ミニスカートの男の娘は、ノーパンでデートにやってくる。

彼女はドラえもんの静香ちゃんが大好きだという。だから、自分でも静香と名乗っている。

彼女？静香と名乗ってはいるが、素の静香は男子であり、所謂“男の娘”という人種なのだ。

静香と俺の関係は、高校時代の先輩後輩であり、同じ陸上部に所属していた。俺は短距離、静香は長距離を得意にしていて、私が1つ上の学年。

当時から美少女を思わせるような、性の判別が難しい中性的なやつだった。

卒業して5年程？

休日のある繁華街でのことだった。

「あ！坂口先輩ですよね？」

「・・・？」

ミニスカートから、スラリと健康的な脚が伸びている。栗山千明のようなロングヘアーが印象的な美少女が、俺を見てニッコリしている。

（だ、誰だ？）俺は記憶をたぐった。

「いやだなぁ~！坂口さん、、ボ、ボクですよ。高校時代同じ陸上部だった、広瀬彰彦ですよ...」

「お、おまえ、、女になったか...」

その少女の面影に、広瀬彰彦の走る姿が蘇った。驚くべき美少女に変身してはいるが、紛れもなくあいつだった。

その広瀬彰彦こそ、後に俺の彼女になった静香だったのだ。

同じ男同士で、先輩後輩の仲だったのに、その美少女を前に俺はドギマギした。これがあいつとは信じられない。

その日、2人は近くにあった居酒屋に入り、近況報告や懐かしい高校時代の話しをしたのだが、誰も目の前にいる少女が、本当は男子であることに気付いていないようだ。

「おまえ、本当にかわいいな。ニューハーフになったのか？」

「違う、違う、、ニューハーフっていうと風俗を連想するでしょ？まだ、童貞で処女だし、男の娘してまーす。」

静香はそう言うと、スマホに保存してある自分の女装画像を見せてくれた。

そこには清楚な美少女もいれば、エロそうな少女の姿もある。

「うわ！ソソるな。おまえの写真見てると勃ってきそうだよ...」

「ええ！嬉しい。実はボク、、高校時代から坂口さんのこと好きだった...」

半分ジョークのつもりだったが、妖しい雰囲気になってきた。

俺はゲイではないけれど、こんな美少女なら、それが男であっても構うもんか、という気になった。

それに“好き”だと言われれば悪い気はしないし、現に俺は男の娘になった広瀬彰彦を前にドキドキしている。

それから、ふたりの仲は急速に深まっていった。

童貞で処女だった静香は、俺が処女を奪ってやった。彼女（彼）は童貞を卒業する前に処女を喪失したのだ。

俺にしても、そんなに性体験が豊富でもないし、相手は男の娘なのだ。

男の娘とのセックスは難しい。でも、2人で様々な体位を試したり、時にはSM的なプレイをすることもあった。

静香が好きな体位は、騎乗位から対面座位に移り、俺が下から腰を突き上げると、彼女もその呼吸に合わせ腰を揺らす。2人の呼吸はピッタリだ。

最後はそのまま抱き合うと、ディープキスをしながらの正常位でフィニッシュを迎えるのだ。

静香は経験を積むにつれ、俺なしでは生きていけない身体になっていった。

そんな風に彼女の身体を開発してしまったことに、多少の罪悪感はある。

勿論、俺も彼女なしではいられない。

「静香がいるから、わざわざ風俗に行かなくて済むからな。ムラムラしたらお前を抱きに来る。それもただで...」

「そうだよ！ボクだって坂口さんのペニスが欲しくて欲しくて...。近いうちに同棲しない？」

（これが男同士の会話だろうか？）

そんなことを思い、心の中で苦笑するのだが、同棲は色々と面倒臭そうだ。

とはいっても、静香は美しくかわいいし、それにエッチでエロい。

こうやって、彼女の部屋にやってきては、セックスするのがいい。

気が付けばふたりの関係は1年になろうとしている。

静香はどんどんエッチになっていた。

そして、色々刺激を求めるのだ。

「ねえ！いつもインドアでのセックスばかりじゃマンネリだから、今度アウトドアでドキドキすることしない？」

「アウトドア？まさか、野外セックスじゃないだろうな？」

「うふふ...」

そのアウトドアが何を意味するかは分からない。が、静香ははいたずらっぽく笑った。何を考えているのだろう？

季節は初夏、次の日曜日だった。

俺は静香とK駅の改札前で待ち合わせした。彼女と外でデートするのは久しぶりだった。

スパイダーマンが観たいとのことで、映画を観に行く約束をしたのだ。

（彼女のいう、アウトドアとはこのことだったのか？インドアでのセックスばかりじゃ飽きてくるのも無理はない。ある意味、普通のデートもいいな）

俺はそう軽く考えていた。

約束の時間にやってきた彼女は、外で見てもやはり美少女のよう。

赤を基調とした、チェック柄のミニスカート。プリーツスカートだ。

上に白く清潔そうな半袖サマーニットという姿で静香はニッコリ笑う。

「おまえの脚はすらっとしてきれいだな。これが男とはなぁ...」

感心している俺を余所に、静香は幾分緊張しているように見える。

明らかに様子がおかしいのだ。

「静香、どうしたんだ？...」

彼女は俺に顔を寄せると、そっと耳打ちした。

「スカートの中、穿いてないの。坂口さん、しっかりガードして...」

「なにぃ~！ノーパンなのか？」

「・・・・」

「静香！そんな短いスカートで？...」

「坂口さん、デート中に勃っちゃったらどうしよう？見えちゃうかな？」

静香はそう言うと、バックで前を隠した。俺は言葉もない。

（続）

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