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投稿:2014-09-20(土)17:00

【お勧め】繁華街を歩いてたら酔っ払った先輩がフラフラと歩いてた

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東京都/田中さん(20代)からの投稿

少し長くなるけどボクの大切な人との馴れ初めを書いてみたい。

「田中くん、この受注報告書、間違っているわよ」

笹倉さんにそう言われ、ボクは頭を掻きながら書類を受け取ると自分の席に戻ってどこが間違っているのかを探し始めた。

この道二十年近くのベテラン社員である笹倉さんは手堅い事務で定評のある人だが、間違いがあることは言ってくれてもどこが間違っているのかは教えてくれない。

"営業のボクは忙しいのだから、どこが違っているのか言ってくれても良さそうなものなのに"と一人ごちて書類と睨めっこをしているうちにようやく判った。

ボクは受注報告書を訂正すると、笹倉さんのところに持っていった。

「気をつけてね」

笹倉さんは一瞬だけ目を上げてその一言を言うと、書類を受け取ると直ぐにパソコンに視線を戻して自分の仕事に戻った。

二十年のベテランというのだから恐らく年は四十前後、女性にしては背が高くて髪の毛をいつもひっつめにしているので、オフィスでは目立つ方だ。

胸は薄くて小さいが、すらっと背筋が伸びていてよく見ると身体のバランスはとれており、清楚な感じの中にどことなく品があって、四十前後とは思えないくらい若くて綺麗だ。

とは言ってもいつもメガネを掛けていて、二十代には見られない人生の深みみたいな雰囲気は十分に漂っていた。

笹倉さんは仕事に対して真面目な分、周りの人にはちょっと厳しい。

その結果、若い女の子に給湯室でたまに悪口を言われたりする。

「笹倉さんたらねぇ、"間違っている"って言うから"どこですか?"って聞いても教えてくれないのよぉ」

「わかるぅー、自分がちょっと仕事ができるからって、上から目線なのよねー」

笹倉さんは意地悪ではない。

当然に上から目線なわけでもない。

さっきの報告書だって、本当のことを言うとボクは一ヶ月ほど前に別の報告書で同じところを間違えていた。

笹倉さんは確かその時には何が間違っているのかを丁寧とは言えないけれど、きちんと教えてくれた。

「君たち、自分に非がないなら陰でコソコソ言わないで笹倉さんに直接言ったら?」

給湯室を覗き込むようにして入り口でそう言ってやったら、二人の女子社員は少しむくれて給湯室から出て行こうとした。

ボクを無視して横を通り過ぎたようとしたところで二人の足が止まった。

振り返るとそこにはマグカップを持った笹倉さんが立っていた。

二人は一旦顔を見合わせたあと、バツが悪そうに目を伏せながらそそくさと走り去って行った。

「笹倉さん、聞いてたんですか?」

「何のこと?」

そう言うと、笹倉さんはそれ以上は何も言わずに給湯室に入って行って、手に持っていたマグカップを洗い始めた。

笹倉さんはいつも白っぽいブラウスを着ていて、後ろから見るとブラジャーがちょっとだけ透けて見える。

そんなことがあってから二週間ぐらいが経った金曜日の夜だった。

ボクが接待の帰りで繁華街を歩いていたら、向かいからフラフラと歩いてくる笹倉さんにバッタリと出くわした。

メガネは掛けていなかったけれど、直ぐに笹倉さんだと判った。

「笹倉さん!」

びっくりして思わず名前を呼ぶと、笹倉さんはゆっくりと酔った視線をボクに向けると、

「あっ、田中くんだぁ」

と少し呂律の回らない口調で言った。

「こんなところで何してるんですか!」

ボクの口調に少し非難の色を感じ取ったのか、

「おっ、報告書もきちんと書けない男が何か言ってるぅ・・・」

そう言うと笹倉さんの身体が大きく揺れて倒れそうになったので、ボクは笹倉さんの脇に手を回して支えた。

「あ、田中くん、いま、わらしのおっぱい触ったぁ」

「ち、違いますよ!支えなきゃ、笹倉さん、転ぶところでしたよ!」

「あー、痴漢のいいわけぇ・・・」

"まいったな・・・"

そんな風に呟いていると、笹倉さんはゆらゆらと身体を揺らしながらボクに背を向けてバッグの口を開けたまま歩き始めた。

身体が傾いた拍子にバッグの中身が道に散らばったのに、笹倉さんはそれらを拾おうともせず、お構いなしにフラフラと歩いていく。

ボクは笹倉さんが落としていったものを拾い集めると、"携帯に財布まで落ちてるじゃん・・・"などと思いながらも歩いて立ち去ろうとする笹倉さんに小走りで追いつくと肩を貸した。

ちょうど通りかかったタクシーを拾ってぐにゃぐにゃになる一歩手前の笹倉さんの身体を押し込んだ。

"この泥酔客を押し付けて行ったりしませんよね"

運転手の目がそう語っていたので、ボクも一緒に乗り込まざるを得なかった。

「どちらまで?」

タクシーの運転手に聞かれたが、笹倉さんの住所なんか知らない。

悪いと思ったが、財布を開いてみると免許証が入っていたのでそこの住所を告げるとタクシーは走り出した。

住所を見るついでに生年月日まで目に入ってしまった。

頭の中で計算すると四十歳にはなっていなかった。

気がつくと、笹倉さんはボクの隣でスースーと寝息を立てていた。

いつものひっつめの髪を下して寝顔を見せる笹倉さんの姿は無防備でちょっぴりエロかった。

ブラウスの胸のボタンがひとつ外れていて、ピンク色のブラジャーが少しだけ見えていたのが"ラッキー"と思ってしまった。

笹倉さんのうちはタクシーで二十分ほどのところだった。

"これってボクが払うのかなぁ"

たいした金額ではなかったが、そんなことを思いながらも笹倉さんの財布から払う気にはなれなくて、自分の財布から一万円札を差し出すと運転手のおじさんに露骨に嫌な顔をされた。

お釣りを受け取って笹倉さんをほとんど抱えるようにしながらマンションに入ろうとしたら、当然のことながら鍵がない。

「笹倉さん、鍵は?」

笹倉さんの顔を覗き込んで聞いてみたが予想通り返事はなく、申し訳ないと思ったけれどそのまま放っておいて帰るわけにはいかないので、バッグの中を覗いたらガラスのキティちゃんのキーホルダーがついた鍵が出てきた。

「失礼しまぁす」

返事は期待していなかったけれど、一応家の主に声をかけてボクは部屋に足を踏み入れた。

灯りのスイッチがどこにあるのかわからなくて、暗がりの中で目を凝らしながらベッドを見つけて寝かせつけると笹倉さんがボクに抱きついてきた。

「お水・・・、お水をちょうだい・・・」

"しょうがないなぁ"

そう思いながらもようやく台所の灯りのスイッチを見つけ、食器棚からガラスのコップを取り出して水を汲むと笹倉さんのところに戻っていった。

戻ってみると、笹倉さんはいつの間にか身に着けていた衣服を脱ぎ捨てて、ブラジャーとショーツだけでベッドに横になっていた。

「笹倉さん、ほら、水ですよ」

笹倉さんの身体を抱き起こしてコップを唇に当てたけれど、零してしまってどうにもならない。

白い喉を伝って濡れた首筋がなんだか艶かしかった。

"それにしても笹倉さん、着やせするタイプなんだな・・・"

普段は会社で澄ました態度でいる清楚な笹倉さんとは違って、そこには艶かしい一人の熟れた女性がいた。

"ちょっとくらい、いいよな"

自分に言い聞かせ、ボクはブラジャーの上から笹倉さんのおっぱいに触れてみた。

大きくはなかったけれど、柔らかい感触が掌に触れた。

メガネを外した笹倉さんがかなり端正な顔立ちをしていたのも何だか新鮮だった。

その時、笹倉さんは寝ぼけたまま再びボクに抱きついてきた。

お酒の匂いに混じって笹倉さんの体臭がほのかに香った。

会社でも時々嗅いだことのあるいい匂いだった。

そう言えば、タクシーに乗り込んだ時もこの香りがほのかに漂っていた。

その匂いを嗅いだ途端に、ボクの下半身は暴走モードに突入。

抱き付かれたのをいいことに、笹倉さんの身体を抱きしめてみると華奢な身体だった。

"失礼しまぁす"

一応、挨拶だけは心の中で済ませると笹倉さんの背中に腕を回してブラジャーを外し、台所の明かりを頼りに貧乳っぽいけど形のいい乳房に吸い付いてみた。

「あぁん・・・」

笹倉さんは艶かしい声を上げて一層強くボクの頭を抱きしめてきた。

"いただきまぁす"

いざという時のためのエチケットとして持ち歩いていたコンドームを財布から取り出すと、ボクは笹倉さんの下着を脱がして細くて長い脚を脇に抱えると一気に挿入を果たした。

"えっ?"

笹倉さんの中は温かく、それでいて結構狭くて、それまでに経験した同年代の女の子とはまったく違った感触に包まれてボクは戸惑った。

笹倉さんが目を瞑ったままボクの首に抱き付いてきて、舌が絡み合う大人のキスをされた。

"き、気持ちいい・・・"

そのまま激しく腰を動かすとどんどん締まってきて、あっという間にボクは果ててしまった。

何が起こったのか自分でもわからなかったが、笹倉さんの温かい膣がボクに絡みついてきてあっという間の出来事だった。

笹倉さんに精液がつかないようにそっと抜いて、ゴムの根っこをくるっと縛るとティッシュに包んで部屋のゴミ箱に放り込んだ。

射精した途端、笹倉さんを抱えるようにして家に辿りついた重労働のせいか、どっと疲れが出てきた。

睡魔に勝てずに、ボクは服も着ないまま笹倉さんに抱きつくようにして、そのまま一緒に眠りこんでしまった。

目を覚ますと、もう服に着替えた、というより衣服を身にまとった笹倉さんが床に座り込んでボクを見つめていた。

「おはよう・・・」

「おはようございます」

「・・・」

「・・・」

何だか気まずくてボクたちの間に沈黙が流れた。

沈黙に耐えられなくなったボクは、

「笹倉さん・・・、二日酔い、大丈夫ですか?」

と、どうでもいいことを訊いた。

「あ、うん、ありがとう・・・、あ、それより先に服を着てくれるかな」

笹倉さんはボクの方をあまり見ないようにしながら言った。

見ると枕元にはボクの脱ぎ捨てたスーツのズボンと下着がきれいに畳んでおいてあった。

「顔を洗ってきていいですか?」

ボクがそう言うと、笹倉さんは黙ってバスルーム前の洗面所の方を指し示した。

顔だけを洗って口を濯がせてもらうと、笹倉さんがハンドタオルを渡してくれた。

重い空気が流れていたが、一段落してベッドのところに戻って腰掛けると、ようやく笹倉さんが口を開いた。

「あの・・・、田中くんが送ってくれたの?」

「はい」

「わたし、昨日酔っちゃってて・・・」

「はい、泥酔と言っても過言ではないと思います」

「私、何か変なこと言ってなかった?」

「いいえ。何も覚えてないんですか?」

「田中くんに会ったことは微かに覚えてるんだけど・・・、あの・・・」

「はい」

「私たち・・・、しちゃった?」

「えっ、あ・・・、はい」

「そう・・・」

笹倉さんは小さく溜め息をつくと俯いた。

「あの・・・」

「はい」

「・・・中で出してないよね?」

笹倉さんが心配そうな顔をして訊くので、ボクはちょっとからかいたくなって、

「笹倉さんが"中でイッて"って仰るので、そのままイッちゃいました」

と答えた。

「ええーっ!?」

笹倉さんが本当に困った表情になって、ボクはしばらくそれを眺めていたが、ゴミ箱のティッシュを取り出して開き、中に包んでいたゴムを見せた。

笹倉さんが安堵の表情を見せ、今度は"はぁー"っと大きく息を吐き出した。

「あの・・・、田中くん・・・、昨日のことは・・・」

「はい、わかっています」

「えっ?」

「成り行きですよね」

「えぇ、まぁ・・・」

「わかってますから」

「何があったか訊かないの?」

「訊いてほしいんですか?」

「いえ、そうじゃないんだけど・・・」

「じゃぁ、忘れますね」

「そんなにドライでいいの?」

「笹倉さんはきっと何か嫌なことでもあって、お酒を飲んで忘れたかったところに、ボクと偶々出くわした。二人とも酔っていてエッチしちゃいましたけど・・・、それだけです」

「それだけって・・・」

「もっとドロドロした方がいいですか?」

「ううん。でも、田中くんって、若いのにすごく割り切ってるんだね」

「そんなことないですよ」

「そんなことあるよ」

それを聞いたボクは思わず笑ってしまったが、少し間を置いて言った。

「・・・ただ、女の人にあんまり期待しないようにしてるんです」

「どういうこと?」

「そういうことです」

「?」

「まぁ、どうだっていいじゃないですか。それともボクに興味、湧いてきました?」

笹倉さんは何かを言おうとしたが、そのまま言葉を飲み込むと小さく首を横に振った。

「じゃぁ、ボク、帰りますね」

「あっ、朝ごはん、食べていく?」

「そんなことしてもらったら、変に情が湧くじゃないですか。それともそれを期待してます?」

笹倉さんは少し呆気にとられた顔をしていたけれど、ボクが立ち上がって玄関に向かうと我に返ったようにボクの先回りをして靴を揃えてくれた。

「月曜日に会った時は元通りです」

「えぇ」

「ボクは誰にも言いませんし、笹倉さんともこのことはもう話題にしません」

「・・・」

「じゃぁ・・・」

「あの・・・」

「はい?」

「私には口止めしておかなくていいの?」

「誰かに話してしまいそうなんですか?」

「・・・いいえ」

「じゃぁ、口止めも必要ないです」

ボクは玄関の扉を開くと振り向いて、

「ごちそうさまでした」

そう言って頭を下げた。

「やだ、田中くんったら」

笹倉さんが少し顔を赤らめて俯いた瞬間、ボクはそっと玄関の扉を閉めた。

月曜日の朝に会ったとき、ボクたちは本当に元通りだった。

「おはようございます」

先輩社員に対していつもの通り、普段通りの挨拶をしただけでそれっきりだった。

ボクには大学時代にとても好きな娘がいた。

大学で知り合って3年間付き合って、卒業したらボクはカノジョと結婚するのだと信じて疑わなかった。

ボクの初体験はカノジョとだったし、カノジョにとってもボクが始めての男だった。

ボクにはもったいないような綺麗な娘で、一緒に居るのが楽しくて、自慢でもあった。

ボクたちは毎日デートしているようなものだった。

一緒に講義を受けて、好きな本の話をして、一緒に映画を見に行って、お茶を飲んで、お互いの家でゲームをすることもあれば、スキーやダイビングの旅行にも出かけて行った。

ボクはカノジョのためになら一生を捧げられると思っていたし、自分の命よりも大切な人だと思っていた。

けれども卒業間際になってカノジョはボクを裏切った。

田舎の親父が病気で倒れ、ボクが急に仲間内のスキー旅行に行けなくなった時、卒業に盛り上がった勢いで好きでもない同級生に身体を許してしまった、と後になってカノジョはボクに泣きながら告白してきた。

どうしてそんなことをボクに告げるのだろう。

今考えるとそれがカノジョの精一杯の誠意だったのだとわかるのだけれど、当時のボクは心の狭いちっちゃいヤツで、真意が理解できずに苦しんだ。

苦しんだ挙句、ボクはカノジョを許せないという口実の下、カノジョから逃げた。

本当はまだ大好きだったけれど、"穢れたカノジョをもう愛せない"などと自分で自分に嘘を吐いて別れを告げた。

カノジョは泣いて謝って、"別れたくない"とだだを捏ねてくれたけど、ボクの中ではわだかまりを消化できずに酷い言葉でカノジョを非難してしまった。

あまりの言葉に唖然とするカノジョにボクは背を向けて、その場を立ち去った。

それがカノジョと会った最後だった。

それからは女の人とは真剣に向き合うことができなくなった。

自分が傷つくのが怖くて心を開けなくなると、相手も心を開いてくれない。

いつもいつも疑心暗鬼になり、もう何もかもどうでもよくなってカノジョなんかいらないとさえ思い始めた。

カノジョが欲しいと思わなくなった途端、どうでもいい女の子ばかりが寄りついてくるようになった。

軽いノリで直ぐに股を開く女の子たちは性欲の捌け口としてはもってこいだったが、彼女たちと身体を重ねても心が満たされることはなかった。

女の子に不自由することはなく、身体の関係を結んでも、結局ボクが心を許すことがなかったのだと思う。

相手が処女でないと分かった途端、自分のことを棚に上げて、ボクの中の気持ちは一気に冷めてしまった。

ボクが初めての男でも、どんなに可愛らしくて清楚でお淑やかな女性でも、ボクの心を揺さぶる女性は現れなかった。

笹倉さんとのことも同じだった。

特に好意を抱いていたわけでも何でもなく、ただ急にムラムラして性欲を満たすためだけにご馳走になった。

想像をはるかに超えて美味しくいただいたが、それによってボクの心が揺れたり、惹かれることはなかった。

けれどもあんな体験は初めてで、それだけが強く印象に残っていた。

「田中くん」

「はい」

「伝票、ここ間違ってるけど」

声のトーンはいつもの通りだったけれど、笹倉さんは伝票の間違っている箇所を指で押さえながらボクの机に伝票を置くと自分の席に戻っていった。

「えっ?」

よく見ると間違いは何週間か前に笹倉さんに突き返された伝票と同じところの間違いだった。

"やってしまった"と思ったが、笹倉さんが間違えている箇所を教えてくれたことにちょっと驚いていた。

ボクは伝票を訂正すると笹倉さんのところへ持って行った。

何か言われるかなと思って、敢えて笹倉さんが一人の時に持って行ったが、笹倉さんはボクに何も言わずに伝票を受け取った。

少し物足りなさを感じたけれど、あまり気にも留めず、瞬く間にそれから数日が過ぎていった。

夕方に外勤からオフィスに戻ってくると、部長が物凄い剣幕で誰かに怒鳴り散らしていた。

あまりの声の大きさに部屋の中に入っていくのが一瞬躊躇われるほどだった。

部長は瞬間湯沸かし器みたいな人なので、ミスをするとこっぴどく叱られることもあるが、その日の怒りモードは尋常ではなかった。

こっそりと部長の声がする方を盗み見てみると、部長席の前に立たされて項垂れていたのは笹倉さんだった。

"笹倉さんが叱られているのなんて見たことないな"

そう思いながらも席について報告のまとめを始めていると、どうやらボクの担当先のことで叱られているらしい。

部長の声が大きいので嫌でも話の内容が耳に入ってくる。

しかし話の内容が呑み込めてくると、ボクはだんだん血の気が引いていった。

ボクはそっと自分の引き出しを開けて、一週間ほど前に回した受注報告書をそっと盗み見た。

得意先に届けるべき分量の十分の一の数字しか記載されていない。

ゼロが一つ足りなかった。

明らかにボクの段階で一桁間違えている。

ボクが間違えた数字で受注報告書を回し、それを元に笹倉さんが工場に発注したのだが、どうやら発注量のミスをしたのが笹倉さんということになっているらしい。

笹倉さんが散々叱られた後のようだったので今さら名乗り出るのは気が重かったが、笹倉さんを悪者のにしておくわけにはいかないので正直に名乗り出た。

「あのぅ、部長・・・、受注報告書の数量ミスったの・・・、ボクなんですけど・・・」

部長は一瞬面食らったような表情をして、次に顔を真っ赤にして怒鳴った。

「バカモノ!」

部長の怒鳴り声が部屋中に鳴り響いた。

部長はボクを散々能無し呼ばわりした後で、

「笹倉も、自分のミスでなければどうして直ぐに言わないんだ!」

と理不尽な怒りを笹倉さんにぶつけた。

怒りの矛先を誰に向けたらよいのかわからなくなって、部長はそのまま怒鳴り散らしていた。

「おい、田中、これから謝りに行くぞ」

課長が助け舟を出してくれて、ボクは部長に頭を下げると課長と一緒にその場を離れた。

課長のひと言で部長もやっと振り上げた拳を下ろすきっかけを見つけられたようだった。

オフィスを出る時、振り返ると部長が笹倉さんに席に戻るように言っているのが部長の手の動きでわかった。

ボクは笹倉さんの背中にも頭を下げると取引先へと急いだ。

平身低頭、先方の担当者にお詫びを入れてオフィスに戻ってきた時、笹倉さんはまだ自分のデスクで残業をしていた。

ボクは笹倉さんの席に真っ先に向かうと頭を下げて詫びた。

「私も気づいてあげられなかったんだから、そんなに謝らなくていいよ」

笹倉さんの目にボクを責めている気配は微塵もなかった。

「笹倉さんは営業から回ってくる数字しか見てないんですから気付きようがないですよ」

「でも、今の時期であそこの取引先なら、一桁違うと気づくべきだったわ」

ボクは笹倉さんの仕事の熟練度とプロ意識に舌を巻いた。

そしてそのままもう一度頭を下げると、ボクは自分の席に戻って残務を片付け始めた。

気がつくと、オフィスには笹倉さんのほか数名しか残っていなかった。

ボクは再び笹倉さんのところへいって、

「どこかでご飯食べて帰りませんか?お詫びに奢ります」

と誘ってみた。

笹倉さんが直ぐに返事をしなかったので、断られると思っていたら、

「割り勘なら行く」

と言って顔を上げた。

こっちが吃驚するような優しい目をしていて、思わずドキッとして目を逸らしてしまった。

「あと五分ぐらいで出られますか?」

尋ねると笹倉さんは、ボクの目の前でパソコンの電源を落として、

「お手洗いに寄っていくから五分後にビルを出たところで待っていて」

と言ったので、ボクは慌てて席に戻り、散らかった机の上のものを引き出しに突っ込んで鍵を掛け、カバンを掴むとエレベーターへと急いだ。

女性の喜びそうなお洒落な店を選ぼうと思っていたが、社交辞令として食べたいものを聞いてみると韓国料理と言われてしまった。

ボクの中に韓国料理屋のレパートリーは入っていなくて、結局笹倉さんが知っているお店に行くことになった。

「何か飲みます?」

「私はウーロン茶」

飲めないわけではないことを知っていたが、何も聞き返さずにボクはウーロン茶とジンジャーエールを注文した。

「田中くん、変わってるよね」

笹倉さんは出てきたチャプチェを口に運びながら言った。

「そうですか?」

「多分、関心が無いからなんだろうけど、余計なことは訊かないし・・・」

「どうして飲まないのか訊いた方がいいですか?」

「ううん」

笹倉さんは軽く首を横に振った。

「それよりも、どうして自分のミスだって部長に言ったの?」

「どうしてって言われても・・・」

「この間のこと、関係している?」

「この間って、エッチしちゃったことですか?」

ストレートすぎるかと一瞬躊躇ったけど、そう尋ねると笹倉さんは少し顔を赤らめて頷きながらも目を伏せた。

「関係ないですよ。でも、それって変わってるんですか?」

「昔も何度か同じようなミスがあって私が怒られたことがあるんだけど、あんな風に部長に言ってくれたの田中くんだけだよ」

「えっ?他の人は笹倉さんにミスを押し付けたんですか?」

「ううん、そんな悪い人たちじゃないから。でも、ほとんどの人は後からこっそり私のところへやってきて謝るの。お菓子を持って来てくれたりした人もいたわ」

「ふぅん、そうなんですか・・・」

「罰点がついちゃうのとか気にならないの?」

「罰点ですか・・・、考えたこともなかったです」

「だから変わってるって言ったの」

「・・・まぁ、要領が悪いだけみたいですね」

満腹になるまで食べて、ボクがお会計を済ませようとすると、

「もういただいてますから」

とお店の人に言われてしまった。

店員さんの視線の先にはウーロン茶を飲み干している笹倉さんの姿があった。

アルコールは口にせずに食事だけを終えて店を出た。

タクシーを拾おうと手を上げた時、笹倉さんがボクの腕を自分の腕で抱えるようにしてくっついてきた。

本当はドキッとしたけれど平気なふりをした。

ボクは何も言わずにタクシーを止めると一緒に乗り込んで、そのままホテル街まで車を走らせてもらった。

ラブホに入ると笹倉さんは黙ってシャワーを浴びに行って、バスタオルを細い身体に巻いて戻ってきた。

ボクも入れ替わりでバスルームに入り、部屋に戻ってくると電気が消してあって、笹倉さんはベッドに潜り込んでいた。

シーツを少し持ち上げて、笹倉さんの横に身体を滑り込ませるとボクは笹倉さんの首の下に腕を差し込んで、あのいい匂いのする身体を引き寄せるとキスをした。

お酒を飲んでいない素面の笹倉さんのキスは優しいけど、ねっとりとしていてエロかった。

笹倉さんの身体を覆っていたシーツを下げておっぱいを揉み、もう一度キスをしたところでベッドサイドの灯りを点けた。

すると笹倉さんは慌ててベッドの上で背を向けて身体を丸めると、

「見ないで!」

と言った。

ボクは宥めるようにゆっくりと笹倉さんを仰向けにさせ、胸を隠してる腕を剥がすようして綺麗なおっぱいにそっとキスをした。

胸に戻そうとする両腕を頭の高さでベッドに押し付けるように押さえると、身体を少し離して笹倉さんの小さいけれど綺麗なおっぱいを鑑賞させてもらった。

若い娘と比べると乳首が少し茶色く黒ずんで見える。

それが恥ずかしいのか、笹倉さんは顔を横に向けて硬く目を閉じていた。

「笹倉さん、きれいですよ」

そう言ってピンと勃ったままの乳首を口に含むと、

「あぁん・・・」

と笹倉さんは喘いだ。

ボクは空いた手を笹倉さんの身体に這わせ、茂みの辺りで少し彷徨ったあと、蜜で潤った亀裂を指で撫であげた。

笹倉さんは普段の清楚な装いとは違った夜の顔を見せた。

感度抜群だった。

「あ、あ、あ、ダメ!」

笹倉さんはボクの手首を掴んで動きを止めようとしたが、ボクはそのまま指の動きを早めて笹倉さんを絶頂に導いた。

笹倉さんが息を整えるように目を閉じてグッタリしているところで脚を大きく開かせると、ボクは茂みを掻き分けてまだヒクついている襞に舌を這わせた。

「あーっ・・・、田中くん、すぐはダメだって・・・、それ以上は、あっ・・・」

それでも構わずに敏感な突起を舌で舐めたりつついたりしながら蜜壺に指を差し込んで出し入れし、やがて掻き回すようにざらついたところを刺激し続けると、

「あー、そこはダメぇ・・・、もう、イッちゃう・・・」

「あ、あ、あ、そこっ、あ、イクっ・・・」

「あぅ、あっ、イッちゃう、イッちゃう、あー、イク、イク、イクっ!」

と我を忘れて喘ぎ声を発し、ガクガクと身体を震わせながら胸を突き出すように身体を反らせたかと思うと昇天し、それっきり動かなくなった。

欲望と快楽をそのまま曝け出しているようで、滅茶苦茶エロかった。

でも、こんなに素直に自分を見せてくれる女の子には出会ったことがなかったので、ちょっと驚くとともに感動を覚えていた。

ボクは自分では射精していないのに、笹倉さんが感じてくれるだけで物凄い充実感を味わった。

若い女の子では一度も感じたことのない征服感というか、満足感でそんなことは初めてだった。

ボクは自分が果てる以外のセックスで、こんなに充実した優しい気持ちになれるのかと自分でも正直なところ驚いていた。

ボクがそれまでずっと忘れていた女の子への愛しい気持ちが少しずつ蘇ってくるのを感じて、ベッドに横たわる笹倉さんの身体をそっと抱きしめた。

笹倉さんは薄っすらと目を開けてボクの顔を見ると、

「田中くん・・・、結構遊んでるんだね・・・」

と囁くような声で言った。

痛いところを突かれたが、平静を装って、

「ガッカリしました?」

と強がって答えて見せた。

「そんなことでガッカリするほど、私、若くないよ」

そう言われた時、"この人にはまいった"と思った。

笹倉さんには他の人では感じたことのない大人の女性を感じた。

「田中くんも気持ち良くさせてあげるね」

そう言うと、笹倉さんはゆっくりとボクの胸を押して仰向けにさせ、キスをしながら一旦萎んだペニスを手のひらでそっと包んだ。

ゆっくりと手を動かすとボクのモノはあっという間に復活し、笹倉さんの薄い唇が首筋を通ってボクの胸に、そして笹倉さんはしばらくボクの胸に舌を這わせたりキスをしていたが、やがて逆さまになり、ボクを跨いで四つん這いになると屹立したモノを静かに嘗め回した。

昼間の笹倉さんからは想像できない、夜の笹倉さんがそこにいた。

笹倉さんのフェラは、若い女性とは違ってネットリとしていて濃厚で、ボクはあっという間に臨界点に達してしまった。

「あっ、そんなに吸ったら・・・」

不覚にもボクはそのまま直ぐに脈打ってイカされてしまい、笹倉さんの口を汚してしまった。

ゴクリと喉が動いてボクが放出したものが笹倉さんに飲み込まれた。

笹倉さんはそのままもう一度萎えかけたボクのモノを口に含むと、口の中で舌を這わせて粘り気をすっかり取ってくれた。

「ごちそうさま」

ボクのモノを口から出した笹倉さんはボクのムスコにチュッと唇を寄せて一言そう言った。

ボクが知っているそれまでの若い女性の中には、自分が終わるとグーグー寝てしまうような娘もいたのに、きちんとお返しをしてくれる笹倉さんに大人の女性の優しさのようなものを感じた。

今度は笹倉さんが子供を抱きかかえるようにボクの上半身を胸に抱えた。

目を開けると薄いけれどもしっかりと膨らみを持った乳房がすぐそばにあった。

それを見た途端に、ボクは笹倉さんに甘えたくなってしまって赤ん坊のようにおっぱいに吸い付いた。

「田中くん、おっぱいが好きなのね」

子ども扱いされたのが少し癪に障ったが、今までに感じたことのないような安心感に包まれて、ボクはいつまでも笹倉さんのおっぱいを吸い続けた。

その時、ボクは不意に思い出した。

それは遠い昔、母親にあやされていた時の感触に似ていた。

"ボクってマザコンだっけ?"

思わず自問してみたが、その答えが出る前にボクの唇がおっぱいから引き離されて笹倉さんのエロい唇が近づいてきた。

舌を絡め取られた時、もう何もかもがどうでも良くなって、気がつくとボクのペニスは笹倉さんの掌の中で痛いほどの硬さを取り戻していた。

「挿れる?」

笹倉さんに目の奥を覗きこまれるように聞かれて、ボクは子供が甘えるようにコクリと頷いた。

笹倉さんはどこで調達したのか、枕の下からコンドームを取り出すとボクに被せてくれて、そのまま仰向けになると膝を立てて両腕をボクの方に差し出し、

「来て」

と優しい目をして言った。

笹倉さんに導かれて、ボクはそのままスルリと奥深くまで入っていった。

また、あの感触だった。

温かくて、脳がギュッと絞られるような快楽を感じた。

ゆっくりとゆっくりと笹倉さんの膣の中を往復していると笹倉さんは"うぅ"と小さく声を上げてボクに下から抱きついてきた。

「田中くん、気持ちいい・・・」

「田中くん、すごいよ」

「ああ、もう滅茶苦茶にして・・・」

矢継ぎ早にそう囁かれると、ボクは極限とも思えるほどに興奮した。

それでもボクは直ぐに入って行きたいのを我慢して、シックスナインになると笹倉さんの秘所に顔を埋めた。

笹倉さんも直ぐにボクの屹立した肉棒を頬張ってくれた。

「ねぇ、もう来て」

身体の向きを入れ替えて、甘えたように声を出す笹倉さんに一気に挿入すると若さに任せて笹倉さんを突きまくった。

「う、う、う、う、う、んーっ!!」

笹倉さんの額に大粒の汗が滲み、ボクの腕の中で笹倉さんの身体が震えた。

笹倉さんが昇天したのはわかっていたが、ボクはそのまま狂ったようにピストン運動を続けた。

「あ、田中くん・・・、続けてはダメだってば・・・」

「あー、もうおかしくなっちゃう、あー、壊れちゃう、壊ちゃ・・・」

「あっ、イッ、イク、イク、イクッ!」

ボクはそのまま震える笹倉さんの身体をひっくり返してうつ伏せにさせ、腰を引き上げて膝をつかせると無防備にさらされた笹倉さんの肉襞を今度は後ろから抉るように突いた。

「田中くん、もう許して・・・、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛がーっ!!!」

笹倉さんは枕に顔を埋めたまま三度目の絶頂を迎え、そのまま意識を失っていた。

すごく不思議な体験だった。

笹倉さんが果てる瞬間、ボクの肉棒を根元から先っぽに向かってぎゅうぎゅう締め付けるような快感が押し寄せて、ボクも同時に笹倉さんの中で放出してしまった。

笹倉さんの亀裂の奥に何かがいるみたいな不思議な感覚だった。

途端にボクは激しい睡魔に襲われて、ボクたちはこの前と同じように抱き合ったまま朝まで眠ってしまった。

腕枕をしていた腕の痺れを感じて目を覚ますと、笹倉さんは少女のような顔をしてボクの隣で眠っていた。

朝の薄明かりの中でみる笹倉さんの身体はモデルさんのように美しかった。

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