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悲しき童貞卒業体験から一年後…

名無しさんからの投稿
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前回の話:哀しき童貞卒業体験のあと、美人同期の名前でDVDが届いた

木野愛美は同期で一番の美人と言っていい。

愛美の華奢で可憐なスーツ姿を目で追っているのは僕だけではないことに、改めて気づく。

職場の同僚や上司も、愛美と仕事上であっても話が出来れば、顔が綻んでしまう。

同期の集まりでも、愛美の周りにたまたま座れた男達は、デレデレしながら愛美との会話を楽しむのだ。

「こら、男性陣、愛美が困ってる」

女子達がはやし立てて、割って入っておどける。

愛美は可憐で愛嬌がありまさにマドンナだった。

友人や知り合いの集まりでも愛美の事は話題になる。

「木野さん、別れたんだって」

「いやぁ、俺では多分駄目だわ。釣り合わない」

「お前はどうなんだよ」

友人が僕に訊いてくる。

「そりゃ、可愛いと思うけどさ」

「祖田はいいよな。部署は違うけど近いし。でも、お前もちょっと釣り合わないな・・・」

僕は苦笑する。

僕は愛美との哀しくも最高の体験を誰にも言うつもりはない。

あんな美人で可愛い愛美とあんな体験をしてしまったら、しかもそれが20代の社会人に至るまで女性経験なしの彼女もいたことない男がいきなりあんな体験してしまったら、気が狂ってもおかしくないだろう。

「電話かけてくれるのはいいけど、やっぱり付き合うってなると・・・・・・」

僕が夜に電話して告白すると困惑する愛美であった。

「あんな形で僕の初体験奪っておいて、僕が君をどう思うか考えて欲しいよ」

ふと冷静になって考えれば、気持ち悪いストーカーみたいだ。

「・・・・・・。祖田君は冷静になって。あなたもわたしも嫌な事件に巻き込まれた。あなたはそのショックでそうなっているだけ」

愛美の口調は諭すようだった。

そんな優しさがさらに僕を君に夢中にさせるのに。

最初のセックスは犯人達に強いられたものだった。

なのに愛美は優しく僕の相手をしてくれた。

解放された後、送られてきた愛美のレイプビデオ観てしまって、愛美恋しさでまた呼び出した時も、愛美は優しかった。

自分も酷い目に遭い辛いだろうに。

「そうかもしれない。でも、こうしなきゃいられないんだ」

僕は心のままにぶちまけた。

「愛美、君と付き合いたい。君がもっと欲しい」

「・・・・・・。駄目だよ」

「何で駄目なんだよ。君だってあんなにノリノリだったくせに!」

僕は声を荒げてしまう。

「心からあなたと楽しくエッチしてたと思う?」

愛美の声は冷たかった。

僕は口ごもってしまう。

「ごめんね。もうやめて」

愛美の声に僕はブチっときた。

「確かにそうかもしれないね。君が僕としたのは犯人達から、僕としろって言われたからだろ?それも女性がもう1人僕のところへ連れて来られるから、自分が選ばれるように、君がぼくにねだる為に!君は自分が助かる為に、もう1人の女性を犠牲にしようとした・・・・・・!」

実際もう1人なんていなかったのだ。

犯人達の嘘だった。

僕と愛美を攫った連中は、愛美に対して僕との3回の中出しセックスを指示した。

そして1回もしなければ問答無用で犯人達の奴隷、3回出来なければ女性をもう1人攫ってくるから僕に選ばせて、選ばれなかった方は犯人達の奴隷だと脅していた。

可哀想な愛美は思い詰めて僕をセックスした。

でも僕は1回しか出来なかった・・・・・・。

事情を知らない僕はたとえ1回でも嬉しくてたまらなかった。

僕は語気を強めた。

「僕は何も知らなかった。君がそんな算段で僕とセックスしたなんて!僕は本当に嬉しかったのに・・・・・・」

愛美が誘ってきた光景が今でも鮮明に蘇る。

あの時は本当に夢心地だった。

だが、愛美にとってあれは望まぬセックスであった。いわば強姦だ。

僕はその「実行者」なのだった。

さらにそのセックスは、厳しい言い方をすれば愛美自身が助かる為のエゴと打算の発露でもあった。

たとえ実際はいなかったにせよ、もう1人の女性より自分の方が助かろうとして僕と関係を結んだのだ。

だが、果たしてそれが罪深いと言えるだろうか?それに比べて僕が罪深くないなんて何で言えるのか?

「僕は君を強姦したんじゃないか・・・・・・!そういう事じゃないか・・・!」

「違うよ・・・・・・」

「僕は馬鹿だよ・・・・・・。とんだ大馬鹿ものだ・・・・・・」

「違うよ、あなたは悪くない。わたしはもう1人の女性なんて気にする余裕が無かった・・・。いえ、気にしなかったの。自分ばかり助かろうとした・・・。それに、あなたと強引にエッチして、あなたを傷つけた。ごめんね・・・・・・」

愛美は泣きじゃくっている。

そうして全部自分が悪いと思い詰めるのか。

もともと悪いのは犯人達なのに。愛美は何も悪くないのに。

僕がただ、狂って拗らせて、愛美に文句を言っているだけなのに。

「謝らないでくれよ・・・・・・」

そう言うのが精一杯だった。

それから、僕と愛美は何事もなかったように過ごしたが、互いに視線が合わないようにした。

やっぱり愛美は可愛くて、美人で、興奮してしまう。

僕は駄目な男だった。

職場で笑顔を振りまく愛美にやられてしまう。

愛美は凄いと思う。

あれだけ酷い目に遭ったのに、仕事を休まずに、誰にも素振りにも見せずにいる。

事件から1年が経った。

僕は異動になり、なんと愛美のいる部署にやってきた。

もはや諦めて終わらせたつもりでいた愛美への想いが、また湧き上がってくるのだった。

「よろしくね」

愛美は輝く笑顔で言ってきた。

僕が分からない事があったり、質問したりすると、優しく答えてくれた。

それからしばらくして、愛美と偶々帰る時間が一緒になった。

「どう、慣れた?」

愛美は訊いてきた。

「まだ、分からない事が多いな。木野先生教えてください」

僕がおどけると、愛美は笑って「分かる事なら教えるよ」と応えた。

夜の道を歩く。

しばらく談笑して、攫われたあの道に近づくと、さすがに互いに口数が少なくなるのであった。

あれ以来、遠回りして人の多いところを通って帰っている。

今回もそうした。

「やっぱり、あの道は通れないよね」

と愛美。

ふと、人がいなくなる箇所があった。

まあさすがに恐怖も薄れ、克服出来かけていたのだが。

その時だった。

車が僕達の横を通って、目の前に止まった。

僕は心臓が止まるかと思った。

まるであの時と一緒だった。

攫われるのか!?

すると、ドアが開いて、女性が降りてきて

「ありがとう」

と言っていた。

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