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体験談(約 34 分で読了)

【殿堂入り】【名作】【お勧め】ボクが家庭教師を務めることになった女子◯生と初対面したら、いかにもな不良少女だった(1/5ページ目)

投稿:2015-01-29 01:00:00

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センセ

ボクが美雪と出会ったのは大学3年の夏だった。

当時彼女は受験を控えた高◯生で、家庭教師の派遣元からの紹介でボクが家庭教師を務めることになった。

夏休みを控えたある日、ボクが美雪の家へ出向いた。

高級住宅街の中でもひと際目立った大邸宅がボクの探している家だと気がついた時、愕然とした。

"どんなわがままなお嬢様がボクを待っているのだろう・・・"

来年大学受験を控えた夏になってようやく家庭教師をつけるなんて、よほど頭が悪いか勉強嫌いかに決まっている。

そんなに勉強が嫌いなら進学なんかさせなければいいのに、お金持ちと言うのはとにかく見栄を張りたがるものらしい。

ベルを鳴らすとすぐに母親が出てきて、ボクを出迎えてくれた。

「先生、お待ちしておりました」

「初めまして」

ボクは優等生らしさを強調しようと少しオーバーに頭を下げて見せた。

どこに座ったら良いのか躊躇うほど高級そうな皮張りのソファーとかが置いてあるリビングに通され、促されてようやく座ると直ぐに教え子となる女の子が二階から降りてきた。

細身でストレートな長い髪にアーモンドアイという基本エレメントは良かったが、いかにもファンキーそうで、だらしない態度をした女子◯生が登場した。

お約束通りガムをくちゃくちゃ噛んでいて、挨拶もロクにできない。

それでもボクにとっては学生生活を支える貴重な収入源となるお客さまなので、ボクは小娘相手にきちんと挨拶をした。

「こんにちは。今日から数学を教えることになりました。よろしく」

女子◯生はボクを値踏みするようにちょっと失礼なくらいボクをジロジロ見ると、

「美雪です」

とひと言だけ言うと、首だけでボクに会釈をした。

「こら、美雪!きちんとご挨拶なさい!」

「いえ、お母さん・・・」

ボクが母親を制すると、母親は申し訳なさそうにボクに頭を下げてくれた。

娘はともかく、親の方はきちんとしていそうだ。

「この子、やればできる子なんです」

きちんとはしているが、親馬鹿だ。

派遣元からは、とにかくどこの大学にでもいいので入れるレベルにしてさえもらえればいい、そう言われてやってきた。

美雪の部屋に入ってみると、服装ほどの乱れはなく、それなりに整理された部屋だった。

本らしきものはマンガしかなくて、あとはテレビゲームのソフトが一応片づけられている。

ボクは美雪の隣に座って教科書をカバンから取り出させた。

思った通り、教科書には書き込みも折り目もほとんどなくて綺麗なものだった。

先が思いやられる・・・。

それでも気を取り直して、教科書に載っている初歩的な練習問題を指して、

「これ、解いてみてください」

と言ってみる。

問題を解き始める気配がないので美雪の方に目を向けると、ジッとボクを見つめている。

「ん?どうかしましたか?」

そう尋ねると、美雪はおもむろに、

「ねぇセンセ、どうして私なんかに丁寧語で話すの?」

「おかしいですか?」

「おかしいよ。念を押すまでもないけど、私、年下だよ」

「美雪ちゃんは自分が年下だという自覚がありながら、どうしてボクにタメ口で話すんですか?」

美雪はニヤリとしながらも、意外な質問を受けたという顔をしながら、

「私が質問しているの。質問に質問で返すのは無しだよ」

これにはボクが苦笑いをさせられた。

頭の回転は悪くないようなので、その日初めて、ボクは美雪に好感が持てた。

「ボクなりに理由はあるんですけど、こうしませんか。美雪ちゃんが問題を一問解いて正解をしたら、ボクが美雪ちゃんの質問にひとつ答える。どうですか?」

「どんな質問でもいいの?」

「はい」

「それなら、いいよ」

美雪は涼しい顔で答えると教科書とボクを見比べて目で"どれ?"と尋ねた。

ボクがさっき言った練習問題を指すと、美雪はノートを取り出してサラサラと問題を解き始めた。

一分も経たないうちに、

「できたよ」

と言ってノートから顔を上げた。

半信半疑でノートを覗き込むと答えは合っている。

「じゃあ、これとこれ」

ちょっと悔しくて大人げないけど、授業でまだ習っていないかもしれない教科書の真ん中あたりの練習問題を指してみるとこれも直ぐにサラサラと解いて見せた。

"ウソだろ?"

信じられなかった。

ボクはムキになって、教科書の最後の方の問題を二つ選んだ。

「これとこれも解いてみて」

美雪は直ぐにノートに鉛筆を走らせると瞬く間に解いてしまった。

脱帽だった。

「美雪ちゃん、どうして・・・」

「ストップ!センセ、問題を解いたのは私だよ」

確かにそうだ。目で続きを促すと、

「五つ解いたから、五つ質問できるよね?」

と言うのでボクは頷くしかなかった。

「嘘の答えはダメだよ」

「わかってるよ」

「センセ、私を見てダメな子だと思ったでしょう?」

ボクは正直に頷いた。

「どうして丁寧語じゃなくなったの?」

"しまった!"

思わず我を忘れて普通に喋ってしまった・・・。

「多分驚いたからだと思う」

素直に告げると、美雪は満足そうに頷いて、

「あと三つはとっておくね」

と言われた。美雪は悪戯っぽい目をして、

「センセ、もっと問題出して」

と言ったが、ボクは直ぐに白旗を上げた。

勝てない勝負を続けたら、泥沼にハマる。

美雪にどんどん問題を解かれたら、ボクは何でも洗いざらい喋らされて美雪に丸裸にされてしまうと思った。

「ねぇ、どうして美雪ちゃん、勉強できないふりをしたの?」

美雪は少し悪戯っぽい笑みを浮かべると言った。

「センセ、問題解いてないけど、特別に答えてあげるね」

"これはまた、一本取られた・・・"

そう思ったのが顔に出たのか、美雪はクスリと笑うと続けた。

「私は、出来ないふりなんかしてないよ」

「えっ?」

「センセが私を見て勝手にそう思ったんだよ」

言われてみればそうだった。

確かにボクは美雪の見た目に惑わされてしまった。

「でも、どうしてそんな風に思われるような態度を取っているの?」

「センセ、もう質問の権利ないんですけどぉ」

ボクは苦笑しながら美雪にはっきりと言葉で白旗を揚げた。

「美雪ちゃん、降参だよ。だから、普通に喋ってもいいかな?」

美雪は特にボクをやり込めた風な態度は見せず、ニッコリ笑うとあっさり"いいよ"と言った。

「聞きたいことは色々あるけど、しばらくお話しする?それとも勉強を続ける?」

美雪は少し考える素振りを見せて、

「勉強する。センセはそこで好きなことしてて」

と言った。

確かに美雪には家庭教師なんか必要無さそうだった。

少なくとも数学について、ボクの出る幕はなさそうだ。

教科書の基礎問題を普通に理解し、難なく解けるなら後は自分一人で問題集の応用問題をどんどん解いていけば、自然と学力はアップする。

"事情はよく解らないけど、初日でボクはお払い箱だな"

"どうせ今日でおしまいなんだから"

そんなことを思いながら、ボクはお言葉に甘えてマンガを読ませてもらうことにした。

女の子のベッドに腰掛けるのは気が引けたので、フローリングの床に腰を下ろして読んでいると美雪は黙って部屋を出て行き、直ぐに座布団を持って戻ってきた。

「センセ、女の子のベッドにいきなり座らなかったの、偉いよ」

「そりゃ、どうも」

その日ボクは、マンガを読み続け、美雪に促されて再び彼女の隣に座らされた時、ノックの音が聞こえた。

すぐに扉が開かれて、母親がケーキと紅茶を持って入ってきた。

「どう?お勉強進んでる?」

「うん、センセ、教えるの上手だから結構進んだ」

"何を言い出すのかと思えば・・・"

驚いて声も出ないボクを尻目に、それを聞いた母親は満足そうに部屋を出て行った。

ボクはただそれを焦点の定まらない目でぼーっと見送った。

「センセ?」

美雪の声で我に返ると、

「ケーキ食べなよ」

と言って、美雪はフォークを渡してくれた。

時間はあっという間に過ぎて、"では、また来週"ということになった。

「センセ、この番号に掛けてみて」

部屋を出る前に、美雪に言われるがままに携帯から電話を掛けさせられると、美雪の携帯電話が短く鳴った。

ディスプレイに表示された番号を満足そうに見ながら、美雪は自分の携帯にボクの番号を保存した。

ボクはどうしてだか家庭教師を首にならず、それからも毎週美雪の部屋でマンガや雑誌を読むアルバイトが続いた。

夏休みの間も相変わらずだった。

美雪は自習を続け、ボクはマンガを読んで過ごしていたが、流石にこれではマズいだろうと思い、数学以外でもいいので見てあげようとしたら、逆に問題を出されてやり込められてしまった。

でも美雪にはそんなボクをバカにしている風なところは微塵もなくて、ボクが困った顔をするのを単に楽しんでいるだけのようだった。

美雪の態度は少し改まったものの相変わらずだったが、学力についていえば数学はボクの現役時代と同等で、それ以外はボク以上であることが夏休みを終わる頃には分かってきた。

そんな風にして二、三カ月が経ったある秋の土曜日、カップラーメンを啜りながらテレビを見ていると携帯が鳴った。

「もしもし、センセ?」

美雪からだった。

「うん」

「今日、もしかしてヒマ?」

いきなり失礼な奴だと思ったが、図星だったので素直に肯定した。

「ねぇ、お買い物に付き合って」

「いいけど、少しは接しやすい態度でボクに合わせてくれる?」

「うん、わかってる」

そう言うと、美雪は待ち合わせ場所と時間だけを告げると電話は直ぐに切れた。

美雪が指定してきたのは、人混みでごった返す待ち合わせ場所の代名詞みたいな場所だった。

"こんな人混みの中、どうやって・・・"

ボクは時計と睨めっこをしながら時間を気にして美雪の姿を探した。

間もなく待ち合わせ時刻というところまで迫ったところで、ボクの視線を遮るように目の前にすっと立ちはだかった女性がいた。

「センセ、お待たせ」

その声は間違いなく聞き覚えのある美雪だったが、風貌は一変していた。

初秋らしいフレアスカートに真っ白なブラウスを身に纏い、どこから見ても清楚で真面目な女子高◯生だった。

爪は透明のマニキュアだけで顔も薄化粧のナチュラルメイクだった。

「美雪・・・ちゃん?」

「どう?見違えた?」

「・・・うん、馬子にも衣装?」

「ひっどーい!」

そう言いながらも美雪はニッコリ笑ってボクに腕組みをしてきた。

"おい、おい、ボクの腕におっぱい、当たってるんじゃないの?"

そんな心配をよそに、ボクは美雪に促されて一緒に歩き出した。

「どこへ行くの?」

「いいから、いいから」

美雪はボクの腕にしっかり掴まりながら、身体を押し付けたり引っ張ったりしながらボクを目的地へと誘導していった。

高いビルの高層階に達し、ボクたちが到着したのはプラネタリウムだった。

二人分の入場料を払わされて中に入ると、すぐに係の人が扉を閉めて、上映が始まった。

もう都会では見られない満天の星空だった。

久々に見る星空に何だか感激して、最後には流れ星まで流れていたので反射的に願い事をしてしまった。

"美雪ちゃんが大学に受かりますように"

そう心の中で唱えた自分に驚いた。

"宝くじが当たりますようにとか、美人の彼女ができますようとか、いくらでもあるだろうにどうして美雪ちゃんの・・・"

ちょっと後悔して願い事をし直そうと人口の空を見上げ続けたが、その後はどんなに目を凝らしていても、プラネタリウムの天井に流れ星は流れなかった。

ゆっくりと夜明けを迎えて場内が明るくなった時、美雪ちゃんはボクの隣の席で音も立てずに眠っていた。

"疲れているのかな?"

そう思ってもう少し眠らせてあげたかったけど、係員のお姉さんの目が"終わりましたよ"と言っていたので、美雪の肩を軽く揺すって起こした。

「あっ、寝ちゃってた?もったいなーい!」

美雪は両手を頭上に突き上げて伸びをすると、ボクの顔を見ながら目を瞬いてみせた。

「退屈だった?ボクは結構楽しんじゃったけど」

「センセ、ごめん。私、昨日寝てなかったから眠くなっちゃった」

ボクに質問を許す間を与えず、美雪はボクの腕を取って、

「センセ、パスタ食べたーい」

と言って歩き出した。

"買い物に付き合うんじゃなかったんだっけ?"

そう思いながらも、髪を染め直した美雪の誠意に免じてボクは何も言わずに美雪に従った。

「細い身体でよくそんなに食べられるね」

「うん。私、大食いコンテストの予選に出たことあるよ」

「・・・」

「ねぇ、センセ、もうひとつ注文していい?」

先週の家庭教師代が消えるな・・・と思ったが、構わなかった。

元々マンガを読んでるだけのバイトだったので文句も言えない。

"それにしても、すごく美味しそうに食うなぁ"

そう思って見ていると、何だか美雪がとても可愛らしく見えてきた。

「ごちそうさまでした!」

ボクの前で手を合わせる美雪を見ながらボクは財布の中身が少し気になったが、美雪はちっとも気にしている様子はなかった。

"金持ちの娘は、お金の心配なんかしたことないんだろうなぁ"

そう思うと、ちょっと羨ましい気もした。

「次はどうするの?」

ボクの問いに返事はなかったが、美雪に手を引かれて次に向かったのはマンガ喫茶だった。

美雪はここでもボクにお金を払わせて、二人用のボックス席を選んで入ることになった。

しばらく二人で寝そべってマンガを読んでいたが、美雪はボクの耳元に唇を寄せると小声で

「センセ、キスしよっか?」

と言ってきた。

「子供に興味はないよ」

本当は股間の膨らみがMaxに到達しようとしていたけど、軽い男に見られたくなくて、そんな返事をしてしまった。

「ふぅん、そうなんだ」

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