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投稿:2013-10-13(日)03:00

【ドラマみたい】学生時代にお隣さんになったのが今の嫁だけど

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名無しさんからの投稿

嫁と知り合ったキッカケが、専門学校で上京した際にアパートのお隣りさんだった事。

7年前、俺は専門学校にいく為に上京。

1人暮らしにワクワクしながらアパートへ大家さんに挨拶を済ませ、部屋の鍵を貰う。

大家さん「あ、そうそう、今日君のお隣りさんも来るんだ。しかも女の子だよ、間違い起こすなよw」

念を押されるも、ニヤニヤと何か期待していそうな笑みの大家さん。

俺はそんな事はありませんと言って自分の部屋へ行く。

部屋に入るも、折り畳み式の机とテレビだけしかなく、他に必要なものはこっちで調達する事になっていたので、部屋にいても殺風景で退屈。

少しアパートの周りを偵察がてらに散歩へと出かけた。

1時間程ブラブラ歩いて帰ってみると、隣に人の気配。

程なくして俺の部屋の呼び鈴が鳴り、出てみると小柄の可愛い女の子が立っていた。

女の子(以下嫁)「隣に越してきた○○です。ご迷惑おかけしますがよろしくお願いします」

「これはこれはご丁寧どうも。俺と申します。こちらこそよろしくお願いします」

嫁は安心した顔で自分の部屋に行くと、

「お父さん来て、すっごく優しそうな人だよ!」

そう言って嫁はお父さんを連れて来ると、そこには竹内力さんと間違えるような気合いの入った人がいた。

背筋が凍り、顔から血の気が引く俺。

嫁父「いやー隣で娘さ世話になります。まんず優しそうな人だ、俺は安心して盛岡さ帰れますわ」

見かけによらず何度も頭を下げて挨拶する腰の低い嫁父。

未だに思うが、俺が優しそうじゃなかったらどうなっていたのだろうか…。

「ごめんなさい、お父さん怖かったでしょ?」

「そんな事無いですよ、格好良いお父さんですね」

「そう言ってもらえると助かります」

「盛岡って事は、岩手からお越しなんですね」

「はい、訛りが恥ずかしくて隠すのに必死で…」

「そんな事無いですよ、東北訛りは俺好きですよ。俺も広島ですから訛りが結構ありますし」

「そうなんですか、これからはお互い訛り言葉でお話ししましょうか」

「そうですね、標準語は疲れますしね」

こんな会話で初日を迎えたためか、お互いの部屋を行き来するのに1ヶ月もいらなかった。

地方出身で訛りも取れない、進む道も同じ医療系と話のネタには事欠かない。

一緒にご飯作って食べて、お互いお弁当作って一緒に途中まで通学したり、気が付けば異性として意識し交際するようになっていた。

7月の下旬…初めての夏休み、俺を盛岡の実家に連れていきたいと話す嫁。

なぜかと聞けば、嫁父が俺と話したいそうだ。

「(隣なのをいい事に付き合ってるからな…ご立腹なのかも知れんぞ。これは俺の死亡フラグか?)」

どうしてもと言うし、嫁父が旅費も出すと言われては断れず、夏休みの初日に朝一番で盛岡へ行った。

スーツで身を纏い、道中は緊張で喉が渇いて4時間で500mlのペットボトルを5本空ける始末。

盛岡へ着くと、そこには春に会ったあの竹内力さん似の嫁父が迎えに来ていた。

開口一番怒鳴られると思ったが、全くそんな事もなく歓迎ムード。

嫁父「わがまま言って申し訳無い。早速車さ乗ってください」

車にはとある建築会社の文字、嫁父の経営する会社である。

30分程度で嫁の実家に着いたのだが、昔ながらの立派な屋敷で驚いた。

そして、居間に通されると早速話が始まった。

ここから、俺も目・耳を疑うようなドラマみたいな展開に発展する。

嫁父「遠路遥々申し訳ない。どうしても君と話がしたかったのですわ」

「こちらこそ、お招き頂きました事に厚くお礼申し上げます」

嫁父「話してみると、19歳なのに言葉遣いもしっかりしてる、本当に素晴らしい方だ」

「言葉遣いだけは厳しく躾られてきましたので…」

嫁父「やはり私の目に狂いは無かった。まだこんな若者がいるとは…」

「お褒め頂き光栄に存じます。して、私にお話というのは?」

嫁父「この会社…どう思われますかな?」

「どうも何も立派です。しかし平日なのに少しの静か過ぎるかと…」

嫁父「実は…先月末の6月30日で廃業したのです」

「え…」

「!?」

嫁もこの事実は知らなかった様子で、酷くショックを受けていた。

嫁父「最近は工事しても安く買い叩かれて、働いても赤字なんですわ。私どもも例外ではありません」

「…」

嫁父「思い切ってこの会社畳んだのも、従業員全員の再就職先が斡旋出来たからで…」

「じゃあ、社長のお父様は…」

嫁父「従業員ほったらかして自分だけヌケヌケと再就職するわけにはいきません。私はまだ仕事が見つかっておらんのです」

「こっちはそこまで就職は厳しいのですか…」

ここまで語ると、嫁父は涙を流してながら悔しそうに口を開いた。

嫁父「私は…娘すら満足に大学へ出せないダメ親父です…学費は何とかなるのに、生活費が少し足らんのです…」

「…」

嫁父「数ヶ月前まで赤の他人様だったあなたにこんな事を申すのは本当に恥ずかしい事だが、娘を一緒に住ませてやっては頂けませんか?」

「…」

嫁父「勿論、金銭面では迷惑はかけません。この私の末代まで語られよう恥な頼みを是非聞いて下さい。娘にだけは大学を出させてやりたいんです…」

急展開で何が何だか分からない俺。

「事情は何となく分かりました。ですが私の一存では残念ながら決められません」

嫁父「…」

「少しお時間を下さい。5分で結構です」

そう言って、俺は実家に電話した。

両親に事情を話すと、早めにその嫁父を連れて来るよう言われた。

「お父様、お忙しいところ恐縮ですが、これから私の実家まで来て頂けますでしょうか?」

嫁父「…え?」

「私の父も実は広島で土建業を営んでおりまして、建築分野の仕事を手伝ってほしいと言っております」

嫁父「それは…」

「今まで書いてきた図面を持ってきて、見せてほしいそうです」

嫁父「分かりました、今すぐ行きましょう」

盛岡に着いて2時間弱で、今度は一路広島へ行く俺達。

広島に着いて実家までバスで移動。

実家に着くと、俺父は嫁と出かけて来いと言われ、俺達は外出。

両親と嫁父は事務所で何やら話し始めた。

3時間ほど遊んで帰ると、晴れやかな笑顔をした嫁父と両親が楽しそうに会話していた。

俺父は嫁に話があると言って事務所に呼んだ。

俺父「あなたのお父様はしばらく私の会社に勤めて頂く事になりました」

「え…?」

俺父「事情は聞きました。建築士としての腕も少し見せて頂きましたが素晴らしい」

「父さん、盛岡の方はどうなるんだ?」

俺父「事情が事情じゃけえ、あのままいても状況は良くならん。だったら事態が良くなるまでここで働いた方がいいだろう」

俺父「嫁さんには申し訳ないが、しばらくはここを実家と思ってくれませんか?お父様なら必ず盛岡へ帰れるまで立ち直るでしょう」

嫁父の再就職から嫁の学費・生活費問題まで一気に解決し、俺達が一緒の部屋へ住む話も双方同意でまとまった。

そんな怒涛の一件が済んで、俺達はまた東京で勉強に遊びに全力で楽しんだ。

生活費は俺父が

「バイトはせんでいい。その時間で勉強して遊べ。お前らを養うくらいどうにでもなるわ」

そう言って送り出されたので、言葉に甘えてさせてもらった。

俺は専門学校を卒業し、放射線技師試験に合格。

家からすぐ近くの病院に就職。

嫁の大学4年時の生活は俺が持って嫁の看護師合格をサポートした。

その翌年、嫁も看護師試験に合格し、俺と一緒の病院に就職。

お金を貯めてひとしきり落ち着いた時に婚姻届を提出してきた。

嫁父の後日談だけど、再就職後の嫁父は鬼神の如き働きを見せたという。

特に製図をしている際、迫力のあまり誰1人として声を掛けられなかったそうだ。

嫁父が俺の実家で働くようになった頃から嫁父の製図技能が評価され、県職員の社宅リフォームの工事を始め、いくつかの大きな仕事が入った。

また、県外では阪神大震災の住宅復旧にも大きく貢献し、弱点だった建築の大幅な増収もあり、会社全体での嫁父加入後の売上が70%増になった。

そんな話を受けた俺達も、受験生でも無いのに毎日4時間は必ず勉強して出来る限りの努力をした。

その甲斐あってか、嫁父は5年後には盛岡の一旦売却された事務所を買い戻し、俺の実家の完全子会社とは言えまた営業を始める所まで戻った。

今年1月には営業も軌道に乗り、実家から完全に独立。

協力企業として製図やその他得意分野の技術を相互提供している。

俺達はこの完全独立を見届け、嫁父の心配を全て取り払えたから今度は俺達が結婚してもっと安心させてやりたいと考えて色々準備をし、その準備が整って籍を入れたって訳だ。

あえて書かなかったのだが、嫁母は嫁が14歳の時に他界。

そこから嫁父1人で育てたそうだ。

とりあえず、今の目標は双方の親に孫を見せてやる事かね。

後日談はこれでおしまいだけど、…あと話す事ってあったかな?

プロポーズしたのは昨年の12月末の事。

嫁父の会社が軌道に乗り、独立する事が決定したため、後は俺達が一緒になる事が最大の親孝行と考えた。

勤務が終わって家に帰り、夕飯を食べて一息ついた時、俺は意を決して話し始めた。

「なぁ、嫁のお父さん会社がまた安定してきて良かったのう」

「そうだね、お父さん張り切ってたよ、これからだって」

「これで俺達の周りにあった心配事は無くなったな」

「うん」

「俺、こういう時のために色々考えたんじゃが…」

「何?」

「今度は…俺達が幸せんなって親を安心させたろうや」

「…」

次の台詞がもう分かるのか、小刻みに震えて少し涙目の嫁。

「言うのが遅れて済まん、俺と…結婚しよう」

嫁は俺が言い切るか切らないか位で抱き着いてきて、大声を上げて泣いた。

俺は嫁の頭を泣き止むまでただ優しく撫で続けた。

嫁が泣き止んでから俺は嫁に聞いた。

「もう分かっているけど、答えを聞かせてくれる?俺と結婚しよう」

「うん!よろしくお願いします!」

年末に広島へ帰った時、俺の両親にこの事を報告。

両親は大層喜ぶと、俺母が嫁を呼んで優しく抱いた。

俺母「嫁ちゃん、お母さんいなくてもよう頑張ったね。これからはウチがお母さんじゃけぇ、存分に甘えんさい」

嫁はここで揉また声を上げて泣いた。

俺と俺父ももらい泣き。

俺父「バカタレが、男がそう安々と泣くなや」

「泣きながら言われても説得力無いわ」

翌日には嫁父も広島へ来たので報告。

嫁父も涙を流して喜んだ。

- 終わり -

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