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投稿:2015-07-29(水)06:00

夜の仕事を始めてから彼氏との距離が徐々に開いていった

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Ponzさん(20代)からの投稿

砂上に沈むさざ波を横目に見て、周囲の時間がただ過ぎる中、少女の時間は止まっていた。

「私は、何で辛い道しか選べないのだろう」

時は遡り、5年前。

「トーカ!これからどうするの??」

親友のチカが話しかけてきた。

私の名前はトーカ。

ちょうど地元の高校で就職活動を終えた頃だった。

「この前言ってたさぁ、アパレル会社内定もらったんだよね!内緒にしてたけど。しかも系列店からスタートだから地元離れなきゃ」

「なにー??そんな大事なことチカに隠して行くつもりだったの??マジさみしー・・・」

「チカが決まってから一緒にお祝いしようと思ってただけ!」

「そっか。じゃあカズキとも別れるの??」

私には同い年の彼氏「カズキ」がいた。

「んー、あいつまだ決まってないしなー。一応あいつも私の就職先近い大学2校ほど受けてるらしいし、まだわかんないな・・・」

「会社と大学近かったらいいね!」

「私らのこと気にしてないでチカこそ頑張りなよ!!」

「はーい、じゃあまたね!」

チカと離れるのは嫌だったけど、私は3ヶ月に1回くらいは地元に帰ろうと思ってたので泣くことはなかった。

時は流れて春。

卒業式もそつなくこなし、チカともお盆には帰る約束をして、私は金沢の地に一人降り立った。

電車で見た景色は地元と変わらない田舎で、すごい親近感が湧いた。

ちなみに、カズキも金沢の大学に合格したため二人で1Kのアパートを契約した。

知らない街でいきなり一人ぼっちになるよりはマシかと思い、新生活を楽しむ気持ちだった。

私の就職先は、金沢では誰もが知ってるような専門店街に入ってる某アパレル店。

ギャルめな服を扱っていて、服に合わせるようにヘソピを開けてみたりもした。

気を使ってしまう私は、楽しみながらも初めて上司がいる生活に少し嫌気が差してきた秋。

ひとつ転機があった。

店長の退職。

その店は社員が店長と私しかいないので、必然的に仮にも店長という役職に就かなければいけない。

「トーカちゃんには申し訳ないけど、私も19歳から店長を任せられたからきっとできるよ!」

「え・・・、でもすごい自信なくて、まだ売上げを管理できるなんて思えないです」

「トーカちゃんかわいいから大丈夫だよ!」

辞める身の人は結構他人行儀で困る。

私にできるわけない。

私も辞めよう。

ただ、今から仕事を探しても新卒扱いはしてもらえない。

若さだけが売りの私に何ができるんだろう?

店長の送別会で少しほろ酔い気味で帰宅した。

カズキも起きて待っていてくれた。

「カズキ、仕事辞めようと思うんだけど」

「いきなりどうしたん??」

「うちの店の店長辞めるんだ。そしたら私、店長にならなきゃいけなくて。責任なんて私が取れるわけない」

私は少し笑ってたかもしれない。

「俺はトーカの決めたことには文句言わないつもりだけど、後悔だけはするなよ」

「大丈夫、アパレルもずっと働けるわけじゃないし、給料も低いし」

「で、何するの??」

「夜しようかなって思ってる・・・」

「夜ってキャバ嬢ってこと?」

カズキの目が真剣になった。

「だめ?」

「ほんとは嫌。でもトーカが擦れてしまいそうで怖い」

カズキが言うのも分かる。

私は結構流されやすい。

「男は作らない!約束する!」

「まあトーカがちゃんと帰ってくるならいいよ」

カズキとしては難しい判断だったと思う。

でも私は次の日に面接に行った。

面接は二つ返事で採用。

夜なんてそんなもんか。

会社に辞表を出し、その日の夜から出勤した。

北陸では有名な歓楽街「片町」

アパレルに働いていた時は、打ち上げくらいしか使ったことがなかったからビルのエレベーターに乗るだけで緊張した。

そのお店は片町で人気なお店らしい。

女の子の年齢は私と近く、10代の子ばっかりで話しやすかった。

その中でもレイとアンリは親友になれた。

レイはお酒が好きで、私の横でフォローしてくれる。

「トーカ!飲んでる??トーカのあのお客さん酒強すぎてレイでもムーリー・・・」

「大丈夫!?いつも手伝ってもらってごめんね」

「じゃあ終わったら一軒付き合ってね!」

「まだ飲むの??やばー!」

「アンリと約束したし!あのボーイズバーの子、アンリ、ゾッコンだし!」

「リョウくんとこね!わかったよ!」

夜してる女の子に男がいないってことは本当に無いと思う。

誰もが誰かにすがりついて、そしてまた頑張れるんだと。

夜の仕事は楽しかったし、給料が上がった分使う金額も大きくなった。

いわゆる同業の人達とも仲良くなって飲み歩いたりもした。

カズキとのいさかいは私が生んでしまった。

なんとなく毎日酔ってなんとなく朝に帰る。

カズキはいつも学校に行ってしまった後だった。

だんだん会う時間が無くなっていっていた。

日曜はお互いに友達と遊ぶ予定が入っていたため、1ヶ月のうち会うのは3日くらいになっていた。

その3日は、カズキも若い男だし昼夜問わずに体を求められた。

しかし、私は特別そういう行為が好きなわけではない。

私も段々、愛というよりは作業にしか思えなくなっていった。

ある日、カズキには悪いと思ったが、カズキからの誘いを断ってしまった。

カズキはその日から私の体を求めなくなっていた。

私はわかっていた、他に女がいることを。

ケンカはよくしていたが、携帯を私に見せないようにしていた。

ある意味しょうがないと心に決め、生活を続けていた。

だけど、私は心の奥底では悔しかったのだと思う。

初めて私も浮気をしてしまった。

何の感情もなく、仕事終わりで酔ってたせいもあるかもしれない。

よく行っていたバーの仲良しな男性とホテルに行ってしまった。

昼に帰ってもカズキは何も言わない。

多分一日帰らなくてもカズキは何も言わないと思う。

「カズキ、話があるんだけど」

「なに?別れ話?」

「違うけど、今の生活どう思うの??」

「トーカはどう思ってるの??」

「私は一緒に住んでる意味あるのかなって思う」

「トーカの仕事が忙しいからじゃん?」

「私のことは好きなの??」

「そりゃあいなくなると寂しいかな」

「そうなんだ。他に女いるのに?」

カズキは少しムッとした顔になった。

「トーカだって何してるか分かんないよね」

「そうだけど、家に帰っては来てるよ??」

「昼まで飲み屋さんやってんの??」

「そりゃアフターとかもあるし、何時になるか分かんないよ」

「じゃあわかった。何時からどのお店に行ったかだけ連絡して」

「うん、わかった」

とりあえずの同棲。

自分でもどうしたいのか答えが出なかった。

変わったのは、今どこの店にいるか伝えるだけ。

私はカズキを裏切り続けているのかもしれない。

私は最低だ。

- 終わり -

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