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【エッチな体験談】妹 (高◯生編)    - エチケン
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投稿:2018-09-15(土)07:48

妹 (高◯生編)   

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名無しさんからの投稿

前回の話:妹 (中◯生編-2作品)

春は順調に育っているようだ。

たまに美香が送ってくれる写真でソレを確認していた。

そういう写真には必ず

「また遊びにきてね・・」と書かれていた。

美香は進学してギン爺ちゃんの所から凄い偏差値の高校へ通いだした。

ギン爺ちゃんにとってもかなり自慢の孫らしい

会うたびに「兄のお前もウカウカできないな!ガハハ」と自分の娘のように自慢するのだから相当入れ込んでいる。

ギン爺ちゃんは引退した今でも県内の教育関係で広く顔が利く人なので、美香のそういう話はそういう席では実に鼻が高いようだ。

御婆ちゃんの話だと母達が実家に戻ってきて富に最近は機嫌がいいらしい。

そういう意味では春や美香も幸せにやっているようで心配はなかった。

余計にそれが明暗を際立たせて両方の家庭を見ている立場の僕は、由紀ちゃんたちに肩入れしてしまうのだった。

僕も高◯生活は順調だ。

実はこの頃高校の女の子とちょっと付き合ったり別れたりを繰り返していた。

部活はサッカー部から陸上部に転向した。

サッカーよりそっちの方が向いていると思ったからだ。

ソコソコ大会で記録も残した。ありがたい事に女の子にはソコソコもてた。

しかし、長続きはしない・・大抵は僕に問題があったと思う。

どうしても美香や理佐ちゃんと比べて本気になれない自分がいたのだ。

相手もソレを感じて徐々に冷めていく。

時には僕から別れを切り出し、時には相手から別れようといわれ、時には自然消滅した。

さて高校3年生になって美香が高2、春が3歳位、由紀ちゃんが小3と時間はあっという間だった。

高◯生活は部活と女の子や何かで忙しいし、2年になれば今度は大学受験と忙しい上に他県の美香とあうのは難しい。

一度せがまれて夏休みに会いに行ったがギン爺ちゃんたちの目もあったし、母は仕事も辞めて一日中家に居るので結局美香も僕も本来の目的は果たせなかった。

色々努力したのだがその努力が無駄に終わり、なんだかふててしまった。

その後結局タイミングが中々合わず、殆どを由紀ちゃんたちと過ごした。

この頃になると由紀ちゃんを由紀と呼ぶようになり、由紀も僕のことを本当の兄のように慕ってくれていた。

美香は、しつこい誘い方はしなくなったがそれでも美香の定期的な電話や手紙は止む事はなかった。

又少しだけ時間が過ぎ僕は県内の志望大学に見事に合格した。

その祝いの席で父が切り出してきた。

「今まで受験中で言い出せなかったが、頼みがある」と。

父の話は財政的に困窮していてその負担を少しでも軽くするために実家に家族で戻ってきたい・・だから僕には悪いが一緒に実家に住むことを許してくれないかというものだった。

僕は二つ返事でそれを快諾した。

もうこの頃になると正美さんに対する変なシコリはなくなっていたし、別に構わないと思っていた。

実際僕はこの頃になると友達の家で集まって騒いだり、休みになると平気でバイト先や部活の友達と何日も遊びに行って戻らないことも多かったからだ。

一緒に住むことになった事を知らされた由紀は、僕の部屋に飛んできて嬉しそうにはしゃいでいた。

正美さんは僕に申し訳ないといいつつも「由紀共々よろしくお願いします」と頭を下げた。

僕が大学へ通いだす直前に引越しが大急ぎで行われた。

引越しというから友達を呼んで手伝わせようか?と父に言ったら「その必要は無いよ・・」と断られた。

「でも、色々重いものも多いだろ、正美さん達じゃ色々・・業者では金も掛かるし・・」と言ったが、正美さんも必要ないのよというばかりだった。

最初は遠慮しているのか?水臭いなと思ったが、実家に荷物を運び込む父達をみて納得が行った。

父の荷物は元々少ない人なのだが家財道具は殆どなく、家具といえば小さいテレビだけ。

冷蔵庫は処分したらしく少ない食器類を除けば正美さんも由紀の荷物も衣類品だけで本当に微々たる物だった。

「処分したの?」と父に聞くと「いや、本当にコレだけなんだ」というのだった。

この時思えば遊びに来る由紀の洋服は毎回数パターンだったと思った。

年の割りに背は小さいし、体が細いのも食費を切り詰めていたからなのかもしれないと気がついたのだった。

改めて父と正美さん達が背負ったものを垣間見て2人はともかくとして罪の無い由紀を不憫に思った。

由紀は初めての自分の部屋と僕のお古の勉強机を貰い喜んでいた。

ただ、元々狭いアパート暮らしで広い部屋に一人は落ち着かないようで、殆ど僕の部屋で過ごし、寝るときも僕が居る時は僕の布団に。居ない時は正美さんや御婆ちゃんたちと寝るようになった。

小さい子供が居ると家が明るくなる。

ソレまで僕と爺ちゃん婆ちゃんだけで何処かガランとした寂しい家に、家族が3人増えてとても賑やかになった。

爺ちゃんも婆ちゃんも心なしか元気になったし、僕も家に居るのが楽しくなった。

美香と一緒に過ごした賑やかな家族が戻ってきたようだった。

由紀は新しい学校に少しずつなれて行き、毎日楽しそうに学校であったことを食事の時間に聞かせてくれた。

宿題を見てあげたり一緒にテレビを見たり一緒にお風呂に入ったり、家に居る時は大抵遊んであげた。

僕と由紀はすっかり兄妹になっていた。

僕が大学生になり、ほど無く父家族と実家暮らしになって数ヶ月。

なんとも異質な僕達は意外なほど上手く行っていた。

正美さんは何かと僕に気を使ってくれ逆にこちらが恐縮するくらいで、何より由紀は本当に良い子でとても良く慕ってくれる。

離婚からずっと何処か暗い顔をしていた父や祖父達も元気になって、随分笑顔が戻ったと思う。

最初は良い顔をしなかった親戚達も行事のたびに頑張る正美さんに、少しではあるが対応が柔らかくなったようだった。

何より由紀はこちらへ引っ越してきてから経済的に楽になった分、少しポッチャリしてきて健康的になった。

「あの子良く食べるようになって太りすぎるわ・・」と正美さんが心配するくらいに美味しそうにご飯を食べている。

僕は、元々痩せ過ぎて体も小さかっただけにこの位でも良いと思ったのだが、正美さんは少し心配していた。

コロッケとご飯を頬張って幸せそうにしている由紀。

僕は隣でホッペに付いた米粒をとってあげているとニコニコ笑いかけてくる。

ソレを見ていた正美さんが冗談で

「由紀~wあんまり食べ過ぎておデブになるとお兄ちゃんに嫌われるよ」

「由紀おデブじゃないもん!」

「由紀おデブじゃないよね!?」

由紀が必死で同意を求めてくる

「うん、由紀はおデブじゃないよw」

「女の子はこの位でいいよ」と父。

「最近あの子お洋服が入らなくなってきてるのよ」と正美さん。

「成長期だから仕方ないねぇ」お祖母ちゃんがシミジミといいます。

「でも、そろそろ服もくたびれて来たし新しいのを揃えないとな」

と父が正美さんに言います。

「今度近くのデパートに連れていくつかお洋服選んでくるわ」

「デパート行くの?!」

そのやり取りを聞いて由紀ちゃんはその場で飛び跳ねるように喜びます。

何時も生活を切り詰めてきた正美さんや由紀にとって、デパートはとても凄いところだったのです。

食事が終わった後も由紀はよほど楽しみなのか、僕の膝の上でテレビを見ながらデパートの屋上でアイスを食べるとか、前にニチイに行った時は、あの服を買ったとか話してくれました。

ところが、予定していた日になって急に親戚に不幸があり、祖父も祖母も父も正美さんも揃ってお葬式の手伝いなどで家を空けることになったのです。

楽しみにしていた由紀は当然朝から大泣きです。

提出する論文の締め切りギリギリで徹夜明けの僕の所に由紀が泣きながら飛び込んできました。

「由紀!我侭言わないの!」

「デパートは来週連れて行くからね」と正美さんや御婆ちゃんがなだめるのですが、1週間この日を楽しみに待っていた由紀は聞きません。

そんなやり取りを見ていて僕はひらめきます。

「デパートには僕が連れて行くよ」

「どっち道、葬式に由紀は連れて行けないんだろ?」

「俺も時間あるしどうせ由紀と2人でご飯だから外で食べるついでにデパート行ってくるよ」

「いいの?優さん徹夜で疲れているんじゃない?」正美さんが遠慮深く言います。

「しかし、お前女の子の着る服とかわかるのか?」

と父が言います。

「大丈夫、なんなら大学の女の子誘って行くし」

由紀が無言で僕の足元でギュッとズボンを掴んできます。

「それじゃあ優に頼むか」と父。

「優、頼むよ。わし等の分も買ってやってくれ」と祖父が財布からお金を出そうとします。

「そんな、おじいちゃん困ります。お金は私達で十分に・・」

正美さんが焦ります。

「孫にこのくらいの事はさせてくださいよ」お婆ちゃんは優しく正美さんに言います。

しばらくお金のやり取りでモメたあと、父と祖父達から食費と洋服代を預かりいくらか小遣いも貰いました。

「子供の服って結構高いから選ぶ時は出来るだけ大きめのサイズでね」

と色々と正美さんから教えて貰います。

由紀はデパートに行けるとなるとすっかりご機嫌に戻り、嬉しそうに着ていく服をタンスから出して嬉しそうにしています。

イソイソと準備すると一足先に父の車で皆出かけていきました。

僕は軽くシャワーを浴びて遅い朝食を軽くトーストで済ませ、すっかり準備を整えた由紀ちゃんと2人で電車で都内のデパートを目指します。

デパートは大学の近くにあるので途中友達の女の子の何人かに電話をかけ事情を説明すると、たまたまデパートの近くで遊んでいた先輩の加奈子さんが捕まった。

加奈子さんはショートカットで下はジーンズにシャツという動きやすいスタイルが多いサバサバした人で男子にも女子にも人気がある。

姉御肌で面倒見が良く、下ネタとかでも笑ってくれるタイプのおもしろい人だ。

「よー優!可愛い子だね!何処からさらって来たの?」

待ち合わせのマクドナルドで由紀と2人シェイクを飲みながら話していると、急に後ろから首に腕を回されヘッドロックをかけて登場した加奈子さん。

何時もこうして急に人を驚かしたり、何かとスキンシップの多い人なのだ。

「もー先輩そんな大声で人聞きの悪い事言わないでくださいよW」

僕は周りの視線を感じて慌てて大声で訂正します。

「ハハwごめんごめんw」

そう言いながら僕を奥の席に押し込めるように押して隣にドカドカと座ってきます。

「もー先輩そんなだから男が出来な・イテッ!」

無言で太ももをつねってきます。コレが加奈子先輩の得意技です。

そんな僕と加奈子先輩とのやり取りを見ていた由紀は、よっぽど面白かったのかクスクス笑っています。

「はじめまして優の彼女の岩瀬加奈子ですw」

「ちょっと先輩何言ってんすか!」

加奈子先輩は冗談を言いながら由紀と握手をします。

「へへw」

由紀はこの面白い先輩が気に入ったらしく嬉しそうに自己紹介します。

加奈子先輩はこういう感じで誰とでも直ぐに仲良くなってしまう変な魅力があるのです。

という事で3人で早速デパートに行きます。

加奈子先輩と由紀はすっかり仲良くなり、デパートの中ではあっちがいいコッチがいいと2人して僕を引っ張りまわしては、服やアクセサリをつけて、あーでもないこーでもないとはしゃぎます。

女の買い物というのはアッチコッチいくのですが中々決まらないもので、同じ店を行ったり来たり、あっちが良かったとかコッチが良かったとグルグル回るのです。

そういえば美香や理佐ちゃん達と買い物行く時もこんな感じだったなぁ。と思い出します。

「ねーどっちがいいと思う?」

黙って付いて回る僕に突然加奈子先輩が振り返って聞いてきます。

来た・・と思いました。

「えーと・・コッチかな・・」

ドキドキしながら言います。

「えーコッチ?」

(やっぱりな)と思います。

この場合ドッチと答えても余り良い結果にならないのです。

正解のない二択を男に選ばせるのは辞めて貰いたい。

そもそも本人がどっちかと決めかねているので正解が無いのでドッチを選んでも結局迷うのです。

加奈子先輩と由紀は2人で楽しそうに洋服を選んでいきます。

色々選び終えてそろそろ予算がつきかけてきたところで由紀があるワンピースの前で立ち止まりズーッと見つめているのです。

綺麗なフリルの付いた白いワンピースです。

「由紀コレがほしいのか?」

「・・・・・」由紀は黙っています。

「でもコレ凄く高いよ・・ここのテナントはキッズブランドだし」

加奈子先輩が店の名前を確認しています。

案の定値札は今まで見て回ってきたお店より0が一桁多いのです。

「お母さんも言ってた・・ココは高いからダメだって・・・」

由紀は前に来た時もここのお店の服が気に入ったけど、正美さんに高いからダメだよといわれたのです。

「どうしよう・・優君に言われた予算ももう殆どないよ?」

加奈子先輩が耳打ちします。

しばらく沈黙が続きましたが、由紀は何を言うまでも無くすっと立ち上がると、僕の手を握り「お兄ちゃん行こう・・」といいます。

僕達は3人で屋上のレストランで昼食を取ることにしました。

3人でハンバーグやスパゲティを頼むと今日買った服などの話題で楽しそうにしています。

「・・・・・・」

注文していた品を由紀が美味しそうにほおばるのを見ながら僕はさっきのワンピースを見つめる由紀の横顔を思い出していました。

僕は2人より先にスパゲティを片付けると加奈子先輩に由紀をお願いして席を立ちました。

「お兄ちゃんおトイレ?」

「うん、ちょっと行って来るから加奈子先輩と待っててな」

「うん!」

「きばってねーw」加奈子先輩はケラケラと冗談を言います。

「やだお姉ちゃんw」

ソレを聞いて由紀も笑います。

僕は急いで階下に下りるとATMを探します。僕は自分のバイトで稼いだ貯金からいくらかをおろします。

かなり厳しい金額ですがまたバイトして稼げばいい事だと思い決心しました。

レストランに戻ると二人はハンバーグを食べ終わり、今度は一つのどでかいパフェを2人で突ついていました。

「先輩そんなの食うと太りますよ?」

「お、お帰りw遅かったねぇw出た?」

「物食いながらそういう冗談辞めてくださいよw」

「大丈夫だよ。私幾ら食べても太らないし」

「いいなぁ・・」由紀が羨ましそうに加奈子先輩を見ます。

「由紀ちゃんはそんなに太ってないでしょw可愛いよw」

「本当?!」由紀が嬉しそうに言います。

「うんwだから優に気をつけなよwロ◯コンだからw」

「ちょ!先輩何言いだすんですか!」

「だって私みたいな大人の魅力全開の先輩を前にしてちっともその気にならないじゃないw」

「本気で言ってんですかw」

「へへw」

「お兄ちゃん何か買ったの?」

由紀が目ざとく僕の握っている紙袋を指差して言います。

「うん、一寸ねw」

「何なに?何をかったの?」由紀が興味深々で聞いてきます。

「秘密w家に帰ったら教えてあげるw」

僕は由紀の驚く顔が目に浮かびニヤニヤしてしまいます。

「はは~んw」

紙袋のロゴを見て加奈子先輩が意味深に言います。

「やっぱりロ◯コンだ・・」

加奈子先輩がニヤニヤしながらボソッといいます。

それから夕方近くまで3人で先輩のおごりで映画館に行ったりして過ごし、寝てしまった由紀をおんぶしながら加奈子先輩と駅で別れます。

別れ際「いいお兄ちゃんしているみたいじゃんw」

と加奈子先輩は肩を軽く叩いて反対側のホームへ

「今日はありがとうございました!」

後姿に声をかけると、無言で手を上げて男前に答えてくれます。

多分後日色々おごらされるんだろうなと思いました。

沢山の紙袋と由紀を背中に抱え何とか家に戻ります。

はしゃぎ疲れて眠る由紀をベッドに寝かせると、自分も流石に徹夜明けの疲れで眠くなってきてしまい由紀と2人でベッドで寝てしまいました。

何時間過ぎたのでしょうか、外がすっかり暗くなった頃、ふと目が覚めます。

「由紀?」

隣に由紀が居ません・・何時起きたのでしょうか?

僕は心配になり1階に下ります。

「由紀~」

家の中で呼ぶと由紀がリビングから走ってきて抱きつきます。

「どうした?」

由紀は何処か不安げで怯えています。

「知らないお姉ちゃんが・・」

由紀が泣きそうに言います。

由紀と手をつないで僕はリビングへ行きます。

リビングには見覚えの無い女物の大きなバッグが置かれています。

皮製でブランド品の立派な奴です。

台所からはカレーのようなにおいがしてトントントンと包丁がまな板を打つ音がしています。

僕は恐る恐るリビングを抜けて台所へ行きます。

その女性は台所で実に手際よく料理をしていました。

ポテトサラダにカレー、そのほか沢山の料理がテーブルに並んでいます。全部僕の好きなものです・・

女性は僕に気がつくと振り返ります。

凄く高そうなブランドの服の上に見慣れたあのエプロンドレスを着て、何処かの雑誌のモデルのように綺麗に髪をセットし化粧も完璧な美香がそこに立っていました。

1年以上ぶりでしょうか・・

本当に久しぶりに見た美香は何処かの女優のように綺麗で目にした瞬間息を呑みました。

余りにも研ぎ澄まされた美というのは時に刃物のような鋭利さで見るものを刺す・・といえば言いのでしょうか、美香の綺麗さは臨戦態勢を感じさせるくらいに鋭く感じます。

何のためにソコまで研ぎ澄ますのか・・そこが美香の怖さなのです。

「ごめんなさい、久しぶりに遊びに来たら誰も居なくて。カギはいつもの所だったから勝手に上がらせてもらったのw買い物行ってる間に優帰って来てたけど凄く疲れて寝てたし、それで暇だったから優に食べさせたかったものを色々作ってたら止まらなくなっちゃったw」

美香はニコニコとなんでもないかのように話します。

「皆葬式で出かけてるんだ。もう直ぐ帰ってくるんじゃないかな」

「そうなんだ・・あの人たちも?」美香が冷たく言います。

明らかに僕に対するトーンと違います。

「うん・・」

「一緒に住んでるんだ」

「うん・・・」

「全然知らなかったよ」

「うん」

由紀も僕の様子が可笑しい事を悟ったのか握った手をギュッとして不安げにしています。

「そうそう・・優がおきてくる30分くらい前から私の事後ろで見てたんだけど・・その子・・何?」

美香が明らかに冷たい目で無感情に由紀を見て言います。

「・・・・」

「その子があの女の子供?」無感情なトーンで言います。

「そんな言い方はよせ!妹だぞ!」

「・・・・・・・フン・・・」

美香はそれ以上何も言わずにきびすを返すとトントントンと料理の続きを始めます。

「お兄ちゃん・・あのお姉ちゃん怖い・・」

由紀が怯えてコッソリ言います。

その時家の外で車が止まる音がして程なく玄関の扉が開き

父達が帰ってきました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「よぉ~優!由紀ちゃんは喜んでいたかね?」

予定の講義を終えて荷物をまとめていると加奈子先輩が声をかけてきた。

「あ、こないだは助かりました。」

「まあまあw可愛い後輩の頼みだし良いってことよw」

おばちゃんみたいに手をヒラヒラさせながら加奈子先輩は笑った。

「ははw」

2人で廊下に出ると話をしながら本館の方へ歩きます。

「まあ、どうしてもお返ししたいなら飲みに連れてってもらおうかな~」

「いいですよまたサークルの連中誘っていきましょう」

「んw・・それで由紀ちゃん喜んでくれた?」

飲みにいく話を軽く頷いたあと話を切り替えるように先輩が言う。

「あ、・・ああハイw」

僕は一瞬本当の事を言いそうになって焦ってしまった。

加奈子先輩というのは常に自然体なので付き合うこちらも自然にガードが下がりツイツイ本音を言ってしまいそうになる。

僕のように秘密が多い、特にいえない秘密が多いタイプには結構気の抜けない相手だ。

「そうかそうかw良いお兄ちゃんしているねぇw」

幸い気がついていないのかニコニコ頷いている。

「まあ、年が離れてますからね可愛いですよ」

「そっかー私は兄妹いないからねぇ羨ましいねぇ」

「先輩世話焼きなのにねw」

「やっぱそう見える?」

「見えますよ。しっかりしているじゃないですか」

「・・・まあそう見えちゃうよねw」

「?・・ああ、で、どうします?希望の日があればその日に調整して仲間集めますけど?」

「え?何が?」先輩が行き成り何の話か解らないという顔で聞いてくる。

「や、だから飲み会ですよ」

「あ、ああちょっと今わかんないやwそのうち又連絡するよwじゃね!」

「あ、そうですかじゃあメール又下さい」

「んwじゃねw」

そう言うと先輩はまたヒラヒラと手を振って別館の方へ戻っていきました。

(危ない危ない)

先輩の後姿を見送りながらこないだの夜の出来事を危うく先輩に相談しそうになった自分に冷や汗をかいていました。

美香と僕の関係をどうやって他人に相談するんだ。

今の僕の状況を他人に説明するなんて自殺行為に近いじゃないか・・

そんな事を思いながら僕は駅前のレンタルショップに歩いていきます。

そこは大学からも近くサークルのOBの紹介などで同じ大学の子も多数働いています。

その日はそこで働く友人の都合が悪くなり、そこの店で以前働いた経験がある僕が代わりに3時間だけ働く事になったのです。

元々その友人にこのバイトを紹介したのが僕なので、店長も軽く了承してくれました。

元々は困った友達の代わりではあったのですが、今の僕は少しでも家に戻るのが遅れるほうが助かると思い進んで引き受けたのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

美香と台所で1年と数ヶ月ぶりに顔を見ながら直接話したあの日。

美香に圧倒された僕は美香の只ならぬ迫力に怖がってすがりつく由紀に何も言ってやれず立ち尽くしていることしか出来ませんでした。

美香がアレだけ憎んでいた相手とその子供と仲良くして実の妹である美香や春とまともに顔を合わせていなかった自分。

由紀が可愛そうでどうしてもそっちにかまけていて、いつの間にか父のように美香や母や春を見捨てたように2人と一緒に生活していた自分・・・

美香から見れば裏切りとしか言いようがない状況でした。

無言で料理を続ける美香。

そこに父と正美さんそして爺ちゃんと婆ちゃんが帰って来ました。

料理の臭いに初めは僕と由紀が自炊をしていたのかと誉めた父でしたが、由紀が駆け寄って父にしがみ付き、台所ののれんから美香が怖い顔でリビングに顔を出すと父も正美さんも暗い表情になります。

「おう・・美香か。よう来たねぇ」爺ちゃんが孫娘の顔をみて喜びます。

「お爺ちゃんお婆ちゃんお久しぶりです。」

脱いだエプロンドレスをソファーに掛け、丁寧に挨拶する美香は僕より数段年上に見えます。

「ほんとうに美人になったねぇ・・お母さん似だねぇ」

お婆ちゃんがシミジミいいます。

「う・・ん久しぶりだな美香・・」

心配そうにする由紀を抱きかかえながら父が搾り出すように言います。

「別に貴方に会いに来たわけじゃないんです。」

その一言を冷たく跳ね除ける美香。

さっきまで爺ちゃん婆ちゃんに向けていた柔らかい表情からスッと能面のような無表情さで父とその後ろの正美さんを見ます。

「今日は泊まっていくのかい?」婆ちゃんが美香に切り出します。

「はい、兄に相談があるのでそのつもりです」美香がにっこり答えます。

本当に素早い表情の切り替えです・・徹底しています。

「いいですか?お爺ちゃん」

「ああ、可愛い孫が遊びに来たんだ構わないよ」

爺ちゃんも婆ちゃんも嬉しそうに頷いています。

「よかったwすっかりそのつもりで準備して来ちゃったからw」

「皆晩御飯まだでしょう?」

「待ってる間に色々作ったんだよw皆で食べましょう」

「お兄ちゃんの大好きなものいっぱい作ったんだよw」

「美香の料理か。楽しみだねぇ」爺ちゃんが嬉しそうに言います。

「お兄ちゃんもほら!」

「あ、ああ・・」

「それから・・貴方達もね」

美香は父達に冷たく言うと準備をするために台所へ戻っていきました。

それからの食事はまさに地獄でした。

目の前にはかつて僕が大好きだった料理が並び、本来なら美味しく嬉しいはずなのですが、もうその空気たるやピリピリして味どころではありません。

旨い旨いと空気を読まない爺ちゃんと婆ちゃんだけがにこやかに美香と会話するのをヨソに、父や正美さんは固い表情で終始緊張していました。

美香は美香で父や正美さん・・そして由紀は居ないように会話します。

そんな只ならぬ緊張感を幼心に感じたのか、由紀も美味しいはずの料理に殆ど手をつけず、終始僕の影に隠れるように小さいお茶碗を持ってうつむいて遠慮深くしていました。

「ほ、本当に美味しいわ・・美香さんってお料理ジョ上手なのね・・」

正美さんが意を決したように美香に言います。

「別にこの位普通ですよ、“私の母”が得意なものばかりですから」

笑顔でさらっと答えましたが目が笑っていないし、私の母というくだりに異常な迫力が篭っています。

「ほんに、美香のお母ちゃんは料理上手だったもんねぇ」

婆ちゃんが空気を読まずシミジミいいます。

「ま、正美さんも結構上手だよね、料理」

ションボリする正美さんを見て僕は思わず言ってしまいます。

「そうなの?お兄ちゃん」

内心(しまった・・)と思いました。

にこやかに僕を見て言ったように見えますが、またも美香の目は笑っていません。

「正美さんの得意料理ってなんですか?」

相変わらず笑ってない目で美香が言います。

「あの・・コロッケとか・・」正美さんが遠慮深く言います。

「マ、ママのコロッケ大好きだよ・・」黙ってた由紀が正美さんが心配になったのか精一杯声を出して美香に言います。

「ふーん・・・あ、このアスパラ巻きお兄ちゃん大好きだったよねw」

一瞬由紀を見た後なんでもないように話始めます。

「あああ・・」

思わずアスパラ巻きを美香の言われるまま箸でとって食べます。

「どう?またアレから色々勉強して随分美味しくなったってギン爺ちゃんにも誉められたんだよw」

「ああ・・うん・・美味いよ」

本当はもう味なんか解りません・・ひたすら早くこのイベントが終わることを望んでいました。

「あ~でも困ったねぇ。お布団はあるけど場所はどうするね?」

婆ちゃんが思い出したように言います。

「由紀の部屋があるからそこでいいじゃろ、由紀は優ん所にでも寝させてもらえ」爺ちゃんの何気ない一言でしたが、美香の表情が一瞬ピクッと成ったのを僕は見逃しませんでした。

その反応を父も見ていたのかすかさず、

「美香は、優に相談ごとがあるんだろう?由紀はお父さん達と寝ような~」

と言いましたがそれでは余計に逆効果です。

由紀と僕が日ごろ一緒に寝てることをばらしたようなものです。

父としてはお兄ちゃん子の美香に気を使ったつもりでしょうがやぶ蛇もいいとこです。

「悪いけど由紀ちゃんそうしてくれる?お姉ちゃん優お兄ちゃんに相談したいことがあるんだぁ」

美香がまた笑ってない目で由紀に言います。

「・・・うん・・」由紀は美香におびえ、顔を見ないようにうつむいてしまいました。

そんなこんなで地獄の晩餐が終わり、食器洗いと片付け位しますという正美さんの申し出を美香は冷たく「結構です」と切捨て一人で素早く片づけを済ませてしまいます。

「美香お風呂入り、疲れたろ」

リビングに戻ってきた美香に婆ちゃんが言うと、

「ああwお風呂はね、前に住んでた時家族で行ったお風呂センターが近くにあるから、せっかくだからそっちに行こうと思ってるの」

と美香は言いながらリビングでテレビを見る僕の隣に当然のように座ります。

その反対側でテレビを見ていた由紀がビクッとします。

「ああ、お風呂センターかね」婆ちゃんが思い出したように言います。

「今もやってるかしら?」

「ああ、アソコは改築して24時間になってお風呂の種類も増えてるよ。お風呂センターはシゲさん達とゲートボールの後に行くがいいとこだよ」

爺ちゃんが言います。

「それなら夜道だし、優も一緒に行ってやれ」

「そうだね最近は物騒やから美香みたいに美人は一人歩き危ないよ」

爺ちゃんと婆ちゃんが交互に言います。

「いい?お兄ちゃん」

美香が笑ってない・・・以下略

「あ、ああ・・別にいいよ」

「由紀も行くか?」

由紀が心配げに僕を見ていたので聞いてみました・・

しかし首を左右に振って父の方へ行ってしまいました。

「由紀の事は良いから2人で行って来い」

父が由紀を膝に乗せながら言いました。

僕と美香はお風呂セットを持ち二人で近所のお風呂センターに歩きます。

「・・・・・・・・」道中を無言で歩く美香。

そんな美香の後姿を見ながら僕もまた無言で歩きます。

「春は元気?」

無言に堪えられず聞いてみます。

「別に・・元気だけど」

「そうか・・」

「でも、お兄ちゃんの顔も知らないなんて可愛そう」

「・・・・」会話が続きません

後に続く話題も見つからずそのままお風呂センターについてしまいました。

爺ちゃんの家に遊びに来た時、決まって家族みんなで行ったお風呂センターです。

今は増改築して昔より新しく広くなっていました。

「新しくなったなぁ・・」

センターの看板を見上げながら言う僕を美香は置いていくようにセンターの前を通り過ぎ先に行きます。

「おい!お風呂入いんじゃないのか?」

「・・・・」

美香は黙ってドンドン行ってしまいます。

「おい」

僕は美香の意図が変わらず焦って美香に付いて行きます。

黙る美香はさらに先へ進み、ある路地を曲がって裏手の通りに出ます。

ピンクのネオンが目立つ建物が並び、入口にはカーテン・・

そこはいわゆるラブホテルなどが立ち並ぶ通りなのです。

「おい・・・」

美香はズンズン歩いていき一軒のお洒落な入り口のホテルに入ります。

「おい・・俺持ち合わせないぞ・・」

風呂に入るだけのつもりだったので所持金は1000円程度です。

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