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【評価高め】
妹 (大学生編~完)   (1/3)

2018-09-16 01:06:55

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本文(1/3)

名無しさんからの投稿

満開に咲き誇った桜を少し気の荒い春風が吹き散らし、3月の学内の地面を桜色にしてしまった。

大学の図書室で課題に取り組む僕の耳にも新入生へのサークル勧誘の声が賑やかに響く。

「お、優じゃん何やってんの?」

学内の友人のが数人僕を見つけて声をかけてきた。

「なにって図書館でする事は一つだろ」

「真面目だねぇ優は」

「あのさ、今から新入生の女の子を飲み会に誘いに行くんだけど一緒にいかね?」

「相手を見て言え、お前の目の前で今俺が何やってたと思ってんだよ」

「え~付き合い悪いよお前・・」

「彼女居るのは知っているけどさぁ、たまには遊んだって罰あたんねーだろ!」

「そうだぞ!たまには男の友情を大事にしやがれ!」

「それにほら、コレを見ろ!」

そういうと仲間の一人が携帯電話を出して俺に見せる。

「今日来る女の子の中でも飛び切り可愛い子達の写メ撮ったんだw」

友人は僕に見えるように次々と隠し撮りしたと思われる数人の女の子の画像を見せた。

「お前そういうの勝手に撮ってるとそのうち捕まる・・」

その中の一人の画像に思わず言葉が止まる。

「お、この子とか特にスゲェな!レベルタケェ!」

「あ、この子か!可愛かったよな!」

「この子も来るのか?」なんでもない風を装って聞く。

「おっw優、来る気になった?w」

「来るのか?」

「ああ、来るらしいよwでも抜け駆けは無しだぜ?」

僕の携帯が短く震える。

僕は直ぐに携帯を取り出しメールを確認する。

「・・・・」

「なに?彼女?」

携帯の文章を見つめる僕の側で友人達は話を続けている。

「なー優、いこうぜ!男側微妙に面子足りないんだよ!」

「人数多いほうが盛り上がるし、やり易いだろ・・色々」

「お前そういう発想だからもてねーんだよw」

「こないだもお前が一人ガツガツしたせいでな・・」

ワイワイと話す友達の側で僕は短くメールを返信すると、無言で携帯を閉じポケットにしまい課題をカバンに片付けた。

「わかった・・俺も行く」

「そう来なくっちゃ!w」

「やりぃw」

僕は久しぶりに友人達と男の友情を確かめる事になった。

家に電話すると「はい竹川です。」と5年生の可愛い声が元気に響いた。

「あ、由紀か?もう帰ったのか?」

「うんw今丁度玄関で靴脱いでた所だよ。なに?お兄ちゃんw」

「正美さんかお婆ちゃんいるかい?」

「お母さんなら今台所みたい。代わる?」

「いや、忙しそうだからお前伝えておいて。今日は俺もお姉ちゃんも遅くなるから晩御飯は要らないって」

「うん解った言っとくー」

「じゃあ頼むね」

「お土産、アイスが良いなぁw」

由紀は甘えたように言う

「いやしんぼw分かった!買って帰るよw」

「毎度あり~じゃね~」

由紀はそう言うと僕の残りの台詞も聞かずに電話を切ってしまった。

こういう慌てん坊な所は正美さんそっくりかもしれない。

電話を終え学内の廊下を歩いていると、丁度別館の方から加奈子先輩が歩いてきた。

「あ、先輩ちわっすw」

「おう!優君じゃないか!」

「今日の飲み会来るんだって?」

「あ、ハイw」

「どういう風の吹き回しだね?w」

「いやwははwたまにはねw」

「私も今年こそ可愛い男の子ゲットするぜ!」

加奈子先輩は握りこぶしを高く上げて張り切っている。

「そんな事言って毎回凄いピッチで飲んでつぶれてませんか?w」

「いやいや!今年こそ過去の反省を踏まえて御淑やかなお姉さんキャラで可愛い後輩彼氏をゲットするんだよ!」

「はははw応援しますよw」

「所で彼女がいるのに大丈夫なのかね?君は」

先輩がニヤッと笑って言います。

「ああw付き合いで顔出すだけですから僕はw」

「・・・ふむ・・否定しない所を見るとやっぱり西木君の言うとおり彼女は居るのね・・」

「あれ?言ってませんでしたっけ?」

「言ってないよwそういうのは早めに言っといてよねw」

先輩がわき腹を突いてくる

「ははwすみませんw」

「・・・何年くらいの付き合い?」

「え、えーと幼馴染ですね・・」

「へーw今時珍しい。漫画みたいだねw」

先輩が感心したように言います。

「ははw結構一途でしょ?w」

「優君の性格だと尻にひかれるタイプね。彼女怖いでしょ?」

先輩が上目使いで覗き込んでくるように笑う。

「あ、はははw分かりますか?w」

「そりゃ分かるよwそういうキャラだもん君w」

加奈子先輩は笑いながらヤレヤレという顔をする。

「はははw」

笑うしかない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

歓迎会は大学でよく使う飲み屋さんで行われた。

駅前の地下街で結構広い大衆居酒屋だ。値段も安く品数も豊富なので、うちの大学の連中は大半がココを利用する。

面子は揃ってみると結構な人数だった。

男女は新入生男子女子交えて半々という所か。

悪友が言うだけあって女の子は可愛い子が多い。

幹事役の友人が仕切る中、自己紹介が進んでいく。

「あの子可愛いな」

「俺あの子にする」

「え?お前あんなのが趣味かよw」

「あの子とあの子は友達ぽいから俺とお前で挟み撃ちな・・」

友人達が好みの女の子を報告し合って協定を結び始める中、僕は淡々と料理を楽しんでいる。

男性陣は女性陣より少し高めの会費なのだ、元を取らねば勿体無い。

「●●学部1年、星井美香です。よろしくお願いします。」

ビール片手に串焼きを頬張る僕の耳にもその聞きなれた声は良く響いた。

彼女が立ち上がり自己紹介をした瞬間その場に居た殆どの人が一斉に注目した。

「うお、やっぱ可愛いな・・」

「やべぇ・・芸能人かよ」

「腰の位置たけぇ・・モデルとかやってんのかな?」

彼女に話題が集中するのを感じながら固い砂肝を噛む。

美香のメールは友達に飲み会に誘われて断れないから少し遅くなるけど顔出すだけ出して帰ります。

という短いものだったが直前に友人に美香の画像を見せられていた僕にはこの展開はわかっていたことだった。

美香には折り返しメールし、僕がそのメンバーに居る事を伝えてある。

美香は奥の座敷の僕から見て斜め向かい側の離れたテーブルだ。

女の子グループの中心で楽しそうに談笑しているが、早くも男達がアタックを始めている。

明らかに美香狙いの男が大半だ。

加奈子先輩はアレだけ言ってたのに既に飲みに走っており、気の弱い新入生の男の子に絡んでいる・・・

(あの分だと今年もダメだな・・)

そうこうしている間に友人達は狙いを定めていた女の子の所へ散って行った様で、僕の周りだけポツーンとスペースが出来てしまっている。

まあ、おかげで料理食べ放題だから良いのだけど・・

料理は出揃い酒が回り皆ドンチャン大騒ぎになっていく一方で、まるで僕の周りだけが別世界。

(コレじゃまるで飲み会ではぶられている人みたいじゃないか?w)

自分の状況が冷静に可笑しくて一人で笑っていると隣に誰かが戻ってきた。

最初は友人だと思っていた僕はその人物の顔を見て一瞬驚いた。

「へへwビックリした?w優の友達だったんだね、あの先輩達」

「お、おう・・」

皆の視線が痛い・・さっきまで女の子グループの真ん中で男達のアタックを受けていたはずの美香がいつの間にかポツーンと孤島のようになった僕の隣に座っていたのだ。

今更だが、僕と美香は親が離婚したために姓が違う・・・

だから僕達が実の兄妹である事は誰も知らないのだ。

飲み会に集まった他のメンバーからすれば女の子無視で空気読まずにガチ食いする彼女持ちの男と、大注目の超美人の女の子の異様な2ショットにしか見えない。

しかも美人の方から集団を離れてわざわざ隣に座ったのだ。

コレが目立たないわけが無い。

「いいのか?注目されてるぞ?」

変なドキドキ感と優越感が入り混じっていた。

「あんまり楽しくないからおトイレ行くふりしてこっち来ちゃったw」

そう良いながら美香は女の子の友達の方に軽く手を振った。

すると女の子の集団がキャーと手を振って答え、何人かの女の子達や男共が一斉に集まってくる。

「きゃー美香ちゃん超大胆!」

「え!なになに?知り合い?」

皆僕と美香の意外性満載の組み合わせが腑に落ちないのか物珍しいのかたちまち質問攻めにあう。

「おめ美香ちゃんと知り合いだったのかよ!!」

「早く言えよ優!!」

悪友達も駆けつけてくる。

「美香ちゃん、優先輩の知り合いなの?」

女の子達が興味深々で聞いてくる。

僕は一瞬美香の方を見る。美香もその視線をキャッチする。

一瞬のやり取り。

「え?? 何?今の目線w」

感の鋭い女の子達が気付き一層騒ぐ。

すると美香が悪戯を思いついた様な表情になり、二人で立ち上がると僕の直ぐ側に・・

「つまりね・・・・w」

行き成り僕の腕に腕を回してきた。

「こういう事ですw」

「おおおお!!」

「うそおおお」

「きゃーーw」

飲み会一同大騒ぎになった。

「なんだよおめぇえええ」

「くそっ!そういう事か!!」

悪友達が僕が飲み会に来る気になった理由を悟ったのか悔しそうに言う。

「美香ちゃん何時から付き合ってんの?」

「小さい時から一緒だけど・・付き合い始めは小学校の時からかなw」

美香が嬉しそうに質問に答える。

おいおい・・という視線を送るが美香は気にしない。

「くそ~付き合い悪いと思ってたけど・・こんな可愛い彼女が居るからだったんだな・・」

「なぜだ・・なんでこんな奴がいいんだ・・」

「えーw真面目で優しい所かなw」

僕の腕に強くしがみ付きながら、美香が嬉しそうに言います。

「うわ・・毒にも薬にもならないノロケじゃん・・ベタ惚れじゃんw」

女の子達が騒ぐ。

「あ~でも優先輩って確かにガツガツして無い感じがいいかもw」

「うんw落ち着いてて良いよね」

「そりゃそうさ・・こんな彼女居たら俺だって・・」

「ははw先輩かわいそーw」

がっかりしている悪友を女の子達が慰めます。

「お~優君!」

盛り上がる僕達の所へ加奈子先輩がハイテンションで登場する。

「ややっ!この子が噂の彼女?!」

「あ、はい・・紹介します・いも・・っと彼女の美香ですw」

一瞬妹と言いそうになって美香に足をつねられる。

「うひゃ~凄い!優君の彼女だから可愛いだろうなぁと思ってたけど、本当に可愛いな!」

加奈子先輩は大げさな位に驚いている。

「星井美香です。優がお世話になっていますw」

美香が礼儀正しく加奈子先輩に挨拶する。

「うわ・・しかも超良い子じゃんw美香ちゃんね・・私は3年の加奈子、よろしくねw」

加奈子先輩は美香と握手をしてまた別のテーブルに去って行った。

その姿を見送った後、美香のほうを見て言う。

「加奈子先輩面白いだろw」

「・・・・・」

美香は僕の方を一瞬困ったような目で見た。

「どうした?」

「うん・・今はちょっと・・後で教えるよ」

「?」

「おい優!2次会行くよな?」

悪友達が聞いてくる。

答えようとした僕を制して美香が代わりに言う。

「ごめんなさい私と彼はこの後予定が有るので先に帰ります。」

「あ、ああ・・そっか・・残念だなぁ」

僕ならいざ知らず、美香のような女の子にきっぱりこう言われては食い下がれない

飲み会はソコソコ盛り上がり2次会へ。

僕達はそこで帰ることになった。

加奈子先輩は2次会へ行くようでもう既にかなりのハイテンションだった。

「おう!優!またな!」

「あ、加奈子先輩おさきっすw」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

帰りの電車の中で美香は妙にだんまりだった。

「どうかした?」

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