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投稿:2014-01-08(水)03:00

レントゲンを撮ったら肺に影が写っていた

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名無しさんからの投稿

今年に入ってから、胸が急に痛み始めた。

咳も止まらない。

医者に行き、レントゲンを撮ってもらったら、肺に影が写ってた。

医者からCT検査を勧められるも、仕事で時間が取れずに放置してた。

家事と育児に追われる嫁には、余計な心配を掛けたらいけないと思い、

「大した事無いよ。暫く様子見てくださいってさ」

と誤魔化した。

ある日、いつものように残業で深夜に帰宅すると、嫁が神妙な顔をしている。

「お医者さんから電話があったけど…」

と切り出した。

医者は、CT検査の事で電話をしてきたらしい。

余計な事を…と思いつつ、嫁に話をした。

「CTだったら会社の検診で希望すれば撮れるし、今年は希望するからさ」

「検診って半年以上も先じゃない。手遅れになる病気だったらどうするのよ」

「今は咳が出るだけだから。そんなに大層な病気じゃないよ」

そんな調子で喧嘩になった。

「勝手にすればいいじゃない!万が一の事があっても、子供は私が1人で立派に育てていくから」

と嫁は捨て台詞を残して、その日から別々の部屋で寝る事となった。

別の日のある時、家に置いている「家庭の医学」に栞(しおり)が挟んであるページを開けたら、そこには「肺癌」の事が詳しく書かれていた。

レントゲンの白い影、明確な自覚症状が無い…自分に当てはまる事が多かった。

それで、検査を受ける事にした。

忙しい時期ゆえ、休暇を取得するにもひと苦労した。

結局休暇が取れたのが、検査を受けると決めてから1週間以上経った、一昨日だった。

1人でいい、って言ったのに、何故か嫁が付いてくる。

病院への道中、

「子供の事は心配しないでね。実家に戻れば、後の生活は困らないから」

「私もまだ若いから、良い再婚相手が見付かるかも知れないし」

と憎まれ口ばかり叩いている。

このまま踵を返して、着替えて出社しようかとも考えた。

そして病院に到着。

ほのかに薬品の匂いがして、気持ち悪くなった。

CT室の前のソファーで、無限とも思える長い十数分間を過ごした。

検査は、あっさり終了。

嫁は、

「今…検査技師の人が通ったけど、私の事を憐れむような目で見たような気がする。やっぱり悪い結果だったんじゃないの?」

などと、相変わらず憎まれ口を叩いている。

そして、診察室へ。

十数枚のCT画像を前に、女医がおもむろに口を開いた。

「肺腫瘍は無いですね。全く異常無しです」

それを聞いた俺は安堵した。

と、次の瞬間、隣で立っている嫁が突然号泣し始めた。

泣いて、しゃくりあげながら、

「うちの主人、大丈夫なんですね?命に関わる事は無いんですね?」

と言った。

正直、呆気に取られた。

声を聞きつけ、隣の処置室からも何人かの看護婦が顔を覗かせた。

女医の話を聞くと、最初の胸の痛みはどうやら肋間神経痛で、レントゲンの影は器官が集中して2次元的に重なった箇所が、たまたまそのように写ったのだろうとの事。

嫁は、尚も目頭を押えて泣き続けている。

ふと見ると、女医も目を潤ませており、看護婦の中にはハンカチで目を拭いている人すら居た。

メークを落としてすっぴんの嫁を連れて病院を後にしながら、柄にも無く

「健康に気を付けて節制しよう」

なんて思った。

余談ですが、病院に行けるまでの1週間余り、自分でもいつ死ぬか判らないと思っていたので、出来るだけ早く帰ってきて息子の遊び相手をしました。

うちの息子は自閉症児なのですけど、その分両親の雰囲気がいつもと違う事が敏感に判るのでしょうね。

精神的に不安定になり、私にはベタベタに甘えるようになりました。

今回異常は無かったですけど、一種の臨死体験(?)をした事で、人生観が変わりました。

嫁が、病院からすっぴんで帰らざるを得なかったのは、その日に限って化粧用品を全部忘れて出掛けたんですね。

よっぽど動揺してたのかな。

嫁は、あまり小言を言わなくなりました。

いつまで続くかは判りませんw

こんな嫁と息子を、長い一生に亘って大事にしていける様、頑張ります。

- 終わり -

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