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投稿:2016-11-09(水)12:17

幼稚園の従妹と2人きりの思い出-4章-

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チアキさんからの投稿

前回の話:幼稚園の従妹と2人きりの思い出-3章-

それから時は流れて………。

悠も小◯生になっていって、2人だけの週末は女の子の成長とともになくなっていきました。

それでも正月やお盆をはじめ、家族行事で悠に出会えば彼女は私に懐いたままでした。

「あらー悠ちゃん、まだにぃちゃんに抱っこなの?いいわねー」

「よかったねぇ悠ちゃん、今日にぃちゃんが来てくれて」

親戚の集まりなどで大勢の大人が集まる中、私がコタツに座ると悠は目ざとくやってきては、ちょこん、と私の足の上に乗っかるのでした。

大勢の親戚家族が2、30人ごった返している中のざわざわ祝いの中でも甘い小声でこんなことを言ってきたり。

「にいちゃん、悠ね、学校で体操クラブに入ったの。。あんよ、いっぱい開けるようになったよ…・・」

と(今ここでアノ時のアレをしてよ・・)というサインを出してみたり、

「にいちゃん、かくれんぼ・・・しようよ…」

他の親戚の子達「いいね、一緒に皆でかくれんぼしてよ!」

「だめ・・・悠と、にいちゃんだけでするの…」

なんて言ってみたり。

そんなやりとりが大人たちの目に入ったからなのか、少しずつ悠と私の距離は離れていきました。

その後の私は都心の大学へ進学し上京したため、悠が中高と成長していったころはほとんどニアミスしなかったのですが。

私は帰省したときに地区の運動会に参加させられていて、障害物競走を走り終わって飲み物をいただいて一息しているとき、感じた視線の先をふと無意識に顔を上げると、はるか遠くで懐かしい面影をしたブレザー姿の細身の学生がこちらを驚くような顔で凝視しており、目が合った途端に血相を変えて走って逃げていったのを覚えています。

.....それからまた月日が経ちました。

私も大学生時代を経て片手の指の数ほどの複数の女性と恋愛し、交際し、経験し、別れて、繰り返し、浅いながらも遅めの青春を通過して今は三十路に突入し孤独な落ち目のフリーターです。

こんな孤独なヘンタイに交際相手は居ません。

ただ、ついこの間、"ある時をきっかけ"にちょっとおかしな出来事が発生しました。

それが今日に至っています。

きっかけは、祖父の葬儀でした。

帰省しても家族の前にはほとんど姿を見せなくなっていた私が突然フラリと行事に参加たときのこと。

.......祖父が亡くなり、葬儀に現れた私を見て、家族の大人たちは宇宙人でも見るように私を迎え入れました。

祖父の家は大家族で周囲の人付き合いも多いものですからそれは参列者も大人数でした。

行事の進行で祖父の棺を炎で奉り、残った遺骨に一礼。

その後です。

「参列者が遺骨を竹の箸で2人1組のペアになって運び、骨壷に順々に並べて乗せていく」

という催しがありました。

亡くなった祖父に「血統が近い順番」に叔父夫婦、叔母が先頭になり、その後ろを高齢の兄弟達が順番に2列に並んでいく。

私の母はそこそこ祖父に近い血筋だったため、私自身も前列の方に促されていましたが、ずいぶん無沙汰にしていたこともあり、バツが悪く思っていて、あえて中間から後列のほうに並びました。

"おぃおぃ、キミはもっと前列に行くべきじゃないか"と何度も親族たちに声をかけられつつも苦笑しながらあしらっていました。

2人1組のペアが次々と祖父の遺骨を運んでいく。

"仲が悪い爺さん×2"の組み合わせもあって相当おもしろかった。

そんな中そろそろ私の順番も近くなってきて。

(あっ…。)

私の隣に並んだのは、小柄で細身の若い女性。

黒い喪服で長い黒髪。

(なんで?)

身内びいきの個人的な補正はあるかもしれません。

"生意気なチアキ"だった幼い面影は、小西真奈美のような綺麗な顔になっていました。

(何でだ?この子の近親優先度はもっと前列だろ?)

おかしい。

この女性は3姉妹の末っ子。

姉2人は前列のほうで両親たちの後ろに並んでいた。

なのに、この子は後列にまぎれた私の隣に並んでいる。

私と違って親族たちも"前に行け"と指摘してこない。

暗黙の中で明るみに出た家族構成。

私は田舎の大家族の闇を見ました。

(そういうことだったのか!確かに、似てない。親にも姉妹にも似てない!)

(だから子供の時から家の中でずっとひとりぼっちだった!)

しかし、私にはそんな事に唖然としている暇はありません。

今はもう15年前とは違う。

隣にいるのは綺麗で物腰上品な女性です。

鬼畜な自分にはあの思い出がフラッシュバック。

(逮捕されて高額な慰謝料を請求されることになっていくのか・・?)

なんて考えながらハニワみたいに固まり、正面を見据えたまま棒のように並んで順番待ちをしています。

「ッススw」

笑い声が聞こえました。

涙を拭くはずのハンカチを口元に当てて笑いを堪えている。

(私に、敵意が、ない?)

このことに驚いた私は小声で周囲に聞こえないように話しかけました。

「(なんで・・笑うの?)」

「(ッススススwにぃちゃんw一緒にお骨運ぶのがwよりによってにぃちゃんなんだもんw)」

「(笑っちゃダメだよ。。お悔やみの席なんだから。。)」

「(むりだよ・・にぃちゃんwすごい可笑しいよww)」

嫌われてない、嫌われてない、怒ってない、怒ってない…。

もう、その場に座り込みたいくらいに安心してました。

そして祖父の骨をひとつ、私は悠と一緒に箸で持ち上げ骨壷に運びました。

行事が終わり、大広間で大家族が酒と寿司を食べている催しの中、遠くに悠が見えました。

先ほど笑っていた姿も微塵に見せず、厳粛な表情にクルリと表情を一転させて、近親者をはじめ、来場した参列者に挨拶をしながら酒を注いで回っている。

(オンナの多面性って恐ろしいよな、わけがわからない)と実感…。

「この度は誠にありがとうございます」

声をかけてきたのは悠の長姉でした。

「おじさん、来てくれてありがとう。……隣、悠の席だから。戻ってきたらいっぱい話してあげて」

「なんでまたそんな……?」

「知ってるくせに。おじさんが地区運動会の成年の部に出てるとき、いつも悠がお弁当持って行ったでしょ」

「なにそれ?いつの時さ!?一度もそんなの、もらったこと無いよ!」

「うそだぁ!悠が高○生のとき毎年だよ!地区運動会で三回はお弁当持って行ったでしょうに!」

「知らない・・・そんなの、、一回もない・・・」

「信じられない、覚えてないの?悠、可哀想すぎるじゃないw」

そう言って長姉は笑いながらテーブルを代えて別の席に酒を注ぎに行きました。

(弁当を?)

本当にそんな事実は一度もありません。

運動会の時に慌てて逃げるように去っていった姿が遠くから見えただけ。

しかもそれは一度だけで一瞬の出来事でした。

……それを思い出していると、隣に当の本人が含み笑いを堪えながらやってきて座った。

「ッススwお寿司まだあるよ?持ってこようか?」

「いや、、いいよもう」

「にぃちゃん、いつまでコッチにいるの?」

「明日まで・・・」

まるで童貞と経験豊富なお姉さん。

そんな会話のテンションの違いでした。

........祖父の葬儀から後日。

私は週末に帰省することが多くなりました。

オンボロの軽自動車を走らせて、景色の変わった故郷の町並み、岬通りなど不思議な気持ちで走っていました。

「♪」

助手席に、若い女性を乗せて。

私は月に1~2回ほどその子とドライブに繰り返し出かけては、少しずつ慣れてきて会話ができるようになっていました。

もちろん、若い子と過ごしたい気持ちはありましたが、なにより過去に自分がしたことを憎んでいないか確認して安心したかった、という目的が強かった。

「お前さ、、良い人、いないの?」

「いたよ。私そこそこ可愛いでしょwお葬式のとき、思わなかった?」

「(可愛いよ、お前の顔は。レベル高いと思う。)…いたよ、って事は別れた?」

「うん。」

「今までに何人と付き合った?」

「なんで男の人ってそういうことを簡単に聞くかな・・言わないよ」

「直近のやつでいいや。なんで別れたの?」

「男の人って、、みんなさ、、怖いから」

(お前の中で一番怖い男の記憶は僕だろうが)

「僕は怖くないんだw」

「うん。ところで……あのさ。……すごいこといきなり言っていい?」

焦りました。

あの時の思い出を蒸し返されると思った。

現実的な仕返しをされる、訴えられる、脅される、タイホされる、と覚悟した。

「……なにかな…、僕はあんまり…、お金持ってないから」

「あ、やっぱやめたwそっちから言ってほしいし」

「……僕から言う事ってなに?」

「とぼけるなw」

......日が暮れた深夜。

閉店しているホームセンターの駐車場に車を停車させました。

自動販売機の光だけで照らされる暗闇の中です。

私は覚悟を決めた。

「わかった……。僕からちゃんと言う。君にしてきた酷いことの罪は全て償うよ。あんなヘンタイ行為は許されちゃいけない。本当に……ごめんなさい。」

大人になった悠に心からの謝罪をした。

すると、

「へぁ!?」

なんだそりゃぁ……という顔をされた。

「……あ。……あぁー……そっちの…そういう、……あぁ……アレか……って、ちがうよ、……ちがう、それじゃないよ。」

「いや僕は君にあんな鬼畜な……」

「はぁ、もういいや。あたしから言う」

私は頭蓋骨にヒビが入るのではと思うほどの衝撃を受けた。

「…………好きなの!」

「…………」

.....悠から見た私は、ずっと優しかった人、なんだそうです。

「子供の時の話でしょうに……僕らの家は大人がいつも留守にするから…………」

「ちがうよ……常時、常に優しかったよ…………」

優しくした記憶は皆無。

病気になれば看るのも医者に連れて行くのも結果論として私の役目、そういう家庭だっただけ。

そして私はこの子が邪魔だった。

いつも自分の娯楽の時間を奪う小娘だった。

「彼氏とか、できなかったの?」

「できたよ。でも男の人ってみんな、怒るとすぐ大きな声出すし、すぐ物とか壊すし……。強い力で腕とか掴んで引っ張るし、怖いから……やだ」

(ヤンキーと付き合ったのかな?)

飄々としていて、子供の頃から損得勘定を図って調子の良い行動とる所があった。

何より大人になった悠はオトコが好みそうな顔つきになった。

あながち複数の男が自分を奪い合うような修羅場の渦中を経験したのかもしれない。

「今までの経験上、消去法で僕はやさしいとw」

「・・・」

「なるほどね。経験人数は多くて4、5人と見た」

すると、悠はため息をつくように言う。

「化粧、研究したのになぁ。あたしを遠ざけようとし始めてるでしょ……。脈ありだと思ってたけど違ったか……。」

「いや驚いている。嫌われていると思ったから。あの……いやほら、あの、あのさ…子供の時の……アレで。アレの記憶でいっぱいで、僕はいつ悠に刺されるかと怯えてた。物心ついたら訴えられると震えてて、お前に会うのが怖かった。」

うん、うん、と相槌をして悠は聞いている。

「だけどさ、酷いことをしたのにさ…お前は平然としていてさ、なんだそりゃってか…」

私ははなぜか目頭が熱くなってきて

「ごめん、悠、本当に、ごめんよ、、あの、僕、私はさ…やべ、混乱してきてるわw」

悠は私が涙を出したことに驚きながらも少し笑っていて、

「ッススw」

引っ込めようとした私の手を悠が握ったので安心してしまった。

私は女の子の前でポロポロと泣く三十路のおじさん。

悠は私の頭を抱っこして、よしよし、と撫でていました。

バツが悪すぎて情けなくも自分は(悠、胸はあんまり大きくないなぁ)なんて考えていました。

.......突然降って湧いた高嶺の据え膳。

しかし、この時の私は悠の言動の全てを信じきっていて、この子は彼氏がいて、さらに複数人の男をキープしつつも曖昧な返答で泳がせ続けているという、凶悪な小悪魔オンナとなっていた事実を全く知る由もありませんでした。

続き:再会した従妹と重ねる秘密

- 終わり -

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