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投稿:2016-01-06(水)14:07

彼女とその友達、ママになる

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本文(累計閲覧数:47,963回)
名無しさんからの投稿

前回の話:彼女と彼女の友だちが妊娠、そしてテニス部の後輩、美奈ちゃんからの告白

新しい年を迎えた1月。

私とまみちゃんは、加奈ちゃんと加奈彼さんも加えた4人で初詣に行きました。

○○城の近くにある神社の敷地は、たくさんの人たちでごった返していました。

私とまみちゃん、加奈ちゃんと加奈彼さんはしっかりと手を繋ぎ、まみちゃんと加奈ちゃんも離れないように手を繋ぎました。

まみ「加奈ぁ・・・、手を離さないでね」

加奈「まみ、私たちは妊娠してるんだからね。焦ったらダメよ」

まみ「分かってる」

・・・この時、まみちゃんは妊娠4か月目。

加奈ちゃんは妊娠3か月目に入っていました。

まみちゃんが苦しんでいたツワリはようやく落ち着きましたが、加奈ちゃんは激しいツワリに悩んでいました。

そして、今日も・・・。

「あっ・・・ダメ・・・」

加奈ちゃんは近くのトイレに駆け込みました。

激しい嗚咽が聞こえました。

まみ「加奈あ・・・大丈夫?」

加奈「ツワリでずっと部屋に籠りっぱなしだったから、今日はいい気分転換になるわ。まみ、ありがとう。やっぱり、友達は大事にしなきゃあ。それに、まみが妊婦の先輩なんだからあ」

まみ「私だって初めてだし・・・不安だらけだよ。だけど、彼の存在が大きいの。一緒にいたら、ものすごく気持ちが落ち着くの」

加奈「お互いに、彼は大学受験だね。しばらくは辛いけど、まみと一緒にいたら元気になれそう」

まみ「それに、私たち・・・お腹に愛の結晶があるし、1人じゃないって実感できるの」

加奈「ねえ、名前は決めた?」

まみ「女の子だったら、彼が決めてくれるの。【みどり】とか【のぞみ】とか・・・」

加奈「いいなあ。性別って、いつ分かるのかなあ」

まみ「妊娠7か月前後みたいよ。その頃になったら、お互いに大きなお腹を抱えることになると思うけど」

まみ「ねえ、その頃になったら春になるね。二人で彼と一緒に高校に行こうよ。テニ大学の彼氏を紹介してあげたいな」

加奈「まみ彼さんみたいに、私の彼は人気がないよ」

まみ「だーめ!大会の男子シングルスで圧倒的な強さで優勝したんでしょう?みんな、びっくりするよ。きっと」

・・・4人でおみくじを引き、1人ずつ折って枝に縛っていきます。

そして、神社の本殿の前に行き、4人で手を合わせます。

今年は、まみちゃんも加奈ちゃんも出産という大きな仕事が待ち受けています。

実は、24歳になる加奈ちゃんのお姉さんの明美さんが2月に出産を控えていました。

結婚3年目にして、待望の妊娠です。

まみ「明美お姉さんが来月出産よね。きっと、私たちも同じ道を通るはず。不安を吹き飛ばすには、先輩ママと触れあわなきゃ」

加奈「じゃあ、お姉さんのところに行く?」

まみ「うん!」

初詣を終えて加奈ちゃんのお姉さんのところに向かいます。

加奈「お姉ちゃん、明けましておめでとうございます。突然なんだけど、今からそこに行こうと思うんだけど、いいかなあ・・・」

明美「いいですよ。あっ、加奈・・・妊娠したんだって?」

加奈「うん。実はね・・・私の友達のまみちゃんも妊娠しているの」

明美「まあ♪あのまみちゃんが?私も会いたいな」

加奈「ありがとう。じゃあ、お互いの彼氏も連れて4人で行くね」

明美「あら♪賑やかになるわねえ」

加奈「ごめんなさい。急遽、行き先変更です」

バスに乗って、加奈ちゃんのお姉さんのところに向かいます。

神社からは30分くらいの距離。

部屋は10階立てマンションの4階にありました。

加奈「お姉ちゃん」

明美「うわあ、加奈。可愛くなって」

明美さんは、今でいうと吉瀬美智子さんに似ています。

背が165もあり、4人は圧倒されていました。

加奈彼「はじめまして、加奈と付き合っている○○です」

明美「聞きましたよ。テニスの大会で優勝したんでしょう?私・・・見てたのよ」

加奈彼「うわあ、見てたんですか?」

明美「さあ、入って♪」

私は、明美さんを見つめてしまいました。

もちろん、加奈彼さんも。

ソファーに座り、明美さんが私たちにジュースやお菓子を持って来てくれました。

長いソファーには、中央に私が。

そして両側に加奈ちゃんとまみちゃん。

反対側には明美さんと加奈彼さんが座っています。

そこに明美さんのご主人がやって来ました。

年齢は28歳。

175センチはありそうです。

どちらかといえば、KinKiKidsのお兄さんに似ています。

ご主人の名前は悠一さん。

ご主人が勤める会社に明美さんが短大卒で入り、悠一さんの猛アタックが始まったそうです。

そして、交際が始まり、わずか6か月で結婚したのです。

でも、明美さんは隣に来た悠一さんの手をしっかりと握っています。

そして、悠一さんに体を預けていました。

明美「皆さん、1人ずつ自己紹介お願いしますね。もちろん、加奈も」

加奈「えー!?あっ、お久しぶりです悠一さん。明美の妹の加奈です。今年、高校を卒業します。実は、テニスが縁で○○さんとお付き合いして・・・実は・・・赤ちゃんができました」

悠一「加奈がお付き合いしているのは、明美から聞きました。明美の方が先に出産するから、何でも相談するといいよ」

加奈「男の子ですか。女の子ですか?」

明美「女の子よ。加奈ちゃんみたいに可愛くなってくれるとうれしいな」

加奈彼「はじめまして。加奈とお付き合いしている○○です」

悠一「あなたのことは、明美や加奈から聞いています。加奈を妊娠させたのだから、しっかりと最後まで面倒を見てあげてくださいね。もちろん、子供もね」

加奈彼「はい、加奈をずっと大事にします」

悠一「ありがとう。頼んだよ。ところで、あなたは?」

「は・・・はじめまして。隣にいるまみちゃんとお付き合いしている○●です。まみちゃんと加奈さんが仲良しなので、一緒にやって来ました」

悠一「ああ、まみちゃん」

まみ「お久しぶりです。明美さんと結婚してからは初めてですよね」

明美「実はね、まみもおめでたなの。加奈より1月早いけど」

悠一「えっ!?ウソだろ!?でも、優しい人で良かった。そうか、まみちゃんも加奈もおめでたかあ」

明美「私は2月。まみちゃんは6月。加奈は7月よ」

悠一「そうだったんだ。でも、妊娠して終わりじゃあない。これからはもっと大変なことが起きるだろう。ましてや、加奈もまみちゃんもまだ結婚していない。大学に行くと聞いていますが、しっかりと子供も見てあげることは忘れないようにね。もちろん、加奈やまみちゃんの結婚式には行かせてもらうよ」

私・加奈彼「はい。分かりました。もちろん、彼女と結婚します」

悠一「じゃあ、私はこれで・・・」

というと部屋に戻っていきました。

しばらくは、誰も声を出すことができませんでした。

30分ほど沈黙が続きました。

「お姉ちゃん!」

加奈の一言で、緊張感が吹き飛びました。

私たち4人は明美さんに妊娠した時や今の気持ちを聞きました。

「不安はあるわ。でも、そんなことばかり考えたら、気持ちが押し潰されそうになると思うの。お腹の赤ちゃんが初めて動いた時、今までにない幸せな気持ちになったの。我が子を育て、一緒に成長して行くの。だから、来月出産だけど、私からすればお腹の赤ちゃんに会える訳でしょう?10か月、待って待って待ちわびたんだもの。さあ、いらっしゃい♪そんな気持ちよ。あっ、また動いたあ」

明美さんは大きなお腹に両手を当て、そっと撫でています。

加奈ちゃんもまみちゃんも、明美さんのところに行きました。

そして、大きなお腹を撫でています。

その時です。

まみ「ああ・・・赤ちゃん・・・動いたあ・・・」

加奈「本当だあ・・・。私も・・・いつかはこんな体験ができるんだあ・・・」

「ごめんなさい、明美さん・・・いいですか?」

明美「どうぞ。優しくね・・・」

おそるおそる、明美さんの大きなお腹に手を当てます。

その直後・・・私「ああ・・・動いた・・・動いたあ・・・すごい・・・凄すぎる・・・」

明美「あなたは優しいから、まみちゃんが好きになったんだと思うの。そして、その優しさが、私の赤ちゃんにも伝わったんだと思うわ」

加奈「まみ彼さんは、女子のテニス部員から大人気なの。だって、由美ちゃんが言ってた。まみ彼さんが来たらみんな練習どころじゃないって」

「そんなに、顔は良くないって感じているんですが・・・」

明美「きっと、誰にも優しくしてくれるからじゃないかな♪私も、まみ彼さんとは初めてだけど、なんだか・・・この身を捧げてもいいかなって感じるわ」

まみ「だからかな・・・。美奈子ちゃんも由美ちゃんも、みんなの前で彼にキスしてきた。みんなが彼を狙っているように感じるの・・・。彼と一緒にいたら、周りから冷たい視線を感じるの」

明美「きっと、嫉妬しているのよ。まみちゃん、最近、彼に肩を抱かれて歩いていない?」

まみ「そう言えば・・・、2週間前かな。彼にお願いして駅までの道を彼に抱かれて帰ったの。友達が後で、どうしたの。まみ、ものすごいラブラブじゃん♪って・・・。黒板に、私が彼に肩を抱かれたイラストを書かれて・・・必死になって消したの・・・」

加奈「そうそう。まみが初体験した次の日も大変だったね。○月○日、まみちゃんは校舎の踊り場でクラス公認の彼とエッチしましたあって・・・」

明美「そんなことがあったんだあ。加奈が他のテニス部員とまみちゃんの初体験を見てたって言ってたけど、私も見てあげたかったなあ」

まみ「もう・・・明美さんまで・・・恥ずかしいよお・・・」

加奈彼「じゃあ・・・私も・・・失礼します」

加奈彼さんが、明美さんのお腹に手を当てました。

ところが、お腹の赤ちゃんは反応しません。

加奈彼「あれ・・・どうしたんだろう・・・」

明美「おどおどしてはダメよ。赤ちゃんは知っているの。もう一度やり直し!」

加奈彼「はい」

すると

「うわあ・・・感動したあ」

明美さんの赤ちゃんが反応したのですね。

明美「加奈、まみちゃん。もし良かったら、来月の出産に立ち会ってくれない♪あなたたちにも大きな経験になると思うから」

加奈「お姉ちゃん!ありがとう」

まみ「明美さん。うれしいです。素敵なお姉さんですね。予定日はいつですか?」

明美「2月18日よ。まみちゃんは、小さな頃から知っているわ。そんなまみちゃんが、ママになるんだもの。しっかりサポートしますね」

まみ「明美さん!」

まみちゃんは、明美さんに抱きつきました。

明美さんは、まみちゃんの髪を優しく撫でていました。

その日の夕方、私たちは明美さん夫婦のマンションを出ました。

そして、それぞれのカップルに別れて帰ります。

まみちゃんは私に寄り添って来ました。

私はまみちゃんの肩を抱き、ゆっくりと歩き始めました。

まみ「私も、明美さんみたいな、素敵な奥さんになりたいな」

「明美さんって凄いな。出産って大変なのに、あと2か月もないのに、あんなに堂々としている。初めての妊娠なのに、どっしりと構えてる。うろたえた感じがない。女性ならではの強さなのかなあ」

まみ「そうよね。私も加奈も、初めての妊娠でうろたえているのに・・・」

「まみ、こっち向いて・・・」

まみ「なあに?あっ」

私は、まみちゃんを抱きしめてキスをしました。

人通りの多い道だったけど、長く、そして何度も舌を絡めました。

まみちゃんは、今でいうと橋本環奈に似ています。

まだ18になったばかりなのに、私の子供をお腹の中に宿しています。

私にずっとついて行く。

初めてのエッチで妊娠したことが12月に分かり、うろたえながらも私に話したまみちゃん。

可愛い顔の裏では、確実に母になる覚悟を決めていたのです。

それは、加奈ちゃんも同じ気持ちだと思います。

妊婦の先輩の明美さんに会い、言葉を交わし、母はどうあるべきかを知りました。

今後に起きるであろう幾多の困難を、乗り切るために。

・・・2月17日、穏やかな天候でした。

私と加奈彼さんは、私立大学の入試を受けました。

学部は違いますが、同じ大学を受けることを知り、少し安心した私がいました。

試験が終わり、17時を過ぎた頃、加奈彼さんの携帯が鳴りました。

加奈ちゃんからです。

【ついに・・・来たのか?明美さんが・・・】

やはり、そうでした。

明美さんを陣痛が襲い、産婦人科に運ばれたというのです。

加奈ちゃんとまみちゃんも、一緒だそうです。

産婦人科に着くと、明美さんの陣痛の間隔は5分まで短くなっていました。

悠一さんは分娩室のドアの前にいました。

加奈ちゃんやまみちゃんは、どうやら分娩室にいるみたいです。

中からは、明美さんの悲しそうな声が響いていました。

「明美さん、頑張って!」

きっと、加奈ちゃんの声でしょう。

「お姉ちゃん!」

まみちゃんの声です。

出産の痛みと戦う、明美さんの声が、いつまでも響いていました。

私と加奈彼さんは、堪えきれず産婦人科を出ました。

男というものは、こんな時は無力なのか・・・・・・・・・

■続き[2016.01.06_14:07追記]

私と加奈彼さんは、近くのファミレスで食事を取りました。

気が付くと、22時を過ぎたあたり。

加奈彼さんの携帯が鳴り、5時間が過ぎていました。

でも、それ以降加奈彼さんの携帯は押し黙ったままです。

やがて17日から18日に変わりました。

ファミレスが1時で終了となり、私たちは外に出ました。

産婦人科は、依然として明かりが付いていました。

まだ、明美さんは陣痛と戦っているのでしょう。

そして、加奈ちゃんとまみちゃんも。

私たちは加奈彼さんの車に乗り、待機しました。

やがて睡魔が襲い、二人は深い眠りにつきました。

目が覚めた時は、朝の9時すぎ。

あれから16時間が過ぎました。

まだ携帯は沈黙を守っています。

加奈彼「ああ、出産ってこんなに時間がかかるのか?」

「明美さんが心配になってきた。赤ちゃん、大丈夫かなあ・・・」

その頃、明美さんの出産は大きな山を迎えていました。

産道が広がり、お腹の赤ちゃんがいよいよそこに入ろうとしていたのです。

もちろん、加奈彼さんも私も、悠一さんも知ることはありませんでした。

幸い、今日は大学入試はありません。

2日後にもう1つの大学入試を控えていました。

11時過ぎ、ついに赤ちゃんが明美さんの産道に入ろうとしていました。

明美さんの鼻に呼吸をサポートするための管が取り付けられました。

いよいよ、明美さんの出産は最終段階を迎えていました。

そして12時。

赤ちゃんが明美さんの産道に入りました。

ゆっくりと回りながら、産道を通って行きます。

そして、13時14分。

大きな泣き声と共に、明美さんの出産が終わります。

加奈彼さんの携帯が鳴り、20時間あまりが経過しました。

加奈彼さんの携帯が鳴ったのは、13時40分過ぎ。

加奈ちゃんからです。

『明美さんが、2446グラムの可愛い女の子を出産しました。13時14分です。』

「やったあ!!」

私たちはしっかりと手を握りました。

産婦人科の中に入ると、病室でベッドの中にくるまっている明美さんを見つけました。

悠一さんも一緒です。

「おめでとうございます」

悠一「ありがとう。でも、こんなに長引くとは・・・」

加奈彼「明美さん。よく頑張ってくれました。うれしいです」

そんな時、加奈ちゃんとまみちゃんが産まれたばかりの赤ちゃんを連れて来ました。

明美「ああ、ありがとう。加奈。まみちゃん」

赤ちゃんは、しっかりと明美さんの胸に抱かれました。

まみ「明美さん。私・・・私・・・」

明美「まみちゃん。次はあなたね。頑張って」

まみ「明美さんの出産を見て、大変だと思ったけど、赤ちゃんを抱いた瞬間に涙が・・・」

加奈「お姉ちゃん。私たちのお手本になるような、素敵なママになってくださいね」

明美「加奈・・・」

明美さんの左手が、ゆっくりと伸びて来ました。

加奈ちゃんとまみちゃんは、しっかりと手を重ねました。

・・・2月も終わりになる頃、明美さんの退院を迎えました。

明美さんは小さな我が子を抱きしめ、ゆっくりと産婦人科を後にして行きます。

そして、明日は3月。

高◯の卒業式を迎えます。

まみちゃんは妊娠6か月。

加奈ちゃんは5か月目を迎えます。

お腹の大きな二人のために、制服の代わりにブラウスの上に膝丈の紺色のジャンパースカートになりました。

卒業式ではクラス単位で1人ずつ名前を呼ばれ、みんな揃ってから代表者が壇上に上がり、卒業証書を受け取りました。

3年生全てが名前を呼ばれた後に在校生の送辞が読まれ、そして、卒業生を代表して加奈ちゃんが壇上に上がりました。

加奈ちゃんは、大きなお腹を抱えてゆっくりと上がります。

大きなお腹に会場はざわつきました。

加奈ちゃんは答辞を読み終えた後に、2月18日にあった姉の出産の話をしました。

1月に初詣に行った時、久しぶりに合った姉の姿。

出産を控えても堂々とした姿。

そして、友達のまみちゃんと一緒に姉の出産に立ち会ったこと。

赤ちゃんの小さな体。

それを姉に渡した時の、姉の目からこぼれる涙。

ゆっくりと、言葉を噛みしめるように話しました。

そして、加奈ちゃんは妊娠したいきさつを話しました。

そして、妊娠を知ったこと。

友達のまみちゃんが、心の支えになってくれたこと。

最後に、まみちゃんも壇上に呼ばれました。

「こんな姿で卒業式に出ることに、ものすごい抵抗がありました。でも、まみちゃんや、優しい人たちがいなかったら、私は幸せな高◯生活が過ごせなかったと思っています。まみちゃんは6月。私は7月に初めての出産を迎えます。ママになっても、皆さん、優しくしてくださいね」

まみちゃんも加奈ちゃんも、壇上で激しく抱き合いました。

暖かい拍手が、会場を包みました。

そして、卒業式は終わります。

まみちゃんや加奈ちゃんのところには、テニス部員が集まっていました。

私のところにも、テニス部員たちが集まって来ました。

2か月ぶりの対面でした。

美奈子ちゃんや由美ちゃんが、私のボタンをもらいに来ました。

そして、千佳ちゃんや麻希ちゃんも。

彼女たちは、4月から1つ上に上がります。

近いうちに会いたいな。

彼女たちと話していたら、まみちゃんが私のところに来ました。

そして、私に腕を組んで来ました。

3年通った高◯に別れを告げ、来月から加奈彼さんと大学に行きます。

そして、まみちゃんと加奈ちゃんが、ママになる日を迎えることになります。

■続き[2016.01.06_14:16追記]

加奈ちゃんのお姉さん、明美さんの出産騒動も無事に終わり、ようやく私たち4人も落ち着きを取り戻しました。

明美さんの赤ちゃんの名前は【瞳】に決まりました。

それ以来、私たち4人は気がつくと4人は明美さんの部屋に来ていました。

しかし、今日は私とまみちゃんはいません。

実は、まみちゃんが妊娠7か月を迎え、赤ちゃんの性別を聞くために産婦人科に来ていたのです。

待合室で一緒に並び、まみちゃんは私に寄り添っています。

「お腹、大きいんですね。何か月ですか?」

隣にいた女性が声をかけてきました。

「今、7か月ですよ」

女性「そうなんですね。私は4か月ですよ」

「すみません、おいくつですか?」

女性「27です」

まみ「うわあ、そんなに見えないわ」

女性の名前は恵さん。

結婚して5年目ですが、すでに3人の子供がおり、お腹の子供は4人目だそうです。

それを聞いて、思わず顔を見合せた私たち。

そのうちに、恵さんが呼ばれました。

恵さんは定期健診です。

しばらくして待合室に戻ってきた恵さん。

気がつくと、恵さんが私を見つめていました。

今度はまみちゃんが呼ばれました。

おそるおそる、診察室に入って行きます。

さて、赤ちゃんの性別の結果を知り、まみちゃんは私に甘えてきます。

「まみ、みんながいるんだよ」

まみ「今日は、まみがいちばん幸せな日だあ」

待合室に戻ってみると、恵さんはまだいました。

恵さんは私を見つめ、笑顔を見せています。

フリーアナウンサーの高島彩さんに似ています。

背の高さは163センチ。

素敵な笑顔に、引き込まれてしまいそうです。

ピンクのミニスカワンピースに、高さ7〜8センチのハイヒールを履いています。

「すみません、もしかしたら・・・まみ彼さんですか?」

まみ「はい・・・」

「実は、あなたのことをよく話している女の子がいて、私も会ってみたいなって思っていたんです」

「すみません・・・それって誰ですか?予想がつかないんですが・・・」

「由美ちゃんって知っていますか?」

「もしかしたら、○○高校でテニス部のキャプテンをしている・・・あの由美ちゃん?」

「そうよ。由美ちゃんね、大好きなまみ彼さんとキスしたのって、顔・・・真っ赤にしてた」

「ああ、あの時・・・」

「由美ちゃんの家はね、私の近所なの」

まみ「なんか、至るところでまみ彼さんの名前が知れ渡ってる」

「私ね、まみちゃんとお付き合いしているまみ彼さんに会いたいって思ってたの。実現できてうれしいな♪あっ、そう言えばお腹の赤ちゃんはどちらでしたか?」

「それは・・・」

私は恵さんの耳元で小さな声で教えてあげました。

「そうなんだ♪誕生が楽しみね」

私たちが産婦人科を出ると、恵さんも後を追いかけて来ました。

「ねえ、どこに行くの?」

「まみちゃんの友達で加奈ちゃんがいるんですが、彼女のお姉さんが女の子を出産したばかりなんです。そこにまみちゃんの赤ちゃんの性別を伝えに行くんです」

「もし、良かったら・・・だけど・・・私も行っちゃダメ?」

「恵さん。加奈ちゃんのお姉さんは明美さんっていうんですが、話し相手になってくれますか?」

「もちろん♪」

「じゃあ、行きましょう」

「やったあ♪」

奇しくも、恵さんの家は明美さんの住むマンションから歩いて10分の距離。

当然、由美ちゃんの家もほぼ同じ。

こんなことってあるんですね。

・・・さて、私たちに恵さんが加わって、明美さんの部屋にやって来ました。

「すみません、遅くなりましたあ」

加奈彼「遅いじゃないか!えっ?えええー!」

加奈「どうしたの?うわあ!?」

明美「どうしたのよ!?ああ・・・恵!」

「お久しぶりです」

「ウソ!今度は明美さんと恵さんが知り合い?」

「皆さんにお知らせします。まみちゃんの赤ちゃんは、女の子です」

明美「すごい。私と同じだあ」

加奈「私も、女の子だったらいいなあ」

恵さんにペースを乱され、あたふたしていると・・・瞳ちゃんが大きな声を上げて泣き出しました。

恵さんは瞳ちゃんを優しく抱きしめ、

「ああ、瞳ちゃん。ごめんね、煩かった?」

と声をかけました。

すると、あっという間に泣き止んだ瞳ちゃん。

恵さんの鮮やかな神対応ぶりに、誰もが言葉を失いました。

さすが、3人の子育てをしてきたプロフェッショナル。

すやすやと眠る瞳ちゃんの横で、恵さんは【どうだ♪】と言わんばかりの表情です。

まみちゃんも加奈ちゃんも、明美さんも、そして私も加奈彼さんも、ただ呆然と見つめることしかできませんでした。

恵さんは、4歳の奈々ちゃん、3歳の香織ちゃん、1歳の深雪ちゃんという3人の女の子の母。

一度は育児に悩みを抱えた時期があったそうですが、彼女の頑張りで乗り切って来ました。

そして、お腹には4人目が・・・。

夕方までいた恵さんですが、子供たちが帰って来るということで、先に帰っていきました。

そして、私たち4人も帰ることにしました。

まみちゃんは加奈ちゃんと一緒にいるということで、私は一人で帰ることにしました。

バス停で待っていたら、恵さんがやって来ました。

「もし良かったら、私の家に来ませんか!?」

「いいんですか?」

「まみ彼さんなら大歓迎よ」

一緒に並んでゆっくりと歩きました。

笑顔の可愛い恵さんを、そっと見つめます。

次の瞬間、恵さんに抱きしめられてキスをしました。

「今日は素敵な1日だったわ。憧れていたまみ彼さんと、こうして初めてのキスができたんだよ。今度はベッドで抱き合いたいなあ。主人がいるけど、まみ彼さんなら私をさらけ出してもいいと思ってる」

「恵さん・・・」

「ねえ、二人きりの時は、恵でいいの。いつか、体をひとつにつないでみたいな」

「ダメですよ」

「私・・・本気よ!」

「6月には、初めての子供が・・・」

「分かってる・・・。でもね・・・いけないと思っても、あなたの優しさに触れたら・・・どうすることもできないの」

「恵さん」

「好き・・・あなたが・・・好き・・・」

私は寄り添う恵さんの肩を抱きました。

恵さんは涙があふれ、止まることを知りませんでした。

私より、9つも年上の大人な女性。

私は恵さんの涙が枯れるまで、優しく髪を撫でていました。

時は過ぎ、6月になりました。

まみちゃんが妊娠9か月目を迎えます。

いよいよ出産への秒読み態勢となりました。

出産予定日は6月28日。

でも、何が起きるか分かりません。

まみちゃんのお腹の赤ちゃんは、よく動き回るようになりました。

普段のまみちゃんのウエストは55センチですが、すでに90センチに到達していました。

体重も42キロから77キロまで増えました。

不安を抱えるまみちゃんに明美さんや恵さんが優しく声をかけ、まみちゃんは落ち着きを取り戻していきました。

まみちゃんと歩く時は、私がまみちゃんの肩を抱き、ゆっくりと歩きました。

10日になり、20日が過ぎ、25日になりました。

まみちゃんは気持ちが落ち着くからと、明美さんや恵さんの子供たちとふれあいました。

午後3時頃、まみちゃんに最初の陣痛が来ました。

「あっ・・・痛い・・・ああ・・・痛い・・・」

最初の波は、10分程度で収まりました。

「加奈ちゃん、明美さん、まみちゃんの出産、始まりますよ」

次の波は30分後。

「ああ・・・いやだあ・・・あなた・・・あなた・・・助けてえ・・・」

加奈「まみ、大好きな彼に教えてあげるね」

加奈ちゃんは、私に電話をかけました。

「もしもし、まみ彼さん?私・・・加奈です。予定日より早いけど、まみちゃんの陣痛が始まりました」

「うん・・・分かった。今はどこ?」

「明美さんの部屋です。恵さんも一緒です」

「ありがとう。今から行きます。加奈彼さんも一緒です」

私たちが明美さんの部屋に着いたのは、午後5時前。

その時は陣痛が10分間隔になっていました。

「陣痛の間隔が狭くなって来たわ。もしかしたら、今夜が山かも・・・」

明美「短時間で陣痛が早くなって来たね。思ったよりも早く産まれるかも・・・」

部屋の中は、まみちゃんのうめき声に包まれました。

午後6時、陣痛の間隔が5分になりました。

「産婦人科に連れて行こう。誰か助けてあげて!」

「私が・・・」

「ありがとう」

明美さんのご主人、悠一さんが帰って来ました。

明美「あなた、まみちゃんが・・・」

悠一「ついに来たか。運転は任せろ」

私はまみちゃんを後部座席に横にしました。

そして、まみちゃんの背中を撫でてあげます。

「ああ・・・破水してる。時間がない。急いで!」

産婦人科に着いたのは午後8時。

渋滞で思ったよりも時間がかかってしまいました。

「ああ・・・ウソ・・・」

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