官能小説・エロ小説(約 17 分で読了)
【高評価】バイト先の先輩の娘さんとの、波乱万丈な恋物語(1/3ページ目)
投稿:2020-02-02 21:38:24
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※2022年04月19日:不具合を修正しました。
本文(1/3ページ目)
俺の名前は誠人(マサト)。
エッチな体験談に入る前に、先ずは、自分の生い立ちを語る事を許して貰いたい。
俺の両親は、俺が物心つかないうちに離婚し、親父の顔はおぼろげにしか覚えていない。
お袋はシングルマザーとして様々な仕事を渡り歩き、時に親父以上に厳しく、時に親父の分までも俺に愛情を注ぎ、苦しい家計を遣り繰りしながら俺をグレさせる事無く、立派に育て上げてくれた。
そんなお袋に恩返しがしたくて、俺は中学の進路面談で「今すぐ就職したい」と主張したのだが。
お袋に
「就職は何時でも出来るけど、勉強は今しか出来無い…今しか出来無い勉強をしておいて、損はないわ。大丈夫、貯金はまだ有るし
、イザとなれば奨学金なり、残業手当でどうにかするから…」
と言われては逆らう事は出来ず、公立高校を受験し、見事に合格した。
しかし、先述した様にお袋の懐が「火の車の一歩手前」とあっては、いつまでもお袋の脛をかじる訳にもいかず、俺は進学した高校の近くに有ったレストランでアルバイトを始めた。
母子家庭故に、小学校高学年から包丁を握っていた経験が活きるだろう、という考えだった。
しかし…
現実は甘くはなかった。
与えられた仕事は皿洗いやら店の掃除やらの、雑用ばかり。
加えて…
俺の指導に当たったのは、仮に「鉄さん」としておく。
サングラスをかけたら「ヤの字がつく人」としか言い様の無い強面。
ソレに加えて、仕事には滅茶苦茶厳しい人で、ミスをすれば容赦無く
「バカヤロー!コノヤロー!」
と怒声が飛んでくるのはまだ可愛い方だ。
お客さんの前で頭をぶん殴られた事は、一度や二度では無い。
今だから言えるが、俺は何度も心が折れかけた。
しかし。
お袋を楽にさせたい一心で、俺は鉄さんの厳しいシゴキに必死に耐えた。
加えて鉄さん自身も、仕事から離れれば気さくなオッサンで、叱られて落ち込んでいる俺に手づからまかない料理を作ってくれたり、休憩時間に下ネタで場を和ませたり、カミナリを落とした翌日に「あの時、どうすれば良かったのか」を、懇切丁寧に指導してくれたりした。
そんな鉄さんに、何時しか俺はまだ見ぬ親父の姿を重ね合わせていた…
そんなこんなで、バイトを始めて丸一年が経ち、漸く包丁を握らせてくれる様になった、四月最初の土曜日。
この店では、四月最初の日曜日は、従業員全員でお花見をする為に、臨時休業するのがお約束なのだ。
厨房の床掃除をする俺に、突然鉄さんが声を掛けてきた。
「おいマー坊(←俺の渾名)、掃除しながら聞け。お前、『運命の人』って、どう思う?」
「『運命の人』ですか…?居ても不思議ではないと、思いますが…」
「バカヤロ、『運命の人』ってのはな、眼の前に現れるんじゃねえ!自分の力で、『運命の人』に変えさせるんだよ!」
「…?」
「男と女の恋愛ってのはな、結局『惚れさせたモン勝ち』なんだわ。如何に相手に自分の事を、『運命の人』だと勘違いつーか、錯覚させられるかにかかってるんだな」
「そうなんですか…」
年齢=彼女居ない歴の俺は、突然始まった鉄さんの恋愛講座に、戸惑うしかなかった。
「良いか、マー坊。もし、好きな女が出来ても、絶対にがっつくな。寧ろ、どっしり構えて、女の気がこちらに向くのをひたすら待て。恋愛の主導権を握る為には『我慢出来る』力は必要不可欠だぜ、ハッハッハ」
「ハ、ハイ!わかりました!」
「ようし!なら、後は俺がやっておくからさっさと上がれ!」
とのお言葉。
「ハ、ハイ!失礼します!」
…
そして迎えた、花見当日。
正直、俺は気乗りがしなかった。
「折角の貴重な休日を、何でどんちゃん騒ぎに…」
が、オレの正直な本音だった。
「ハァ…」
と溜め息をつきながら、参道の階段を登り切ったところで。
「おーい、マー坊!コッチだコッチ!」
と、鉄さんの怒鳴り声が聞こえてくる。
しかし。
俺の目は、俺を呼び寄せる鉄さんの横でちょこんと体育座りをしている美少女に引き寄せられていた。
「え!?何、この女の子!?」
と、俺は戸惑っていた。
クリクリっとした、ちょっとタレ気味の大きな瞳に、ポニーテールにした綺麗な黒髪。
可愛らしい唇に、ぷっくりとしたほっぺた。
そして殆ど目立たない、二つの小さな膨らみに、強く抱き締めたら壊れてしまいそうな華奢な身体。
まるで、美少女アニメから現実世界へ飛び出して来た様な、俺の好みにどストライクな可愛子ちゃんを目の前にして、俺は言葉を失っていた。
「あの…始めまして」
と、のっそりと立ち上がった美少女が口を開く。
「私…鉄さんの娘の…節子って言います」
は!?である。
俺は一瞬。
鉄さんと、美少女を交互にガン見していた。
(この厳つい鉄さんから、こんな可愛子ちゃんが…???)
と、今にして思えば、かなーり失礼な事を想像していた。
「あ…俺…誠人。節子さん…宜しく」
「あ、誠人さん、ですね?あの…こちらこそ…宜しく」
ぎこちない初対面の挨拶を交わすと。
「くぉら、マー坊!なーに、鳩が豆鉄砲食らった様な阿呆面してんだ!さっさと座れ!」
と、鉄さんの怒号を食らい、俺は鉄さん親子と同じブルーシートに正座する。
「それじゃ店長…乾杯の音頭を、御願い致しやす」
鉄さんの言葉を受けて、ロマンスグレーで、
ちょっと小太りの店長がのっそり立ち上がる。
「皆さん…今日は日頃のストレスを忘れて、飲んで食べて、そして周りの迷惑にならない程度に騒いで下さい。それでは…乾杯!」
「かーんぱーい!!!」
と鉄さん及び、参加した先輩達は忽ち宴会モードに突入…。
乱痴気状態となった店長や鉄さん、そして先輩達に俺は、御酌をして回る。
「マー坊、気が利く様になったなぁ〜」
「い、いえ…」
「誠人くん…まだ、アルコールは駄目ですよ」
「店長、分かってます。ハイ先輩、どうぞ」
「マー坊、有難うな!」
「ハイ鉄さん、どうぞ!」
「すまねぇな、マー坊…おい、コッチは良いから節の相手をしてやれ。さっきから仲間外れみたいで可哀想だからよ」
「ハイ…分かりました」
と、俺は節子さんの真正面に陣取る。
「あ、誠人さん、ご苦労様です」
「いや…雑用はバイトで慣れてるから、大丈夫だよ。それよりお腹減ったなぁ…」
すると節子さんが。
「あ…誠人さん…この折り詰め、お母さんと一緒に作ったんです。食べて…もらえます?」
と、上目遣いで聞いてくるではないか。
無論、美少女にそんな事を言われたら、食べない訳にはいかない。
両手を合わせて、
「頂きます」
と、折り詰めにお箸を伸ばすと。
せっちゃんが、
「誠人さん、ちょっと待って?」
「え?」
と言うと、節子さんは、お箸に摘んだ唐揚げをコチラに向けてくるではないか。
「誠人さん、ハイ、ア~ンして?」
それを見た先輩達からは。
「おっ、熱いね熱いねぇ!」
「マー坊、羨ましいー!」
「ヒューヒュー!」
と、忽ち冷やかしの声が上がる。
正直。
今まで生きてきた中で、最もこっ恥ずかしい瞬間だった。
しかし、節子さんの好意を無下にしたら後が怖いし、何よりも、男だったら一度は憧れる羨ましいシチュエーション、残りの人生で後一回、有るか否か。
俺は腹を括ると、意を決して口を開けた。
そして、俺の口の中に、唐揚げが投入された。
もぐもぐ。
「お…」
「え?」
「美味しい」
「本当…ですか?」
「こんなところで嘘ついて、どーするの?ほっぺたが落ちそうになるくらい、本当に美味しいよ」
「嬉しい…頑張った甲斐が有った…あ、誠人さん。お父さん達に御酌してきますから、折り詰め食べてて下さいね?」
と言うと、缶ビールを片手に乱痴気モードの鉄さん達の元に歩み寄って行った。
(何なんだろう、あの娘…もしかして、俺に気が…?)
折り詰めを黙々と平らげながら、妄想に浸っていると。
「どうしたんですか、誠人さんっ?」
と、節子さんが、俺の前に突っ立ったその時。
突然の春風が、節子さんのスカートを捲くり上げる。
「きゃっ、嫌だぁ!」
と、可愛らしくスカートを押さえる仕草が滅茶苦茶可愛い。
「誠人さん…今、パンツ見ました?」
「節子さん…御免なさい…」
「もうー、誠人さんったら…エッチなんだから!」
と膨れっ面をしつつ。
口調は、不思議と怒っていない。
「それと誠人さん…『節子さん』なんて他人行儀な呼び方、しないでもらえませんか?」
「え…じゃあ、なんて呼べばいいの?」
「そうだなぁ…『せっちゃん』って、呼んでもらえます?」
「分かった…せっちゃん」
「誠人さん、良く出来ました。…なーんてね、えへへ♡」
とニッコリ微笑む人懐っこい笑顔に。
俺は、完全にハートを撃ち抜かれていた。
「ところで誠人さんって、おいくつなんですか?」
「四月で高校二年だけど?」
「ってことはぁ…節と四つ違いかぁ」
「つまり…」
「四月から、ピッカピカの中一ですよー♡」
…とか、会話を交わすうちに。
「そうだ、せっちゃん」
「何ですか?誠人さん」
「初対面の男性に『ハイ、ア~ン』って…ちょっと、大胆過ぎない?」
「あの…節…一回、やってみたかったんです、こういう事…」
「だからって、俺でなくても…」
「あたし…誠人さんに、興味が有ったんです…」
「…え?」
「お父さん、何時も食事の時に誠人さんの事を、話題にしていて…『アイツはバカだけど、バカなりに一生懸命頑張ってる奴』とか、『今時の若者にしては、根性の有る奴』とか褒めていたから…だから実際、どんな人なんだろうって思っていたけど、想像以上に素敵な人で良かった…」
(え…鉄さん、俺の事を…)
そして、
せっちゃんにただ一言。
「…有難う」
と、返すのが精一杯だった。
そんなこんなで、せっちゃんとくっちゃべっていると。
何時の間にか春の空が、夕闇に包まれようとする時刻になっていた。
「よーし、みんな!今日は息抜きできたかぁ!明日から、また気合いを入れて働けよぉ!それじゃあ、解散だぁー!」
と言う、鉄さんの酒臭い怒号と共に、先輩達は三々五々と帰路についていった。
ブルーシートを折り畳み、ゴミ捨てを済ませると俺は鉄さんに、
「今日は…有難う御座いました」
と、声を掛けていた。
「マー坊…明日からも、宜しく頼むぞ!」
と鉄さん。
「ハイ…わかりました!失礼します!」
と答えて家路につこうとすると。
「誠人さん…待って!」
と、せっちゃんが駆け寄ってくる。
「あの…」
「何?」
「誠人さんのメールアドレス、教えて貰えますか?」
と、大きな瞳をウルウルさせながら(と当時の俺には見えた)聞いてくる。
「分かった」
俺とせっちゃんは、互いにメールアドレスを教え合い、送信出来る事を確認し合うと。
「…じゃあね」
「バイバイ!」
と、御互い家路についた。
…
それから毎日。
俺の携帯には、せっちゃんからのメールが届くようになった。
その殆どは。
「お早うございます\(^o^)/」
「バイト頑張ってp(^o^)q」
「お休みなさい(-_-)zzz」だのと、他愛も無い内容だった。
あの、梅雨の日までは。
「うわー…雨が降るとは予報通りだったけど、こんなに激しく降るとはなぁ…」
と、黒い傘を片手に俺はボヤキながら、高校の正門から商店街を抜けて、バイト先のレストランへ向かおうとしていた。
その商店街の軒先に。
夏服のセーラー服を着た、ポニーテールの美少女が傘も持たず、雨宿りをしているではないか。
「アレは…もしかしてせっちゃん?」
俺は居ても立ってもいられず、信号が青になるとその美少女の元に駆け寄った。
「あの…せっちゃん?」
「あ…誠人さん?」
やっぱりせっちゃんだった。
「こんなところで…雨宿り?」
「うん…」
「傘…どうしたの?」
「お父さんのお店に、忘れてきちゃった…あの…あんまり、こっち見ないで…」
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(2020年05月28日)
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