、ツンと尖った先端を、腹と胸の境界を、優しくなぞっていく。
指先からの感覚で想像し、服の中の手の動きが早まる。
しっとりとした肌。吸い付くような柔らかさ。しっかりと硬い先端。
僕のパンツの中では、暴発しそうなほど期待したソレが、痛いほどに勃起していた。
ゆっくりと触れる部位を下げていく。
誰も触れたことのない、彼女の中身を至近距離で見つめる。
太ももと割れ目の間の大きなホクロを指で優しく押しつつ、横に動かす。
ニチャと小さく音が鳴り、彼女の割れ目が少しだけ花開く。
指先で開き、口と舌で優しく確かめる。
ツンと主張するソレを、舌で転がし、優しく口付けする。
溢れ出る彼女の熱か、自分の唾液か。口内で混ざる塩味の液体が、僕の体を内側から突き動かす。
どれくらい彼女の足元にいただろう。
彼女は優しく手で俺を制止する。
「もう……親が帰ってくる時間だから……」
彼女はそう、切なそうな顔で言った。
キスもせず、服も脱がず、脱がさず、僕は彼女の内側の熱を味わった。
その日はそれだけで終わった。
帰り道、ズボンまで貫通するほどに溢れ出た我慢汁が、先端とパンツの摩擦を快感に変え、自転車をこぐ度に気持ちよかったのを覚えている。
帰り道の間中、急く必要は無い。これからもたくさんの時間がある。僕はそう思っていた。
手を繋いで外でデートも、キスも、服の下も、そのさらに内側の熱も。
全ては二人だけの思い出になるはずだった。
あの日以来、彼女の家に行くことはなかった。
僕は少しずつ受験に向けて本気になり始めていて、土日も模試や塾で埋まっていった。
一方で、彼女も彼女で、自分のペースで勉強を続けていた。
学校では会えたけれど、以前のように長く電話をする余裕もなくなっていった。
たまにメッセージを送り合っても、気がつけば
「今日も塾」
「そっちも頑張ってね」
という、すれ違いの確認だけで終わる日が増えていた。
土日がどちらかの予定で埋まってしまい、会おうと思っても簡単には重ならなかった。
受験の日々は容赦なく過ぎていった。
冬の寒さが少しずつ本格的になっていく中で、僕たちはついに、大学入学共通テストを迎えるまで、一度も会うことがなかった。
顔を合わせたのは、学校の下駄箱で偶然すれ違った一瞬や、廊下の向こうから小さく手を振り合うような場面だけ。
近くにいるのに、長く触れ合う事は無い。
そんなもどかしさを抱えたまま、時間だけが過ぎていった。
大学は、結局お互いに別の場所になった。
それでも志望校に合格できたことが嬉しくて、僕と彼女も所属していた、仲のいいグループ7人で、ささやかな合格祝いを開いた。
久しぶりに集まった仲間たちと、夜遅くまでカラオケではしゃいだ。
僕の知らないうちにカップルになっていた二人がいたり、歌が下手だと恥ずかしそうにしていた奴の歌が超上手かったりして、それはそれは賑やかで、楽しい夜だった。
二人で少しだけ部屋を出て、手を繋ぎながら談笑。
「春からは一人暮らしになるんだ」
と、彼女が笑って言った。
僕も同じように、一人暮らしの準備やら、サークル選びやら、何かと忙しくなっていく時期で。
これからしばらく、会えない日が続きそうだ。
そんな話を、少しだけ真面目な声で交わした。
別れ際、なんとなく期待を込めて
「今夜は、無理かな」
と聞いてみた。
彼女は、申し訳なさそうに笑って
「親が迎えに来るから」
と答えた。
その笑顔が、少し寂しそうで。
だから僕も、我慢できた。
春になり、大学生活が始まった。
新しい環境、新しい人間関係、慣れない講義や課題に、僕はすっかり忙殺されていた。
彼女も同じように、新生活に溶け込もうと必死で、バイトも始めたと聞いた。
何かと理由をつけては、会えない日々が続いた。
それでも、一度だけ。お互いのスケジュールの隙間を縫って、ほんの短い時間だけ会えた日があった。
その時のE子は、髪を染めていた。
明るすぎない茶色。
派手な印象はなかったけれど、黒髪に制服姿のE子しか知らなかった僕にとっては、それだけで少しだけ、知らない顔に見えた。
それでも、電話はよくかかってきた。
変わらず他愛ない話をして、声を聞くだけで安心していた。
だけれど。
どこか。
ほんの少しだけ。
E子の声が遠くなったような気がした。
気のせいかもしれない。
でも、そんな気のせいが、夜になると胸の奥で静かにざわついた。
以上、前編です。
寝盗られの序章って長い方が良いと聞いたので、頑張ってなるべく細かく書きました。
E子が最近結婚したと人伝に聞いたので、色々思い出しながら頑張って書きました。
ここまで書きましたが、ハッピーエンドではありません。
主人公は幸せになりません。
というか、誰も幸せになりません。たぶん。
頑張って後半まで書こうと、今は思っています。
お目汚し失礼しました。
高校の頃から付き合ってた僕とE子。ついぞ手を出さないまま大学の春を迎えた。そんなある日。午後二時過ぎ頃、E子からあるSNSでメッセージが届いた。「サークルの新歓行ってくるね!」#ピンク語尾の「!」#ピンクが、やけに明るく見えた。E子は大学の軽音サークルに所属したばかりで、前に…
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