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【高評価】知子とのデートは中止となり、僕と美佳の間の壁が取り払われた(1/2ページ目)

投稿:2016-09-21 19:51:24

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※英字は半角で入力すること

※2022年04月19日:不具合を修正しました。

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本文(1/2ページ目)

名無し
最初の話

6歳下の同僚女子へのマッサージ内容が段々エッチになっていった。ある年、僕は転勤で営業所から上部の支所へ配属になった。支所の建物は別荘として作られた広い一軒家で、所長と課長、そして美佳という6歳下の女の子がいた。時折の所長や課長との会話の中で分かったことだが、美佳には今彼氏がい…

前回の話

“直接美佳に言えばいいじゃねえか”という内容の電話が終わり、僕は風呂へ入ることにした。身体を洗い終えて湯船に浸かっていると、外で車のドアが閉まった音がした。続いて玄関のドアがバタン!と閉まった。“美佳が忘れ物でも取りに来たのかな”耳を澄ましていると、事務所のドアがまたバタン!続いて階段を上がる音、下…

※続きなだけでエロ無しです。

翌日、美佳は何食わぬ顔で

「おはようございま~す」

と挨拶しながら事務所に入ってきた。

僕は取り繕うように「おはよう」と返した。

今日も所長は不在、そして課長は正午になると、午後から本社で打ち合わせがあると言って出掛けていった。

僕はいつものように、簡単な昼食を作り事務所のミーティングテーブルで食べ始めた。

長い電話を終えた美佳が、弁当箱を持って来て僕の向かいに座った。

やはりいつものように、今日はチキンソテーを1切れ「はい」と言って僕の茶碗に載せた。

自分で作った物を人にあげるには料理にある程度自信を持っているからだろうし、またこうしたちょっとした気遣いをサラリとやれることが、僕が美佳を好きになっていった理由の一つだと思う。

僕は何か話さなきゃと思いつつも、何も言葉が浮かばなかった。

美佳も終始無言だった。

僕が先に食べ終わり、しばらくして美佳も食べ終えた。

テレビを見ていると、美佳は黙って僕の湯飲みにお茶を注ぎ、急須を置いたところで、両手で持った自分の湯飲みを見つめながら話し出した。

「明日トモに会うの?」

僕も美佳の湯飲みを眺めながら話した。

「頼まれたし、せっかくだし、イヤじゃないし。それに・・・、惚れられてるし」

「・・・、トモはさ~、入社してすぐに"岩田さんが好きになっちゃった~"とか言ってテルちゃんのことを知りたいって、繋がりがありそうな人をバカみたいに探し回ってたんだよね。その割には"恥ずかしい"とか言って本人のとこへは行かなくてさ。そんで、私がテルちゃんと同じ支所へ配属になったのをすんごい羨んでさあ、"お願いだから変わって"とかマジで言ってたんだよ」

「へえ。でも、オレ中途入社で即営業所配属だったし、身の上を知ってる人なんかほとんどいないよ。それこそ大学で一緒だった幸太くらいじゃないかな」

「そう、それで綾ちゃんから"地元に彼女がいる"って聞かされて、メチャ落ち込んでたんだけど、それからすぐに伊藤さんに口説かれ始めたんだよね。最初はずっと拒否してたんだけど、私も伊藤さんから頼まれてトモを説得してさ。それでまあなんとなく付き合ってたんだけど、お父さんが倒れて家の仕事手伝うことになって、地元に帰るからって、それで別れたんだよね」

「うん。でもそれで別れられるって、わりとドライだなあ」

「所詮好きではなかったんでしょ」

「・・・・・う~ん、お互い好きだって分かってても一緒になれないってこともあるから、逆もまた有りか~」

「・・・・・、昨日の送別会はさ、何かと都合が良いんでここを借りたんだけど、トモのやつ、この期に及んで"岩田さんいるよね?"って聞くからさ、"出張で遅いよ"って言ったら"じゃあ帰って来るまでここにいる"とか言うんだよ~」

「ふうん。モテる男はつらいなあ」

美佳は僕の顔をチラッと見た。

「・・・、自分で言うなよ」

僕はお茶を一口飲んで、美佳の顔を見た。

「あの子、オレと美佳のこと、知らないよね?」

美佳は目を逸らすように、再び自分の湯飲みに目をやった。

「知ってるわけないじゃん!知ったら怒り狂うよ」

「なんか、あの子を騙すみたいな気もするけど。・・・、でもオレ、彼女はいないわけだし、デートしても何の問題も無いよね?」

「・・・、まあね」

「エッチしてもいいってことじゃん?」

「トモ、バージンだよ」

「え?伊藤とヤッてなかったんだ」

「キスもさせてないって。伊藤さん哀れ過ぎだよ」

「う~ん、それはちょっとなんだな。初めてかつ1回こっきりじゃあもったいないよなあ」

美佳が顔を上げて僕を睨む。

「どういう意味それ。こっちに居させてヤリまくろうってこと?」

「違うって。初めては自分の愛する人、自分を愛してくれる人に捧げるべきだろってこと」

「そんなクサいセリフよく言えるよ」

「美佳だって同じだろ」

美佳はうつむき気味に横を向いた。

「・・・、たぶんトモは、明日一日はテルちゃんが自分のこと本気で愛してくれるって思ってるよ。いや信じ切ってるね~あれは」

僕は天井を仰いだ。

「オレ、美佳が好きだって伝えた方がいいのかな?」

「・・・、それはマズいっしょ。昨日・・・、あんなことしといて、最悪な思い出になっちゃうじゃん」

「昨日は・・・。う~ん行くべきか、やめるべきか、難しいな」

「トモのために行くのかやめるのか、自分のために行くのかやめるのか、正確には四択だよねえ。ま、その後は無いって分かってて求めてるトモを、テルちゃんがどう思うかだけど」

美佳はお茶を一口飲んで、また湯飲みを見つめた。

「美佳は平気なの?」

「は?平気の意味がわかんないですけど」

「・・・行った方がいいよな」

美佳はチラリと僕を見て、またすぐ目をそらした。

「・・・・・」

「なに?」

「さあて仕事仕事」

美佳は弁当箱を持って立ち上がり、事務所から出て行った。

"・・・・分からん"

僕も少し遅れて立ち上がると、食器を持って水屋へ入った。

「美佳」

美佳は無視するように弁当箱を洗っていたが、やがて湯沸かし器を止めて振り返り、僕を見て無表情で言った。

「私はただの・・・・」

「ん?」

「いっけな~い!午後イチで松本さんとこ電話するんだった」

僕の横をすり抜けるように水屋から出て行った。

その日の夕方だった。

前から調子が悪かったサーバーがついに動かなくなり、業者に直してもらうことになった。

今日中に来てくれるようお願いしたが、部品の在庫が無く、宅配で送られるためどうしても明日になるらしい。

会合から戻って来ていた課長に相談した。

「じゃあ明日出勤してくれる?」

「え~、マジですか~」

「管理者の岩田君が居ないとどうにもならないからねえ」

チラリと美佳を見ると、明らかに聞こえていない振りをしていたが、スッと立ち上がって事務所から出て行った。

美佳を追い掛けるように水屋へ入った。

「残念なことになっちゃいそうだね」

「まあしょうがないな。・・・、結局そういう縁ってことかも」

「・・・、早めに言っといた方がいいんじゃない?」

「ケイタイの番号知らない」

「教えようか?あ、でもマズい?」

「この際しょうがないでしょ」

知子に電話して事の次第を伝えると、"ええっ!?そんなぁ"と言って泣き出してしまった。

僕は為す術もなく黙っていたが、ようやく落ち着いた知子が話しだした。

「さっき母から電話があって、明後日あいさつ回りをするから明日の夜こっちに来るって言うんです。だから、昼間でないと会えないんです」

「ごめん、ちょっと、どうにもならない」

「今日はどうしても遅くなるんですか?」

「21時で終わればラッキーだよ」

長い沈黙。

「・・・・・そうですか。分かりました。泣いちゃったりしてごめんなさい。昨日のことだけ、岩田さんとの思い出にします」

「・・・、うん」

「どうかお元気で」

「知子ちゃんもね」

「はい。それでは・・・、さようなら」

「うん、さよなら」

かくもあっさり、知子とのワンデイ・ラブは幻となってしまった。

"あんなにマジっぽかったのに割と簡単に断ち切れるんだな。・・・、猫顔の女って、中味も猫なのかな、というか、中味が猫だから顔も猫みたくなるんだろうか"

電話を終えて事務所に戻り、デスクでキーボードをたたく美佳を視界に入れながらLINEを送る。

"取り止め~!終了~!!「さようなら」だって~!!!"

美佳はスマホを手に取ると、目を見開いてしばらく画面に見入っていた。

そして、すっくと立ち上がり、事務所から出て行った。

僕も事務所を出て、水屋に入った。

ドアを開けると、僕が来るのを待つかのようにこちらを向いていた。

「あっけなかったね~」

「斜め上を行く結末だったなあ」

「残念でしょ?」

「・・・、残念というか、正直ちょっと、ホッとしてるかな」

「・・・・・」

「なに?」

「・・・ずっと思ってたけど、やっぱアイツ、猫だわ」

「え?」

「猫だよ、猫」

「・・・うん、オレもそう思った」

知子とのことは、僕にとっては通り雨のような出来事で、その後思い出したりすることもなかった。

そしてまた、美佳との"契約"通りの日々が続いた。

ただ少し変わったのは、昼食の時にくれるおかずが2つに増えたこと。

そしてマッサージの後は、必ず手コキで抜いてくれるようになったこと。

知子の送別会から2カ月後の、明日は僕の誕生日という日。

美佳は昨日から休みをとっていて、仕事中の僕にLINEを送ってきた。

"一人寂しく迎える誕生日。可哀そうだからお祝いしてあげる。夜は空けといて。これ命令!"

一方的かつ上から目線の書き方だったが、全くという程腹が立たなかった。

"承知いたしました"

翌日の夜、美佳の車で隣の市の郊外にある、ちょっと洒落たイタリアンレストランに行った。

給仕が水を置いて下がっていくと、美佳はバッグの中から取り出した小さな紙袋を差し出し、少し照れくさそうに言った。

「誕生日おめでとう。これ受け取って」

「ありがとう。開けていい?」

「うん」

中には、ずっと欲しいと思っていた、結構な値段の時計が入っていた。

「おお!これ、ずっと欲しかったんだけど、なんで知ってるの?」

「アマゾンのページ開きっぱなしになってるの見ちゃったんだよね。それも4~5回。ワザとやってんのかと思っちゃったよ」

「あぁ。・・・でも、こんな高いの買っちゃって・・・」

「いいのよ」

「ありがとう。とっても嬉しいです」

美佳も嬉しそうに微笑んだ。

食事を終えて車に乗り込むと"ちょっと寄り道"と言って、ここらではかなり知られた、山の中腹で夜景がきれいに見える道路端に車を停めた。

「久々に来たけど、やっぱきれいだなぁ」

美佳はエンジンを切ると、夜景をチラッと見た後、前を向いて話し出した。

「・・・あのね」

僕は視界の右端に顔が見える程度まで美佳の方を向いた。

「うん」

「・・・、セフレはもう終わり。昨日で終わり」

意表を突く宣言に驚いて美佳の顔を正面に見た。

「え?」

美佳は前を向いたまま。

「何度も言わせないの」

「彼女になってくれるの?」

「それどころじゃないよ」

「ん?・・・、どういうこと?」

「私は・・・・・、ママになるから」

なんという衝撃の告白。

目が点になった。

「ええ!?」

ゆっくりと自分のお腹をさする美佳。

「テルちゃんの子供を産むの」

「・・・・・、マジですか?」

「マジじゃないわけないでしょ」

「あの時か」

「そう」

「最初からそうするつもりだったとか?」

「・・・、うん」

「どうして?」

「・・・、トモを抱くなんて絶対に許せないって思った。そんなのおかしいって思っちゃったの」

「・・・・・」

「送別会の日、トモがテルちゃんにコクろうとしてたのは分かってた。でも私はその・・・、セフレだし、それを邪魔する権利は無いって思ってた。そしたら帰りの車の中で、アイツ超嬉しそうに、黙ってればいい事ばっかり言って。で、それ聞いてたら、何だかもう、メラメラメラーッって。それでフッと"あれ?私嫉妬してる"って思って。・・・、"テルちゃんは私を好きなの"って。"テルちゃんが抱くのは私だけ、テルちゃんは私だけのもの"って。もう、"すぐに行かなきゃ"って・・・。それでトモを降ろしてから、コンビニ行くってウソついて、事務所に戻ったんだよ。思い返せば、何てことしたんだろうって恥ずかしくなるけど、あの時はもう、それだけだった。トモとのデートだって、行かないでほしいって思ったけど、やっぱ、止める権利は無いって頭だったから、ああ言うしかなかった・・・。テルちゃんからLINEが来て、ダメになって、すんごいホッとして、トモには悪いけど、嬉しかった。"私の勝ちだ"って」

「やっぱ嫉妬してたんだ」

「うん」

「オレさ、あの時、よく分かんなかった、美佳がどういうつもりでいるのか。・・・嫉妬してるようなしてないような。ただ、オレは、美佳をありのままを受け止めるつもりで来たし、美佳のこと、好きだし、美佳に触りたい、触れられたい、美佳でいっぱい気持ちよくなりたい。美佳をいっぱい気持ちよくしたい。オレだけのものにしたいって、・・・ずっとそうだよ。・・・なんか、何言ってるか分かんなくなってきちゃったな」

「それは、全部知ってたっていうか、わかるよ。そういうの、いつも、伝わってきてたよ」

「ほんとに?」

「うん。私、一応自分でも、生意気で、イヤな女だなって思うことがあるのね。でもテルちゃんは、いつも同じように接してくれて、いつも私を見ててくれて、・・・、いっぱい、愛してくれた。・・・あっ、もちろん今も」

「うん」

「"私はセフレ"なんて粋がっちゃって、いつまでこのままでいるんだろうって、けっこう辛かったんだけど、なんか、トモのおかげで、自分で固めてた殻を割れたっていうか、割られたっていうか・・・」

「"縁は異なもの味なもの"っていうけど、まさにそれを地でいってるよな。あの人も、この人もって」

「そうだよね」

「それにしても、一発必中だったな」

僕は手を伸ばし、美佳のお腹を撫でた。

美佳は僕の手の上に、自分の手を重ねてきた。

「私ね、あの日寮に帰ってから"私はセフレじゃない"って自分に言い聞かせるようになったのね。でも、ずっと言い続けてきた責任を取らなきゃって、テルちゃんに辛く当ってきたからって思ったから、どこかでちゃんとケジメをつけなきゃってずっと考えてたの。それで、あの日から2カ月くらいになるから、どうかなって思って、前の休みの日に、妊娠検査薬使ってみたのね。そしたら、陽性だったんだ。検査薬って、陽性だと赤い線が出るんだけど、それを見てたら"ケジメなんてどうでもいい事だったんだ。私はもうセフレなんかじゃない"って確信できたの。・・・、ヘンだよね、そもそも妊娠するつもりで行ったのにね」

「そうか。色々あったんだな。オレ、何もしてあげられなかったな」

「ううん、テルちゃんはいつもと同じにしてくれてて良かったの。それは、私が自分一人でクリアしなきゃいけなかったことだから」

「・・・じゃあね、あらためて言うけど、オレは、美佳が好きだよ。愛してる」

「うん」

「美佳は?」

「・・・好き」

「好きなだけ?」

「・・・愛してる」

「こっち向いて言えよ」

美佳は少し上目づかいで、ゆっくりと僕の方を向いた。

「私、テルちゃんを愛してる」

僕がニッコリ微笑むと、美佳は僕のひざに顔を載せた。

「美佳」

「ん?」

「オレ、パパになるよ」

美佳は顔を少しだけ横に上げた。

僕は美佳の肩を持ち、美佳の身体を起こした。

美佳はジッと僕の目を見つめている。

「結婚しよう。というか、結婚、してください」

美佳は照れ臭そうに微笑んだ。

「よろしくお願いします」

美佳の肩を抱き寄せ、キスをした。

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(2020年05月28日)

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